
ソニーのハイエンド5Gスマホ・Xperia 1 Ⅱは6.5インチの4K HDR対応のシネマワイドディスプレイを搭載したモデルとなっています。
プロセッサはハイエンドのSnapdragon 865 5Gに8GBのメインメモリを搭載しサクサク動作するだけでなく90Hzのリフレッシュレートにも対応しています。
さらに、カールツァイスレンズを採用したトリプルカメラを搭載していて雰囲気のある写真を気軽に撮影できるカメラに特化したスマホと言ってもいいかもしれないですね。
ということで、この記事では Xperia 1 Ⅱのサイズ、カメラの画質、スペック、性能をレビューしています。旧型となったXperia 1との違いについても比較しているので、Xperia 1 Ⅱにのりかえ、安くなったXperia 1を検討している方は参考にどうぞ。
この記事の目次
Xperia 1 Ⅱの特徴

- スクエア型の美しい筐体デザイン
- 6.5インチの4KHDR有機ELディスプレイ
- 21:9のシネマワイドディスプレイを搭載
- Snapdragon 865 + 8GBメインメモリを搭載
- カールツァイス製レンズのリアカメラ
- Photo Proで本格的な写真撮影ができる
- サイドボタンの指紋センサーで画面ロック解除
- 5G(Sub-6)・Wi-Fi 6で高速通信ができる
- IP68等級(水深1.5mに30分)の防水防塵性能
- ワイヤレス充電(Qi)に対応
Xperia 1 Ⅱ(エクスペリア1マーク2)は6.5インチの4K HDR対応のシネマワイドディスプレイを搭載したハイエンドスマホで、21:9の縦長ディスプレイを採用し2画面表示にしても余裕ある表示領域を確保することができます。
ハイエンドプロセッサの Snapdragon 865に8GBのメインメモリを搭載し快適に動作するので普段使いだけでなくゲームも快適に遊ぶことができます。
2020年10月30日にSIMフリー版のXperia 1 Ⅱが発売となりましたが、メインメモリが8GB → 12GBに、ストレージ容量が256GBに増えてスペックアップしています。
これは、めっちゃ羨ましいですね…。メインメモリはいいとしてもストレージが256GBになったのは大きいです。
Xperia 1 Ⅱは5G通信にも対応しているので対応エリアであれば実測で下りで300Mbps、上りで100Mbpsといった高速通信ができるようになっています。外でも光回線並みに通信速度でスマホが使えるのは凄すぎです。
Xperia 1 Ⅱの最大の特徴がリアカメラに光学機器メーカーの カール・ツァイスのレンズを採用したトリプルカメラ(広角・超広角・望遠)を搭載しているところですね。

ツァイスレンズは、階調、色再現、透明感、立体感、ぼけ味など、被写体の微細な質感までを忠実に再現できるレンズで、SONYのミラーレスカメラの交換レンズとしてもラインナップされてます。
HUAWEI P40 ProもレンズメーカーLEICAのレンズを採用していますが、Xperia 1 Ⅱも同じようにレンズメーカーとタッグを組むことでカメラの表現力の向上を図る方向に舵を切りました。
ソニーの場合はミラーレスカメラのαシリーズがあるのでXperiaシリーズも同じテクノロジーを採用することでブランド化することもできますし、αのカメラとの連携機能も使うことができるの可能性が広がりそうです。
Xperia 1 Ⅱ レビュー
筐体は角張ったデザイン
Xperia 1 Ⅱの筐体は角張ったスタイルとなっていて、背面パネルはガラス素材、サイドフレームはステンレス金属を採用しています。

サイドフレームは滑らかなエッジ加工が施されているのでぶつけてすぐに凹むということはなさそうです。スクエア型の角張ったデザインに相まって美しくてかっこいいスタイルですよね。
リアカメラは正面から見て右側に搭載していて縦一列にカメラが並んでいるスタイルとなっています。

最近のカメラはトリプルカメラが当たり前になり、大きなレンズを採用することが多いのでカメラ部分の高さのある端末も多いですが、Xperia 1 Ⅱのカメラ周りはスッキリとした印象となっています。
筐体の右側に音量ボタン、指紋センサー内蔵式のサイドボタン、シャッターボタンを搭載しています。

充電ポートはUSB-Cを採用していて急速充電にも対応しています。

筐体の左側にSIMカードスロットがあります。

nanoSIMに対応しています。SIMロック解除してSIMフリー化することで他キャリアの回線を使って通信もできます。

microSDカードは最大1TBまで対応しています。
Xperia 1 Ⅱは128GBのストレージを内蔵しているので、そう簡単に一杯になることはないですが、写真や動画を撮るのが楽しいスマホなのでストレージ拡張できるのは嬉しい仕様ですね。
旧型となったXperia 1のリアカメラは中央にありました。また、サイドフレームと背面パネルが丸みのあるスタイルになっていました。

