
強力なノイズキャンセリング機能を搭載しつつ音質の良い完全ワイヤレスイヤホンとなると数えるほどしか存在しませんが、ソニーのWF-1000XM3はその条件をクリアしているイヤホンといっていいでしょう。
ノイズキャンセリング機能を使うことで周囲の雑音をスッとかき消してくれるだけでなくて音質も全域で解像感のある良い音を楽しむことができるようになっています。
この記事では、SONY WF-1000XM3のデザイン・音質・ノイズキャンセリング・付け心地・使いやすさをレビューしています。
WF-1000XM3は2019年7月に発売したイヤホンですが、まだまだハイエンドイヤホンのトップを走り続けているモデルとなっています。質の高いイヤホン体験をしたい方にはおすすめのイヤホンとなっています。
→ 後継機種・WF-1000XM4はこちらです
この記事の目次
SONY WF-1000XM3 レビュー

WF-1000XM3はソニーが2019年7月に発売したノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンです。
WF-1000XM3のスペック
型式が「XM3」となっていますが、2017年のWF-1000Xの後継機種となっていて、ナンバリングに「3」が付いている2代目となっています。
WF-1000XM3 | WF-1000X | WF-SP900 | |
ドライバ | 6mm ドーム型(CCAWボイスコイル) | バランスド・アーマチュア | |
マグネット | ネオジウム | ? | |
コーデック | SBC, AAC | ||
ノイズキャンセリング | あり(高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e) | あり | なし |
アンビエントサウンド(外音取り込み) | あり | あり | あり |
高音質技術 | DSEE HX対応(圧縮音源をハイレゾ相当に変換) | – | – |
Bluetooth | 5.0(Power Class 1) | 4.1(Power Class 1) | 4.0(Power Class 2) |
最大通信距離 | 見通し距離 約10m | ||
マルチペアリング | 最大8台まで | ||
充電ポート | USB Type-C | ||
連続音声再生時間 | 最大6時間(ケース併用で24時間) | 最大3時間 | 最大6時間 |
防水防塵 | – | – | IP68 |
専用アプリ | Headphones Connectに対応 |
SONYのスマホ・XperiaだけでなくiPhoneでも普通に使うことができるので、ソニーだからエクスペリアにしないといけない…ということはないので安心してください。
旧モデルのWF-1000Xもノイズキャンセリング機能を搭載してましたが、WF-1000XM3は新開発の高音質ノイズキャンセリンプロセッサ「QN1e」を搭載したのが大きな特徴の一つとなっています。

さらに音楽配信サービスや動画の圧縮音源を高解像度音源にアップスケーリングする高音質技術DSEE HXを完全ワイヤレスイヤホンとしては初めて搭載しています。
DSEE HXといえば、ソニーのスマートフォン・Xperia 1 ⅡやXperia 5 Ⅱなどに搭載されている高音質技術ですが、これをiPhoneなどソニー以外の端末でも設定できるようになる…ということになります。
- ソニーらしい格好いいワイヤレスイヤホン
- 装着感は付けてる感じがしないほど自然
- さすがソニー、音質が驚くほど良い
- ノイズキャンセリング機能を搭載
- マルチペアリングで簡単にデバイス切り替え
- イコライザーで自分好みの音質設定ができる
見た目から「あ、ソニーのイヤホンだ。」って判別できるくらい特徴的なデザインとなっています。

今回購入したカラーは「プラチナシルバー」です。他にもブラックがあるので好みのカラーを選ぶことができますが、僕はプラチナシルバーは一目惚れしてしまったのでこちらをチョイスしました。
WF-1000XM3の大きな特徴がノイズキャンセリング機能となっています。
ノイズキャンセリングってほんとに凄いですね。初めてノイキャンを体験したのですが、バスのロードノイズとか完全に消えてしまう。これには本当にビックリしました。
ここまでノイズが消えてしまうなんて。体が浮いている感覚に陥ってしまうほどの性能となっています。
肝心の音質はもちろん良いのですがノイズキャンセリング機能のおかげで外部からの不快なノイズが消し去ることができるので音質がさらに良くなっている感じがします。
端末価格は少し高いけど失敗しない完全ワイヤレスイヤホンですね。
パッケージ・付属品
WF-1000XM3は高級ワイヤレスイヤホンらしく高級感のあるしっかりとしたパッケージとなっています。

