ミラーレス一眼カメラのFUJIFILM X-T2は記録カードとしてSDカードを採用していますが、データを高速転送することができるUHS-Ⅱに対応しています。せっかくなのでUHS-Ⅱに対応したSDカードを購入しUHS-Ⅰ(スピードクラス1・3)、Class10、Class4に対応したSDカードとの転送速度の違いを比較してみました!
UHS-Ⅱ(HD312)対応のSDカードのレビュー
東芝のEXCERIA SDHU-032GAを購入
今回購入したUHS-Ⅱ(HD312)対応のSDカードは東芝のEXCERIA シリーズの32GBタイプ「SDHU-032GA」です。
このSDカードはUHS-Ⅱ規格に対応し読み込み速度260MB/s、書き込み速度120MB/sを実現し、耐X線など信頼性も謳っているSDカードとなります。
専用のケースまで付属していて高級感のあるSDカードですね。
UHS-ⅡのSDカードは通常のSDカードと違って端子数が8ピンから14ピンに増えていることが分かります。ピンの配置は同じなのでUHS-Ⅱに対応していないデジタルカメラに入れて普通に使うことはできますが、転送速度はUHS-Ⅰと同じレベルになります。
UHS-Ⅱ規格は高価格帯のフラグシップモデルカメラなら対応しており、ニコンはD500、OLYMPUSはOM-D E-M1 Mark Ⅱ、FUJIFILMはX-T2、X-T1、X-Pro2が対応しています。
少し意外だったのがCanonのフラグシップ機のEOS 5D MarkⅣ、EOS 6Dは対応していないんですね。CFカードの使用をメインで考えられているのかもしれません。また、ソニーのαシリーズもUHS-Ⅱには対応していないようです。メモリーステック推しなのかな。
SDカードの転送速度
SDカードの転送に関する規格は以下のようになっています。
- Class 2:2MB/s
- Class 4:4MB/s
- Class 6:6MB/s
- Class10:10MB/s
Class10にはさらに転送速度を向上させたUHS-ⅠとUHS-Ⅱがあります。
- UHS-I(スピードクラス1):最大転送速度104MB/s、最低転送速度10MB/s
- UHS-I(スピードクラス3):最大転送速度104MB/s、最低転送速度30MB/s
- UHS-II(スピードクラス1):最大転送速度312MB/s、最低転送速度10MB/s
- UHS-II(スピードクラス3):最大転送速度312MB/s、最低転送速度30MB/s
普通に写真を撮影するくらいならClass4以上のSDカードであればその役目をこなすことができますが、RAW撮影をしたり動画撮影をしたいという方はClass10以上のSDカードを使ったほうが記録時間を短縮することができるので、快適に撮影をすることができるでしょう。
ちなみ4K動画撮影をする場合はUHS-Ⅰスピードクラス3以上の性能を持ったSDカードを使うことを推奨されています。
UHS-ⅡのSDカードをPC/Macに転送するためには
UHS-Ⅱに対応したSDカードは端子が普通のSDカードと異なるので、高速にデータを転送したい場合はUHS-Ⅱに対応したカードリーダーを準備する必要があります。おそらく、普通のノートパソコンに装備されているSDスロットは普通のスロットなのでUHS-Ⅱの高速転送を味わうことはできません。
ということで、TranscendのUHS-Ⅱに対応したRDF9Kというカードリーダーを購入しました。読み込みで260MB/s、書き込みで190MB/sまで対応しているようです。
microSD、SD(UHS-Ⅰ・Ⅱ)、CFカード…
メモリーステックにも対応しています。
USBケーブルが付属しているので、そのまま接続して使うことができます。僕の環境はUSB-Cポートを搭載しているMacBook Proなので変換コネクタを介する必要がありますが…。
SDカードを入れるとこんな感じ。データの読み込み、書き込みの間は青色のLEDランプが点滅します。
CFカードも使うことができるので、キヤノンユーザーも安心して使うことができるので汎用性はかなり高いカードリーダーと言えそうです。
せっかくなので各SDカードで転送速度がどれくらい違うのかを比較してみたいと思います。
SDカードの規格違いによる転送速度を比較
左からUHS-Ⅱ(スピードクラス1)、UHS-Ⅰ(スピードクラス3)、UHS-Ⅰ(スピードクラス1)、Class 10、Class 4のSDカードです。
ニンテンドースイッチ用に購入したmicroSDカードが混ざっていたり、メーカーもバラバラなので比較にならないかもしれませんが。
2400万画素の画像(JPEG+RAW)保存時間比較
FUJIFILM X-T2でJPEG Fine + RAWで撮影した画像データがSDカードに保存されるまでの秒数を計測しました。X-T2はSDカードにデータを保存しているときはインジゲーターランプが点滅しているので、点滅している時間をiPhoneのストップウォッチを使って原始的に計測しました。超適当な計測方法ですみません(笑)
結果はこうなりました!
- Class 4(IO DATA):9.28秒
- Class 10(KINGMAX):17.03秒
- Class 10(Eye-Fi):11.07秒
- Class 10(psi):6.52秒
やはり、メーカーによってバラツキが結構ありますね。psiというよく分からない台湾メーカーのSDカードが意外と速いことに驚き。
- UHS-Ⅰ Speed Class1(SunDisc):6.12秒
- UHS-Ⅰ Speed Class3(東芝):2.87秒
- UHS-Ⅱ Speed Class1(東芝):1.14秒
そして、UHS-Ⅱに対応したSDカードは速いです。JPEG Fine + RAWで写真を撮影をバシバシ撮っても一瞬で保存が完了します。
まあ、すぐに保存されなくてもカメラ側のバッファに画像データを一時保存して順にSDカードに記録していくので、Class 10のSDカードでも普通に連続撮影をすることができるので特に問題にはなりません。ただ、写真保存中は電源を切ることができないので、UHS-Ⅱなら電源をすぐに切ることができるのでメリットは色々とありそうです。
Disk Speed testで転送速度をチェック
原始的な測定方法だけでは心許ないので、MacのベンチマークアプリDisk Speed TestでSDカードの速度を計測してみました。
Class 4のSDカード
書き込み:10.8MB/s、読み込み:21.5MB/s
Class 10のSDカード
書き込み:16.4MB/s、読み込み:18.4MB/s
Class 4とほぼ同じになりましたがIO DATAのSDカードの性能が良いということなのかも?
UHS-Ⅰ(スピードクラス1)のSDカード
書き込み:10.6MB/s、読み込み:88.9MB/s
UHS-Ⅰのカードだけど書き込み速度がいまいち伸びません。なぜなんだろう。サンディスクだから?
UHS-Ⅰ(スピードクラス3)のSDカード
書き込み:23.3MB/s、読み込み:73.7MB/s
UHS-Ⅱ(スピードクラス1)のSDカード
書き込み:94.3MB/s、読み込み:206.2MB/s
速い!!圧倒的な差がありますね。さすがピン数が多いだけありますね。物理的な差は超えることはできないということでしょう。
ちなみに東芝のEXCERIAにはEXCERIA PROという上位モデルも存在しており読み込み速度260MB/s、書き込み速度240MB/sに対応しています。
なぜこっちを買わなかったのかは謎です。というかこっち買えばよかった。
コメントをどうぞ!