Xperia 1 Ⅱ | Xperia 1 | |
サイズ | 166 × 72 × 7.9mm | 167 × 72 × 8.2mm |
重量 | 181g | 179g |
基本的なデザインは同じですが、Xperia 1 Ⅱの方が洗練されたスタイルになっていますよね。本体サイズはほぼ同じとなっています。
21:9シネマワイドディスプレイを搭載
Xperia 1 Ⅱは6.5インチの大画面サイズのディスプレイを搭載していますが、21:9の画面比率の縦長ディスプレイなので、同じ6.5インチのディスプレイのAQUOS R5Gと比べると横幅のサイズが抑えられて比較的持ちやすくなっています。

基本的な画面スペックはXperia 1と同じですが、Xperia 1 Ⅱは残像低減技術を搭載し90Hzのリフレッシュレートで表示することが可能となっています。
Xperia 1 Ⅱ | Xperia 1 | |
画面サイズ | 6.5インチ | |
解像度 | 3,840 × 1,644ピクセル | |
仕様 | 4KHDR対応有機ELディスプレイ、4Kアップスケーリング、HDRリマスター、クリエイターモード | |
リフレッシュレート | 90Hz相当(残像低減技術) | 60Hz |
ただ、Xperia 1 Ⅱの残像低減技術はネイティブに90Hz駆動しているわけではなく、表示が切り替わる時の立ち上がりを速くすることで残像を低減する技術を採用しています。
なので、Galaxy S20やAQUOS R5Gなどに採用されている倍速ディスプレイと比較すると物足りなさを感じてしまうかもしれません。

「画質設定」で「残像低減設定」をONにすることで90Hz相当の表示にすることができます。
また、映画を忠実に再現することができるクリエイターモードにすることも搭載、さらに「動画再生時の高画質処理」をONにすることでBRAVIAの技術「X1 for mobile」により動画をきめ細やかに再現できるようになります。

YouTubeの動画も4K解像度にアップスケーリングするので、とにかくキレイな画面で動画を楽しむことができます。6.5インチの画面で4K解像度なので、ホントに綺麗な画面で楽しめますよ。
大画面と使いやすさを両立したサイズ感
Xperia 1 Ⅱは6.5インチの大画面ディスプレイを搭載していますが、21:9の縦長ディスプレイに狭小ベゼルレススタイルを採用することで画面サイズの大きさの割にコンパクト抑えられています。

筐体サイズは166 × 72 × 7.9mmで横幅は79mmとなっています。Xperia 10 ⅡやXperia 5と比較すると幅広なので、片手操作は難しいですが画面サイズと本体サイズのコンパクトさを考えた大きさに仕上がってる感じがします。

最近は大きい画面のスマホで電子書籍を読むことがありますが、6.5インチの大画面なのでランドスケープモード(横持ち)でなかなか見やすい大きさだなと感じています。
片手キーボードを設定することで片手での文字入力は問題ありません。

また、ソニー独自のサイドセンスを使うことで片手でアプリの切り替えもできます。
Xperia 1 Ⅱはベゼルの幅が狭いのでサイドセンスの呼び出しも快適にすることできるので、慣れればこのサイズも意外と使えるのかもしれません。
また、Xperia 1 Ⅱは2画面表示専用アプリ「21:9マルチウィンドウ」を使うことで簡単に2画面表示に切り替えることができます。

他機種ではマルチタスク画面から2画面表示にしないといけないのに対して、Xperia 1 Ⅱは「アプリ起動」→「2画面にするアプリを選択」するだけでマルチウィンドウ化できます。

21:9と縦長ディスプレイなので2画面表示しても余裕のある表示領域を確保できるので見やすくていいですよね。
さらに、Xperia 1 Ⅱは「マルチウィンドウスイッチ」という新機能を搭載し上の画面で起動しているアプリを簡単に切り替えることができるようになりました。
これは、Xperia 10 Ⅱにも搭載されている機能ですが、Xperia 1 Ⅱは高性能なプロセッサを搭載しているので、起動と動作が速いのでストレスなくアプリ切り替えをすることが可能となっています。
サイドボタン式 指紋センサーの精度
Xperia 1 Ⅱはサイドボタンに指紋センサーを内蔵していて、登録した指を触れるだけで画面ロック解除ができるようになっています。