説明書やGoogleアシスタントの使い方の説明書なんかも入っています。そして、WF-1000XM3の充電ケースはUSB-Cポートに対応しているので、USB-C to Aケーブルが付属しています。

充電アダプタは付属していませんが、USB-C to AケーブルなのでiPhoneなど手持ちの充電器を使って充電はできるのかなと思います。ただ、ケーブルの長さが20cmとかなり短いですけどね。
イヤーピースの種類が豊富
付属しているイヤーピースは通常のハイブリッドイヤーピースの他にトリプルコンフォートイヤーピースが付属しています。

左の色の付いたイヤーピースがトリプルコンフォートと呼ばれるイヤーピース。

通常のイヤーピースはシリコン素材となっていますが、トリプルコンフォートイヤーピースは発泡シリコン素材(ウレタンっぽい)を使ったものとなっています。

トリプルコンフォートイヤーピースの方が肉厚になっているので、遮音性が通常にイヤーピースよりも高いのが特徴で、肌さわりもサラサラ素材となっているので、通常のイヤーピースの肌さわりが嫌という方はコンフォートを装着するのがおすすめです。

イヤーピースは上に引っこ抜くだけで簡単に取り外しができるので、自分の耳にあったイヤーピースを選ぶことができます。これだけ種類があるのは色々と試すことができるので有難いですね。
ちなみに、僕は通常タイプのイヤーピースを使っています。

なんか靴みたい…。トリプルコンフォートイヤーピースの装着感も悪くないのですが、少し窮屈感があったのでやっぱり僕は普通のイヤーピース。
WF-1000XM3の充電ケース
充電ケースも本体デザインに合わせた楕円形スタイルとなっています。なかなか高級感があっていいですね。

充電ケースの下側にUSB-Cポートを搭載しています。

充電ケースの内部はこんな感じ。

ちなみに、充電ケースにはLEDを内蔵していますが、充電時に赤色に光るだけなので、バッテリー残量をケースだけで把握することはできません。
WF-1000XM3のイヤホン本体はこんな感じで収まっています。

イヤホン単体で4.5時間(ノイズキャンセリング ONで3.5時間)の連続再生が可能となっていますが、ケースを併用することで最大24時間ほど音楽を楽しむことができるようになっています。
WF-1000XM3 イヤホン本体
イヤホン本体は完全ワイヤレスイヤホンの中では大きめサイズといっていいかもしれませんね。

ただ、イヤホン本体の重量は8.5gと重くはないので普通に耳に付けている状態で使って重いと感じることはないでしょう。
右側の丸くなっている部分にタッチセンサーを内蔵しています。

この部分をタップすることでWF-1000XM3を操作することが可能となっています。
- 左側1回タップする:ノイズキャンセリング、外音取り込み 切り替え
- 右側1回タップする:再生、一時停止
- 左側2回タップする:受話、終話
- 右側2回タップする:次の曲にスキップ、受話、終話
- 右側3回タップする:前の曲に戻る
- 左側ずっとタップする:クイックアテンションモード
- 右側ずっとタップする:音声アシスタント呼び出し
- 左右同時にずっとタップする:ペアリングモード
クイックアテンションモードは左側のイヤホンをずっとタップすることで起動できて、音楽の音量を下げて周囲の音を取り込むことができるモードです。
つまり、音楽を聴いていてイヤホンを取り外すことなく周囲の音、状況を確認することができるモードとなります。スタバなんかで店員さんに話しかけられた時に便利そうな機能となっています。
自然な装着感で付け心地最高
WF-1000XM3はカナル型の密閉タイプのワイヤレスイヤホンです。カナル型は耳に密着するので相性があるのかなと思いますが僕の耳には完璧にフィットしています。

WF-1000XM3の装着感は圧迫されている感じが少なく自然なつけ心地となっています。ずっとイヤホンを装着していても耳が疲れてしまうことはないでしょう。
実はWF-1000XM3は人間工学に基づいた設計されています。
耳の3点で支える「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」により安定性の高い装着感を実現。また、耳に接する部分にハイフリクション・ラバー・サーフェスを採用し、摩擦が高く、外れにくい構造になっているそうです。
カナル型イヤホンでありがちな足音が耳に響いしてしまうことも少ないので常用できるイヤホンとなっていて、トレーニング中にも使うことができるでしょう。
ただし、防水仕様じゃないのが残念なところではあります。
WF-1000XM3 音質 レビュー
原音忠実なクリアなサウンド
WF-1000XM3はこの価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの中ではトップレベルの音質の良さとなっています。さすが、オーディオメーカーでもあるSONYが開発しているイヤホンだけあります。

