XF16-80mmF4 レビュー

XF16-80mmF4 R OIS WRは2019年に発売したレンズで焦点距離は16-80mm(35mm判換算24-122mm相当)、手ぶれ補正機能を搭載し全域で安定した写真を撮影できるズームレンズです。

ここでは、XF16-80mmF4 R OIS WRのデザイン・サイズ・画質・表現力をレビューしています。

富士フイルムの標準ズームレンズはXF18-55mmXF16-55mmなどがありますが、55mm止まりだったのが80mmまでカバーできるのがXF16-80mmF4 R OIS WRとなっています。

一本で全てを、きれいに撮影するならおすすめの一本です。

XF16-80mmF4 R OIS WR スペック・特徴

XF16-80mmF4 R OIS WR
XF16-80mmF4 R OIS WR
XF16-80mmF4 R OIS WRのスペック・特徴
  • Xマウント
  • 焦点距離:16-80mm(35mm判換算:24-122mm相当)
  • 画角:83.2°-20.1°
  • 絞り:F4(9枚円形絞り)
  • 撮影距離範囲:35cm〜∞
  • 6.0段のレンズ内手ブレ補正
  • フィルター径:ø72mm
  • サイズ:ø78.3mm × 88.9mm
  • 重量:440g
  • 価格:116,050円(実売10万円)

XF16-80mmF4 R OIS WRは焦点距離16-80mm(35mm判換算24-122mm相当)と幅の広い撮影ができるだけでなく80mmズームしてもF4固定で撮影できるのでとても使いやすいレンズとなっています。

80mmでも絞り値F4で撮影できるので暗いところでも撮影できるのはいいですよね。なのに、レンズ内手振れ補正を搭載していて程よい大きさに収まってるのが素晴らしいところ。

XF16-80mmF4のレンズの大きさ
XF16-80mmF4のレンズの大きさ

XF16-80mmF4は全域でキレイな写真を撮影できるのでズームレンズとしては隙のない性能になっています。さすがにボケ味は少し硬いなと感じることはありますが、35mm判換算24-122mmの幅広い領域をこの1本で撮影することができるのは便利です。

XF16-80mmF4 R OIS WR レビュー

レンズのスペック・性能

XF16-80mmF4は35mm判換算24-122mmの5倍ズームレンズでありながら440gという軽さを実現しています。フルサイズ用のレンズだと600g〜700gほどの重量がありますがAPS-Cセンサーだから可能になったサイズといってもいいかもですね。

非球面レンズ4枚を含む12群16枚のレンズ構成を採用し中心から周辺まで高い解像能力を持っています。

XF16-80mmF4のレンズ
XF16-80mmF4のレンズ

最短35cmの近接撮影も可能となっていて80mmズームを使うことができるのでブツ撮りにも使うことができます。テーブルフォトに使うレンズとしてもいいのかも。

カメラ接合部分も金属パーツなので信頼性の高いレンズとなっています。

金属パーツを採用した信頼性の高いレンズ
金属パーツを採用した信頼性の高いレンズ

レンズにはズームリング、フォーカスリングだけでなく絞りリングも搭載しています。

XF16-80mmF4の操作リング
XF16-80mmF4の操作リング

ファインダーを覗きながらリアルタイムに絞り値を調整して撮影することができます。絞りリングは少しだけ固いですが快適に使うことができると思います。

ちょうど良い使いやすいサイズ感

XF16-80mmF4の外装は金属製のパーツを採用、鏡筒の10ケ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造となっています。