Xperia 1はセンサー式の指紋センサーで隣に電源ボタンを搭載していましたが、Xperia 1 Ⅱは電源ボタンに指紋センサーを内蔵していて精度も向上しているように感じます。
左利きの場合は中指と親指、右利きの場合は親指と中指を登録しておくことで、手で持った時や机の上に置いたままでも簡単に指紋認証することができるので便利に使うことができます。
なお、顔認証機能には非対応となっています。ソニーってなんで顔認証機能を搭載しないんでしょうかね。デュアル生体認証はあって損することはないと思うのですが。
内蔵スピーカーの音質が向上している
Xperia 1 Ⅱの内蔵スピーカーはステレオ対応となっていて、筐体下側の画面端とサイドフレームの隙間があるのですが、ここから音が鳴るようになっています。

もう片方のスピーカーは受話スピーカーを代用した形となっていますが、こちらも筐体とサイドフレームの隙間にスピーカーを埋め込む形になっています。

従来のモデルの筐体下側のスピーカーはサイドフレームにスピーカーを内蔵していました。
正面から音が出る受話スピーカーと、側面から音が出るスピーカーにより音の定位がおかしなことになってましたが、Xperia 1 2はどちらのスピーカーも正面から音が出るので定位が安定していて自然な音楽を楽しむことが可能です。
立体音響のDolby Atomsにも対応しているので対応コンテンツであれば迫力の立体音響を内蔵スピーカーで楽しむことができます。
ちなみに、非対応コンテンツでもDolby Atomsを有効にすることで低音が増強されて少しだけ立体的なサウンドに変貌するので音楽が聴きやすくなります。
Xperia 1 Ⅱは3.5mmオーディオジャックを搭載しています。

付属のテレビアンテナを接続することでフルセグ、ワンセグが見れるだけでなくハイレゾの音源を有線イヤホンを使って楽しむこともできます。
個人的にはワイヤレスイヤホンのWF-SP800NかWF-1000XM3を使って音楽を聴いているので、あまり使わないですがあると便利な端子といってもいいのかもしれません。
ワイヤレス充電に対応
Xperia 1 Ⅱはワイヤレス充電に対応しているので、Qi対応の充電器を使うことで無線で充電することが可能となっています。ワイヤレス充電器に乗せるとQiのマークが表示されるのが良い感じ。

Xperia XZ3はワイヤレス充電に対応していましたが、後継機種となったXperia 1は非対応だったんですよね。ハイエンド機種なのにワイヤレス充電できないことに落胆しましたが、Xperia 1 Ⅱではワイヤレス充電が復活しています。
しかも、充電速度がかなり高速です。Anker PowerWave II StandでXperia 1 Ⅱを充電して時間を計測してみました。参考までに30WのUSB-C PD充電器・AUKEY PA-Y19で有線接続の充電時間も比較しています。
Anker PowerWave II Stand | AUKEY PA-Y19 | |
充電方式 | ワイヤレス | 有線 |
0分 | 0% | 0% |
30分 | 25% | 48% |
60分 | 51% | 72% |
90分 | 70% | 92% |
120分 | 85% | 100% |
150分 | 98% | 100% |
USB-C PD充電器(18W〜30W)を使えば2時間ほどでフル充電することができます。
ワイヤレスで0%からフル充電するのに2.5時間ほどで充電できます。PowerWave II Standは最大で15Wでワイヤレス充電することができる能力を持っていて、メーカー公式ではXperia XZ3が15W充電に対応しています。
なので、Xperia 1 Ⅱも15Wの高速ワイヤレス充電に対応しているのかも?
Xperia 1 Ⅱのスペック・性能
CPU・GPU・ストレージの性能
Xperia 1 Ⅱは、Snapdragon 865に8GBのメインメモリを搭載したハイエンドスマホです。Xperia 1と性能の違いをGeekbench 5で比較してみました。

Xperia 1 Ⅱ | Xperia 1 | |
CPU | Snapdragon 865 | Snapdragon 855 |
メインメモリ | 8GB(SIMフリー版 12GB) | 6GB |
シングルコア | 896 | 740 |
マルチコア | 3268 | 2773 |
GPU(OpenCL) | 3183 | 2467 |
Snapdragon 855 → 865になることでCPUの性能が 2773 → 3268 と20%ほど向上しています。GPUの性能も30%ほど向上していて、Snapdragon 865になったことで、より快適に操作することができるようになっています。
ちなみに、Xperia 1のカメラは写真を撮影すると処理に時間がかかってすぐに閲覧することができなかったですが、Xperia 1 Ⅱは処理が高速化されてレスポンスが向上し、写真を撮影してすぐに確認できるようになっています。
Antutuで性能を比較してみました。