- ドライバーサイズ:6.0mm(CCAWボイスコイル)
- 音声コーデック:AAC/SBC
- Bluetooth:5.0
- マイク:2マイク
- 6時間(ケース込みで18時間)
ドライバーサイズは6mmと一般的なワイヤレスイヤホンと同等の大きさとなっていますが、高音質のCCAWボイスコイルとネオジウムマグネットを採用することで高音質サウンドを鳴らすことができるイヤホンとなっています。
実際の音質は低音から高音まで全ての音域で解像感の高いサウンドを楽しむことができます。低音が強くなりすぎることもなく、高音のシャリシャリ感もないのでとても自然で聴いていて気持ちの良いサウンドを楽しむことができます。
音質の良さはドライバーユニットだけでなく「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」を搭載していることにも大きく寄与しています。

QN1eは下位モデルのWF-SP800Nには搭載されていないチップですが、聞き比べると音の解像感が全く異なるんですよね。一つ一つの音がしっかり立っているので臨場感のあるサウンドを楽しむことが可能となっています。
さらに、CDやMP3などの圧縮音源の高音域を補完してハイレゾ級の高音質を楽しめるDSEE HXを内蔵しているので、Apple MusicやYouTube Musicといった音楽ストリーミングサービスに音楽も質感の高いサウンドで楽しめるようになってます。
専用アプリ「Headphones」を使うことでイコライザー調整も可能となっています。

プリセット(OFF・Bright・Excited・Mellow・Relaxed・VocalTreble Boost・Bass Boost・Speech)からサウンドを選ぶのもいいですし、自分で好みのサウンドを作り出すこともきます。
個人的には「Bright」に「CLEAR BASS +7」の設定がおすすめ。クリアで低音も効いた迫力のあるサウンドに仕上げることができます。
アプリから「音質優先モード」と「接続優先モード」の切り替えが可能となっています。

初期設定は「接続優先モード」となっていて駅のホームとか混み合うところの接続性能を上げてくれます。
僕は田舎に住んでいるので「音質優先モード」にしていますが、正直なところ音質の違いがあまり感じられないので「接続優先モード」に設定していてもいいでしょう。
ノイズキャンセリングで不快なノイズを排除
WF-1000XM3はカナル型のイヤホンなので高い密閉性を実現し、物理的にもノイズを防ぐことでノイズキャンセリングの性能を向上しています。
周囲の音は物理的にシャットアウト。バスや車のタイヤのロードノイズやエンジン音は防ぐことができないため、ここでノイズキャンセリング機能をONにすることで不快なロードノイズを綺麗に排除してくれます。
これには本当に驚きです。音楽を再生しないでノイズキャンセリングをONにするとバスの乗り心地が新幹線に変えることができます。少し意味不明だけど、それくらいノイズキャンセリング機能がスゴイです。
ノイズキャンセリング機能は音質が低下してしまうというデメリットがありますが、新開発の高音質ノイズキャンセリンプロセッサ「QN1e」を搭載したことでノイズキャンセリングをONにしても自然な音を実現しています。
なお、のちに発売されたAirPods Proとの違いですが、ノイズキャンセリング性能はWF-1000XM3は負けてしまいますが、音質はWF-1000XM3の方が良いので音質を重視するならおすすめのワイヤレスイヤホンと言っていいでしょう。
ノイキャンの風切り音について
WF-1000XM3のノイズキャンセリング機能はとても優秀なんですが、一つだけ弱点があります。風が強いところで使うと風の音を拾ってしまい風切り音がしてしまうのです。
でも、安心してください。