XF16-80mmF4の外装デザイン
XF16-80mmF4の外装デザイン

なので、防塵・防滴構造ボディを採用しているX-T4、X-T3、X-H1、X-Pro 3などの組み合わせで小雨の降る中での撮影にも耐えることができます。

X-T3にXF16-80mmF4を装着するとこんなスタイルとなります。

X-T3 + XF16-80mmF4の組み合わせ
X-T3 + XF16-80mmF4

XF16-55mmF2.8だとレンズの方が大きくバランスがおかしくなってしまいますが、XF16-80mmF4はちょうどいいサイズ感で使うことができます。

付属の花形フードを装着する少し大きいと感じるかもですね。せっかくコンパクトなレンズなので角形フードを使った方がいいのかも。

XF16-80mmF4 花形フード
XF16-80mmF4の花形フード

小型ボディのX-T30にXF16-80mmF4を装着するとこんな感じのスタイルとなります。

X-T30 + XF16-80mmF4の組み合わせ
X-T30 + XF16-80mmF4

とてもコンパクトに収めることができます。これで、手振れ補正機能も搭載しているので暗いところでも手振れしにくくキレイな写真を撮影することができますね。

レンズ内手振れ補正機能を搭載

F16-80mmF4は6段の手振れ補正機能を搭載しているので、ボディ内手振れ補正のないカメラボディでも手ブレをしっかり抑えつつ撮影することができます。

標準ズームレンズで手振れ補正がないと夜間撮影はとくに厳しいものがありますが、F16-80mmF4はしっかり手ブレを抑えてくれるので安心して使うことができます。

なお、AFの切り替えスイッチはありませんが三脚固定をすると自動的に判別してくれるので問題はないようです。

高速で静かなオートフォーカス

F16-80mmF4は 静粛性と制御性に優れるステッピングモーターでレンズを駆動させているためフォーカス時の駆動音がとても静か、かつ精度も高くて使いやすいレンズとなっています。

XF16-80mmF4 R OIS WR 作例

X-T3 + XF16-80mmF4 R OIS WRの組み合わせで撮影した作例をいくつか置いておきます。フィルムシミュレーションはクラシッククロームに設定して撮影しています。

X-T3 + XF16-80mmF4で東京スカイツリーを撮影
F4・SS1/4700・ISO320

XF16-80mmF4は広角16mm(35mm判換算24mm)の視野角の広いところから撮影できるので、このような風景の撮影にも使えます。

X-T3 + XF16-80mmF4で六本木ビルを撮影
F4・SS1/3200・ISO320

さらに、80mm(35mm判換算122mm)までズームして撮影することもできるので、被写体に寄って撮影することもできるので、この1本でほんとに幅広い写真を撮影することができます。

X-T3 + XF16-80mmF4でトタン屋根を撮影
F4・SS1/8000・ISO160

逆光のあるシーンも引き締まった感じで撮影できます。

X-T3 + XF16-80mmF4で丸の内周辺を撮影
F4・SS1/1800・ISO320

55mmのズームだと足りないなと感じるシチュエーションもXF16-80mmなら80mmまでズームできるので、もっと拡大して切り取りたいという時に威力を発揮することができます。

X-T3 + XF16-80mmF4でApple丸の内を撮影
F4・SS1/1900・ISO320

望遠側で撮影することで背景のボケ量もそこそこ確保することができるので、雰囲気のある写真に仕上げることができます。

X-T3 + XF16-80mmF4で花を撮影

背景のぼけは少し硬いのかもしれませんが、XF18-55mmF2.8-4よりも表現力は上なのかなと感じます。とくに望遠側の画質は間違いなくXF16-80mmF4の方が上です。

X-T3 + XF16-80mmF4で草を撮影

F4通しなのでズームしても明るさが暗くなることもなく画質のキレも維持してくれるので、とても使いやすいレンズ。とくに風景を撮影することが多いなら汎用性が高くてとてもいいと思います。

X-T3 + XF16-80mmF4で落ち葉を撮影

q

X-T3 + XF16-80mmF4で水滴を撮影

手ぶれ補正機能を搭載しているので暗いところでもブレのない写真を撮影することができます。

X-T3 + XF16-80mmF4で焼き鳥の提灯を撮影

手ぶれ補正機能非搭載のXF16-55mmF2.8だとISO感度を上げないとこのような暗所撮影でブレのない写真を撮影するのは至難の技です。

X-T3 + XF16-80mmF4で浅草の雷門を撮影
F4・SS1/8・ISO1600

深夜の浅草寺っていいよね。また行きたい。

XF16-80mmF4はレンズの大きさがコンパクトなのでX-T30との相性も抜群なので普段使いのレンズとしてもいい仕事してくれそう。

F4・SS1/20・ISO3200

手ぶれ補正はないよりもあった方が絶対にいい…。

X-T3 + XF16-80mmF4で夜の町を撮影
F4・SS1/10・ISO3200

FUJIFILMのカメラでボディ内手ぶれ補正を搭載しているのはX-T4X-H1の2機種のみ。その他のボディはXF16-80mmF4のような手ぶれ補正を搭載しているレンズを使う必要があります。