Xperia 1 Ⅱ | Xperia 1 | |
CPU | Snapdragon 865 | Snapdragon 855 |
メインメモリ | 8GB(SIMフリー版 12GB) | 6GB |
ストレージ | 128GB(SIMフリー版 256GB) | 64GB |
トータル | 543791 | 438263 |
CPU | 182179 | 143468 |
GPU | 209185 | 173280 |
MEM | 79772 | 54570 |
UX | 72655 | 66945 |
トータルで25%ほどXperia 1 Ⅱの方が性能が高くなっているようです。プロセッサがSnapdragon 865になったことによりパフォーマンスの向上だけでなく、メインメモリの容量、ストレージ容量が増えたことによりデータ転送速度も大きく向上しているようです。
メインメモリの規格がLPDDR4X → LPDDR5になっているという情報もありますが、国内キャリア版はLPDDR4Xの可能性もあると言われているので詳細は不明です。
実際の動作速度
Xperia 1 ⅡとXperia 1の実際の動作速度をYouTubeで比較しています。13:30頃からChromeブラウザ、Twitter、Google Play、PUBGモバイルなどで比較しています。
Snapdragon 855を搭載しているXperia 1も十分快適に動作するので普段使いでの違いを感じることはほぼないかもです。PUBGモバイルもどちらも快適に動作しています。
ただ、カメラで写真を撮影したときの処理の速さがXperia 1 Ⅱの方が高速なので写真や動画をたくさん撮影するならSnapdragon 865を搭載しているXperia 1 Ⅱの方がいいのかもしれません。
バッテリー・電池の持ちについて
Xperia 1 Ⅱのバッテリーは4,000mAhの容量となっていて電池持ちは普通となっています。
検証で色々と使ってみて(カメラで200枚ほど写真撮影したり、ネットサーフィン、Twitterを1時間ほど使用、ベンチマークアプリを回したりゲームを少し)18時間ほどで100% → 36%でした。

普通の使い方なら1日は余裕で持ちます。
Twitterは1時間で10%の減りなので10時間ほどTwitterをする人はモバイルバッテリーを持ち歩いた方がいいでしょう。YouTubeは1時間30分の連続再生で5%の電池の減りとなっていました。
ただし、5Gでの通信になるとバッテリーがもりもり減るので5Gエリアが広がると電池の減りは早くなるのかもしれません。
ゲームモードにHSパワーコントロールを搭載
Xperia 1 Ⅱにはゲームモードを搭載していて「パフォーマンス・バランス・省電力優先」の3つのモードに設定してゲームを楽しむことができます。さらに、新機能として「HSパワーコントロール」という機能を使うことができます。

「HSパワーコントロール」は充電ケーブルを接続してもバッテリーに電力供給しないでシステムに直接電力を供給するモードです。
充電しながらゲームで遊ぶと通常モードだとバッテリーに電力を供給しながらとなり、端末が発熱しパフォーマンスの低下や電池劣化を引き起こしてしまいます。
HSパワーコントロールをONにすることでシステムに直接電力供給することができるのでバッテリーに負担がかからず、発熱が抑えられてパフォーマンス低下を抑制することができるのです。
長い時間、ゲームで遊びたいという方にはめちゃくちゃ良い機能じゃないでしょうか。
5G通信の速度
Xperia 1 Ⅱは高速データ通信ができる5G通信(Sub-6)に対応していて、docomo 5G、au 5G、SoftBank 5GのSIMカードを入れることで高速データ通信ができるようになります。

ミリ波は非対応ですが、5Gエリアであれば理論値で下り3.4Gbps、上り182Mbpsの高速通信が可能となっています。
実際にdocomo 5Gで通信速度を計測してみました。

受信速度 | 送信速度 | |
1回目 | 282.7Mbps | 94.5Mbps |
2回目 | 205.7Mbps | 92.3Mbps |
3回目 | 237.6Mbps | 93.3Mbps |
4回目 | 127.2Mbps | 92.3Mbps |
5回目 | 207.8Mbps | 92.6Mbps |
下りで200〜250Mbps、上りで90〜100Mbpsの通信速度となっていました。4G LTEによる通信だと下りで80Mbps、上りで10Mbpsほどなので5Gで通信することで大幅に通信速度が向上するのは間違いなさそうですね。
5Gが使えるエリアはまだまだ少ないので、高速通信の恩恵を受ける機会は少ないのでこれからの普及に期待したいところです。
ドコモ版のXperia 1 Ⅱ(SO-51A)の対応バンドは以下の通りです。(→ドコモ公式サイト)
- 4G(国内):1,3,19,21,28,41,42
- 4G(海外):1,3,4,5,7,12,13,17,28,38,39,40,41,42
- 5G:n78,n79(Sub-6)
au版と対応バンドが異なっていて、Band 18がないのでUQモバイルや楽天モバイルのau回線で使うならau版を選んだ方がいいのかも。
ちなみに、ワイモバイルのSIMカードを入れてXperia 1 Ⅱを使っていますが、問題なく通信できています。
Xperia 1 Ⅱ カメラのスペック・性能