ノイズキャンセリング機能をOFFにするか専用アプリの「外音コントロール」から「風邪ノイズ低減」を選択すれば風切り音を防げます。ノイズキャンセリングは少しだけ弱くなりますが、しっかり効いているので風の強い日はちょっと設定してあげればいいでしょう。
なお、WF-1000XM3はアンビエントサウンド(外音取り込み)モードにも対応。音楽を聴きながら周囲の音を確認したい、レジ対応をしたいときにイヤホン本体をタップするだけで簡単に切り替えができるようになっています。
また、専用アプリ「Headphones Connect」でユーザーの行動を分析して自動的にノイズキャンセリング、外音取り込みのモードを切り替える機能を使うことができます。
動画の遅延はほぼない
WF-1000XM3は最新のワイヤレスチップを搭載してBluetooth 5.0に対応しています。接続性能はなかなか良くて接続が切れてしまうことはほとんどありません。
動画と音声のズレ、遅延もほとんどないのでYouTubeや映画などのコンテンツを普通に楽しむことができるのかなと思います。
WF-1000XM3の機能
マルチペアリング機能で簡単切り替え
充電ケースからイヤホンを取り出すだけで初回は自動的にペアリングモードになるので、iPhoneやXperia、GalaxyなどのBluetoothの設定画面から簡単にペアリングができるようになっています。

一度ペアリングをしてしまえば充電ケースからイヤホンを取り出すたびに自動的に接続をしてくれます。
また、マルチペアリング機能にも対応しているので一度ペアリングした機器なら接続を切らなくてもBluetoothの設定画面から簡単に切り替えができるようになっています。
デバイスを切り替える時って使っていたデバイスの接続を解除しないといけませんが、WF-1000XM3は使いたいデバイス側から切り替えができるからとても便利。
ただ、マルチペアリング機能に関してはJabra Elite 65t、Jabra elite 75t、Jabra elite 85tの方が有能です。
Jabra Elite 65tは同時接続に対応しているのでBluetoothの設定画面がらデバイスの切り替えしなくても、Apple MusicやYouTubeのアプリの再生ボタンを押すだけで自動的に切り替えができます。
AndroidならNFCでペアリングできる

NFCを使ったペアリングに対応しているのでXperia 1などのAndroidスマホであれば充電ケースにピッとするだけでペアリングができるようになっています。

ペアリング操作は初回だけだから必要性はあまり感じないですけど、便利っちゃー便利ですよね。
WF-1000XM3の惜しいところ
充電ケースが大きい
まあ、AirPodsの充電ケースが小さすぎるのかもしれませんが、WF-1000XM3の充電ケースは少し大きめです。

AirPodsの充電ケースと比較するとビックリするくらい大きいんですよね。AirPodsってどうしてこんなにもコンパクトで素晴らしいのでしょうか。
充電ケースは少し大きすぎるのでポケットに入れて持ち運ぶことはほぼ不可能。リュックの中に入れて持ち運ぶことになりますが、イヤホン本体を片付けるときにリュックから充電ケースを取り出す必要があって、とても面倒くさいです。
もうちょっとコンパクトにできないのかな…?
防水仕様ではない
WF-1000XM3は防水防塵仕様ではないのでトレーニング中に使ったり、音楽を聴きながら雨に打たれるということができません。
個人的にはイヤホンに防水性能はあまり必要としていないので、まあいいんですけど生活防水くらい対応していてくれたら嬉しかったですね。
ちなみに、2020年6月にスポーツタイプのWF-SP800Nが発売となりました。ノイズキャンセリング機能を搭載したモデルで防水防塵性能も備えているので、運動で使うことが多いなら、WF-SP800Nを選んだ方がいいのかもしれません。
WF-1000XM3 レビュー・評価:まとめ

WF-1000XM3はソニーのワイヤレスイヤホンなので Xperia 1との相性がいいのかなと思ってましたが、そんなことなかったです。
Xperia 1には圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングするDSEE HXを搭載しているのでWF-1000XM3と組み合わせたら最強になるんじゃないかと思ってました。
しかし、DSEE HXそのものを内蔵しているのでiPhoneでもMacでも高音質サウンドを楽しめるようになりました。
また、アプリを使えばイコライザー調整もできるしiPhoneの組み合わせでも全然OKでした。 Xperiaにこだわる必要はなかったのです。なので、iPhoneを使っているApple信者の方も気兼ねなく購入することができますよ!
WF-1000XM3はデザイン、音質、つけ心地、使いやすさにおいて最高の完全ワイヤレスイヤホン!です!
WF-1000XM3の後継機種・WF-1000XM4はこちらをどうぞ。
価格は25,000円と高級ワイヤレスイヤホンに分類されるデバイスです。同価格帯のイヤホン、もっと安いイヤホン、いろんなタイプのワイヤレスイヤホンがありますが、実際にいろんなワイヤレスイヤホンを比較しているので参考にしていただけたらと思います。
音質のいいイヤホンはこちらです。
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