真昼に撮影することが多いなら手ぶれ補正の必要性はあまりないですが、夜間撮影って楽しいのでこのような写真を撮影する、してみたいならXF16-80mmF4は撮影の幅が広がるのでいい選択肢となるでしょう。

こちらはフィルムシミュレーションはスタンダードで撮影しています。

紅葉はスタンダードで撮るのが好きです。やっぱり色鮮やかな色にしたいじゃないですか。まあ、この辺りは完全に好み。富士フイルムのカメラならそのリクエストに答えてくれるから素晴らしい。

最大80mm(35mm換算122mm)で撮影できるので、遠くにある風景も寄せて撮影することができるので、とにかく便利です。

もちろん、XF16-80mmF4はブツ撮りにも使うことができます。手ぶれ補正機能を搭載しているのでX-T3X-T30などボディ内手ぶれ補正がないカメラでも手持ち撮影もなんのその。

iPhone 11 ProとApple Watch
X-T30 + XF16-80mmF4で撮影

iPhone 11 ProXperia 1 Ⅱのトリプルカメラ。どっちも好き。

iPhone 11 ProとXperia 1 Ⅱ
X-T30 + XF16-80mmF4で撮影

シザー構造になったMacBook Pro 16インチのキーボードの段差も寄って撮影することができます。

MacBook Pro 16インチのキーボード
X-T30 + XF16-80mmF4で撮影

個人的にはブツ撮りはもっと解像感が高いXF16-55mmF2.8XF90mmF2.0を使っていますが、XF16-80mmF4でも十分使えるのかなと思います。

XF16-80mmF4 R OIS WR レビュー:まとめ

XF16-80mmF4 R OIS WRは焦点距離16-80mm(35mm判換算24-122mm相当)の標準域ズームレンズです。

XF16-80mmF4のメリット
  • 広角16mmから望遠80mmの幅広い撮影ができる
  • XF18-55mmよりも画質が良い
  • 通しF4対応で全ての視野角で撮影しやすい
  • 手ぶれ補正機能を搭載している
  • レンズの大きさがコンパクト
  • オートフォーカスの速度が速くて静か

もし、標準ズームレンズを持っていないならXF16-80mmははじめての標準ズームレンズとして良い選択肢になります。

XF18-55mmを持ってるなら少し微妙かな…。

表現力はXF16-80mmの方が間違いなく上ですが、追加で買うなら単焦点レンズのXF35mmF1.4やXF56mmF1.2、XF90mmF2とかもっと表現力が高いレンズを攻めた方がいいかなと個人的には思います。

XF16-80mmF4のデメリット
  • ぼけ味に物足りなさを感じることがある

普通の標準ズームレンズに比べるととてもキレのある表現力の高いレンズですが、RED BadgeレンズのXF16-55mmF2.8と比較すると表現力に物足りなさを感じることもあります。

つまり、単焦点レンズと比べても「うーん..?」ってなる(当たり前なんですけどね。)ので上のレンズを知ってるとXF16-80mmの立ち位置は難しい。たしかに便利なんだけど使わなくなるパターンってやつ。

X-T3、X-T30のレンズキットはXF18-55mmF2.8-F4でしたが、X-T4のレンズキットはXF16-80mmF4です。なので、基本的には「はじめての富士フイルム」におすすめなレンズなのかなと。

ボディ内手ぶれ補正非搭載のボディ(X-T3、X-Pro 3、X-T30、X-E3など)を使っていて広角から望遠まで撮影できる便利ズームが欲しい…となったときに手に入れるのがいいかもですね。

XF16-55mmF2.8 R LM WRは富士フイルムのミラーレスカメラで使えます。

X-T5X-T4はこちら

少し古めの富士フイルムのカメラボディはこちら。中古で買うことができたりするので、価格を抑えたい方はX-H1とかおすすめですよ。

Xマウントの標準ズームレンズはこちら。

Xマウントの単焦点レンズはこちら。