Xperia 1 Ⅱのリアカメラはカール・ツァイス製のレンズを採用していて標準、超広角、望遠のトリプルカメラ仕様となっていて、3D iToFセンサーを搭載することで、被写体の距離を素早くキャッチすることができてオートフォーカスの精度を高めています。
ツァイス(ZEISS)製のレンズはソニーのαシリーズのカメラの交換レンズでありますが、ついにXperiaにも採用されました。T*(ティースター)コーティングをしたレンズでクリアな質感の高い表現をXperia 1 Ⅱで楽しむことができます。
Xperia 1 Ⅱ | Xperia 1 | |
標準 | 1220万・F/1.7・24mm (1/1.7インチ) | 1220万・F/1.7・26mm (1/2.6インチ) |
超広角 | 1220万・F/2.2・16mm (1/2.55インチ) | 1220万・F/2.4・16mm (1/3.4インチ) |
望遠 | 1220万・F/2.4・70mm (1/3.4インチ) | 1220万・F/2.4・52mm (1/3.4インチ) |
オートフォーカス | 3D iToFセンサー、瞳AF(動物対応) | 瞳AF |
連写性能 | 20枚/1秒 | 10枚/1秒 |
インカメラ | 800万画素・F2.0(1/4インチ) |
標準カメラのイメージセンサーは1/1.7インチの大型センサーを搭載しているので高精細かつスマホだけどボケ味を自然に表現することができます。
ソフトウェアによるボケ機能を使うことができますが、Photo Proでは使えないし、あまり使って欲しくない感じ。カール・ツァイス製のレンズはボケ味もキレイなので納得です。
Xperia 1 Ⅱは引き続き瞳AFに対応した顔追従オートフォーカスを搭載していますが、なんと動物の瞳にも対応してくれます。

スマホのカメラに瞳AFは必要なのか?ってXperia 1を使ったときに感じましたが動物は顔追従してくれないので瞳AFにより顔にしっかりピントを合わすことができるので便利ですね。
また、Xperia 1 Ⅱの標準カメラの1/1.7型の大きめのイメージセンサーを搭載して被写体深度が浅くなり、今までのスマホよりもピントがずれるとボケやすいという特徴があるので、瞳AFの必要性は以前よりも増したように感じます。
(カメラのパートはクリックで画像を拡大して見ることができます。)
それぞれのカメラが独立している
従来のモデルは一発で標準 → 超広角に画角を切り替えることができない仕様でしたが、Xperia 1 Ⅱのカメラはワンタッチで広角、望遠、超広角を切り替えることができるようになりました。

また、Xperia 1 Ⅱのカメラは超広角、標準、望遠のレンズを切り替えて使うという概念があり連続して画角を変更することができない少し癖のある仕様となっています。
レンズ | 光学画角 | デジタルズーム | デジタルズーム(PhotoPro) |
---|---|---|---|
超広角 | 16mm(光学0.65倍) | 〜48mm(デジタル3倍) | 〜24mm(デジタル2倍) |
標準(広角) | 24mm(光学1倍) | 〜70mm(デジタル3倍) | 〜70mm(デジタル3倍) |
望遠 | 70mm(光学3倍) | 〜200mm(デジタル3倍) | 〜200mm(デジタル3倍) |
24mmの画角は超広角カメラのデジタルズーム3倍と標準カメラの標準画角、70mmの画角は広角カメラのデジタルズーム3倍と望遠カメラの標準画角の2つ存在することになります。

例えば、こちらは標準カメラでデジタルズーム3倍して撮影した画像と、望遠カメラでそのまま撮影した画像を比較したものです。

標準カメラでデジタル3倍ズームした画像(70mm)は輪郭が濃く表現されたものになっています。望遠カメラで撮影した画像(70mm)は輪郭が自然に表現できています。

標準カメラと望遠カメラでそれぞれ同じ画角で撮影できるスマホカメラってなかなかないですよね。ちょっと混乱してしまいそう。
ちなみに、通常のカメラアプリとPhoto Proでは超広角カメラでデジタルズームできる画角が異なります。通常のカメラアプリはデジタル3倍、Photo Proはデジタル2倍の画角までズームすることができます。
ますます混乱しそうですが、ミラーレスカメラのズームレンズを付け替えて使うイメージと近いかもしれないですね。3つのカメラを必要に応じて切り替えて使う感じ。
Xperia 1 ⅡとXperia 1の標準カメラの画質を比較してみました。

どちらも1220万画素のイメージセンサーを搭載しているカメラなので画質はほぼ同じですが、Xperia 1は1/2.6インチのイメージセンサーなのに対して、Xperia 1 Ⅱは1/1.7インチの大型センサーを採用し背景のボケ方がキレイに表現することができます。

ソフトウェアで背景をぼかす機能もありますが接写することでリアルに背景のボケを表現できるので必要性はあまりないのかも。iPhone 11 Proと比べると背景のぼけ味がかなりキレイですよね。
ぼけ味についてはツァイス製のレンズの性能が発揮されているのかもしれないですね。暗いところのライトの玉ボケもとてもキレイに表現することができます。

Xperia 1 Ⅱの標準カメラで撮影した作例をいくつかどうぞ。金沢のひがし茶屋街のメインストリートです。コロナの影響で人がいないので写真取り放題…。

Xperia 1 Ⅱのカメラの色合いは忠実に表現するので見たままの風景を切り出すことができるので、違和感の少ない写真を撮影することができます。

ホントに人が少ないので写真が撮影しやすい…。いいことなのか、どうなのか。

紫陽花がちょうど見頃を迎えていますね。青々とした花の模様、水滴もキレイに表現できています。

F/1.7の明るめのレンズに1/1.7インチの大型イメージセンサーにより暗いところもキレイに写真を撮影することができます。

自動的に長時間露光モードに切り替わりますが、ナイトモードではないので暗部が極端に明るくなってしまうことはありません。

Xperia 1 ⅡはHDRによる暗部の明るさ引き上げは控えめなので、写真のバランスが崩れないのがいいところ。
子どもや人物撮影についてですが、とても良いです。写真を上げることができないのですが、ブランコに乗った子ども達を標準のカメラアプリを使って撮影してみましたが驚くほどピントが合います。
ブランコだと瞳AFは関係ないですが、素早い被写体の移動に対してもしっかりAFが追ってくれるようで、高速連写して撮影してピントの合点率がなかなか高い。
また、肌の質感の表現もなかなか良いので子ども達をキレイに撮影したいならXperia 1 Ⅱはかなり使えるなぁといった印象です。
Xperia 1 Ⅱの超広角カメラはF2.2の明るさの16mmのレンズに1/2.55インチのイメージセンサーを搭載しています。
Xperia 1とXperia 1 Ⅱの超広角カメラの画質を比較してみました。

自動販売機の部分を拡大してノイズの出方や解像感をチェックです。

どちらも超広角画角の1220万画素のイメージセンサーを搭載していますが、レンズの明るさがF/2.4 → F/2.2と明るくなり、センサーサイズも1/3.4インチ → 1/2.55インチと大型化し画質が向上しています。

超広角カメラがあれば広い視野で写真を撮影することができます。

明るくなったレンズと大きくなったイメージセンサーで暗くても手振れしくい写真を気軽に撮影可能となっています。超広角カメラになると極端に画質が低下してしまうスマホがあったりしますが、Xperia 1 Ⅱは自然な感じで撮影することができます。
Xperia 1 Ⅱの望遠カメラはF2.4の明るさの光学3倍(70mm)のレンズに1/3.4インチのイメージセンサーを搭載しています。
Xperia 1とXperia 1 Ⅱの望遠カメラの画質を比較してみました。こちらは、Xperia 1の望遠カメラ(光学2倍)をデジタルズームで3倍にして金沢駅の入り口を撮影したものです。

Xperia 1の3倍ズームは光学2倍の望遠ズームをデジタルズームしているので、輪郭が強調されて違和感のある画像になってしまいますが、Xperia 1 Ⅱは光学3倍の望遠レンズとなっているので違和感のない自然な表現が可能となっています。

Xperia 1 Ⅱで2倍ズームで撮影する場合は標準カメラに切り替えて「×2」にすることで可能です。

ただし、Xperia 1の望遠カメラと比較するとXperia 1 Ⅱの標準カメラのデジタル2倍ズームの画質は劣ります。

イメージセンサーが大きくなって画質が向上したとはいえ、光学2倍の望遠レンズにはかなわないですよね。望遠カメラで52mmの画角で撮影するならXperia 1、70mmの画角で撮影するならXperia 1 Ⅱということになります。
まあ、Xperia 1 Ⅱを使うなら70mm(光学3倍)の画角に慣れるのがいいのかもしれないですね。
望遠カメラ(光学3倍)での作例をいくつか掲載しておきます。

光学3倍(70mm)の画角なので被写体から離れていても近くで撮影することができますし、圧縮効果により引き締まった写真を撮影できます。個人的に望遠レンズが好きなので3倍光学のカメラはとても嬉しい。

ただし、Xperia 1 Ⅱの望遠カメラに採用されているイメージセンサーは1/3.4インチと小さいので画質は思ったほどではないかも。

というよりも、ピントがボケることが多い感じ。しっかりとピントが合っていれば暗いところでもキレイな写真に仕上げることができるのですが、高倍率の望遠レンズはピントがズレやすいので扱いが少し難しいかもですね。

ちなみに、Xperia 1 Ⅱの望遠カメラ(70mm)はあまりにも暗いところでは使うことができません。暗いと「フォーカスを合わせるには、もう少し明るさが必要です。」と警告が表示してしまいます。

Xperia 1は自動的に標準カメラのデジタル2倍ズームに切り替わってたのですが、Xperia 1 Ⅱはカメラを交換レンズのように手動で切り替えるという概念があり、この警告が表示した場合は手動で望遠カメラから標準カメラに切り替えてデジタル3倍ズームにする必要があるんですよね。
ここまでミラーレスカメラに近い操作感とは…こだわってる。?
低照度モードで暗いところを明るく撮影
Xperia 1 Ⅱはナイトモード非搭載ですが、 暗いシーンでは低照度モードに自動的に切り替わって長時間露光による撮影(3〜5秒ほど)となり、暗いところで明るく撮影することが可能となっています。

実質的なナイトモードのような機能ではありますが、一般的なナイトモードと違って明るくなりすぎないという特徴があり、より自然な写真に仕上げることができます。
ただし、Xperia 1 Ⅱの低照度モードはAIが状況を判断して自動的に切り替わるため使いたいときに使えないというデメリットがあります。
また、夜景モードに切り替わると光を生かした明るさを抑えた写真になるのでちゃんと撮影できないこともあり、扱いが少し難しいなと感じます。
Photo Proでこだわりの写真を撮影できる
Xperia 1 Ⅱは通常のカメラアプリだけでなくPhotograph Pro(Photo Pro)という専用のカメラアプリを使って写真撮影することができます。ソフトウェアシャッターボタンがないので、筐体サイドにあるシャッタボタンを使って撮影スタイルとなります。

しかも、半押ししてオートフォーカスを合わせてボタンを押し込むと撮影できるという仕様となっているので(手ブレ起こしそうになる)こだわりのあるスタイルとなっています。
Photo Proは「Auto・P・S・M」の4つのモードを切り替えて撮影ができます。

Auto | P(プログラムオート) | S(シャッタースピード優先) | M(マニュアル露出) | |
ドライブモード | ○ | ○ | ○ | ○ |
AFモード | ○ | ○ | ○ | ○ |
フォーカスモード・エリア | ○(MF設定不可) | ○ | ○ | ○ |
シャッター速度 | × | × | ○ | ○ |
露出補正 | × | ○ | ○ | ○ |
ISO調整 | × | ○ | × | ○ |
測光モード | × | ○ | ○ | ○ |
ホワイトバランス | × | ○ | ○ | ○ |
「Auto」は標準カメラと同じ操作感で撮影ができるモードとなっていて、「P」にすることでISO感度やホワイトバランスが調整できます。「S」にするとシャッター速度を調整できるので、三脚を立てて車のヘッドライトをレザービーム撮影するという使い方も可能となります。
Photo Proは「露出/色」から「DRO/オートHDR」の設定を変更することができます。

通常のカメラアプリは自動HDRでの撮影となりますが、Photo Proを使えばHDRをOFFにしたり、Dレンジオプティマイザーに変更することができます。
Dレンジオプティマイザーはミラーレスカメラにも搭載している機能ですね。HDRは複数枚の画像を合成することで黒つぶれと白トビを最適化するモードですが、Dレンジオプティマイザーは1枚の画像で階調を最適化するモードです。
HDRと比べて白トビしてしまいますが、自然な写真に仕上げることができるのが特徴です。こちらは、各スマホの望遠カメラを使って撮影した画像です。

iPhone 11 Proは周囲の暗いところの諧調を上げようとして破綻してしまっていますが、Xperia 1 Ⅱは比較的うまく表現できているようです。
さらに、Photo ProのDレンジオプティマイザーで撮影すると、光源の白トビを上手く抑えながら光の加減も実際の雰囲気に近い感じで表現できます。

他のスマホでも露出補正をいじったり、いろいろすることで撮影できると思いますが、Xperia 1 Ⅱはシャッターボタンを切っただけで雰囲気のある写真を簡単に撮影できてしまうのが凄いところ。
HDRで合成した写真がいいのか、Dレンジオプティマイザーで自然に仕上げた写真がいいのか。完全に好みの部分ではありますが、Xperia 1 Ⅱなら状況に合わせてモードを切り替えて撮影することができます。
Photo Proは撮影する写真の画角設定で「3:2」を選ぶことができます。

通常のスマホのカメラは4:3の画角で撮影するものがほとんどです。3:2はフルサイズセンサー、APC-Cセンサーを搭載したカメラで多く採用されている画角なので、カメラで撮影した画像と画角を合わすことができるメリットがあります。
PhotoProはRAW撮影もできるようになったので現像処理を自分でしたい方の要望にも答えてくれます。Xperia 1ⅱのカメラはダイナミックレンジが広いのでRAW現像による幅広い写真を作り出すことができるので、作品を作りたいという方も使えそう。
さらに、三脚を使ってシャッタースピードを30秒、ISO200、マニュアルフォーカスで撮影することで星空を撮ることもできます。

スマホでここまで星をきちんと撮影できてしまうことスゴいですよね。ほんとにカメラいらないんじゃ…。
ちなみに、Xperia 1やXperia 5のマニュアルモードもシャッター速度を30秒に設定できるので、三脚を使って撮影ができますがXperia 1 ⅱの方が実際の色に近い感じで星を撮影することができます。
カメラを使ってきたユーザーにとっては馴染みのある画角なので、個人的には画角だけでPhoto Proを使いたくなってしまいます。
ただし、Photo Proの撮影は普通のカメラアプリと比べると少し難しいので色々と試して慣れる必要はあるのかなぁと感じます。
ケースを装着すると操作しやすい
また、ソフトウェアのシャッターボタンがないのでサイド部分にあるシャッターボタンを使っての撮影が基本となります。ケースなしだと滑って落としてしまいそうになるので、ケースがあるとPhoto Proモードでの撮影がしやすいでしょう。

Spigenのケースは質感も高く、そんなにゴツいケースでもないですし、ケース装着状態でもワイヤレス充電することもできるのでXperia 1 Ⅱとの相性はいいのかなと感じます。

シャッターボタンもしっかり機能するので、Photo Proを使って撮影することが多いならおすすめのケースですよ。
Xperia 1 Ⅱの端末価格
Xperia 1 Ⅱはドコモで123,552円、auで133,600円で、ソニーストアでSIMフリー版を136,400円で買うことができます。
ドコモ | au | |
一括 | 123,552円 | 133,600円 |
12回 | 9,837円/月 | – |
24回 | 4,918円/月 | 5,566円/月 |
36回 | 3,279円/月 | 3,711円/月 |
48回 | – | 2,783円/月 |
返却プログラム適用で | 実質78,701円 | 実質79,120円 |
ドコモは「5G WELCOM割引」を適用することで、新規・のりかえで22,000円の割引を受けることができるので101,552円でXperia 1 Ⅱを手に入れることができます。
また、ドコモを使っていて4GスマホからXperia 1 Ⅱに機種変更の場合も5,500円の割引を受けることができるので金額で見ればドコモで買うのが一番お得なのかもしれません。
Xperia 1 Ⅱ レビュー・評価:まとめ

Xperia 1 Ⅱは6.5インチのシネマワイドディスプレイに、ツァイス製のカメラレンズを3つ搭載したハイエンドスマホです。
- 6.5インチの4KHDR有機ELの画面がキレイ
- カール・ツァイス製のトリプルカメラを搭載
- Photo Proでカメラと同じ操作感で写真撮影できる
- Snapdragon 865 + 8GBメインメモリで高性能
- サイドボタン式の指紋センサーを搭載
- ワイヤレス充電に対応している
- 内蔵スピーカーの音質が良い
- HSパワーコントロールで発熱を抑えてゲームを楽しめる
- 5G、Wi-Fi 6で高速データ通信ができる
4K HDRの有機ELディスプレイがとにかくキレイなので映画を楽しむのにも最適なスマホとなっています。カール・ツァイス製のレンズを採用したトリプルカメラを搭載しているのでキレイな写真を撮影することができます。
また、SIMフリー版はメインメモリ12GB、ストレージが256GBに容量が増えるので写真や動画撮影することが多いならSIMフリー版を選ぶのがいいのかもしれません。
- カメラの操作感が少し特殊
- 望遠カメラにクセがある
- 顔認証に対応していない
Xperia 1 Ⅱはソニーのカメラ事業の柱の中の一つのデバイスという位置付けにもなったため、ミラーレスカメラのαシリーズを意識したものとなっています。
iPhone 11 ProやGalaxy S20などのスマホは誰でも簡単にキレイな写真を撮影できるように配慮されていますが、Xperia 1 Ⅱは3つのカメラを切り替えるという概念があるので、操作に戸惑いを感じるかもしれないですね。
また、顔認証機能にも対応していないのは残念。指紋と顔のデュアル生体認証がスタンダードになりつつあるので、顔認証機能は搭載してほしいところ。
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