
HUAWEI Mate 10 Proは6インチの有機ELディスプレイにLEICAのダブルカメラを搭載したハイエンドスマホで2017年12月に発売したモデルとなっています。
この頃からHUAWEIのハイエンドスマホのカメラにはLEICAを搭載するようになり、他メーカーとの差別化が図られています。この記事では、Mate 10 Proのデザイン・性能・使いやすさをレビューしています。
この記事の目次
HUAWEI Mate 10 Pro スペック
HUAWEI Mate 10 Proのスペックは以下のとおりです。
Mate 10 Pro | Mate 10 lite | |
OS | Android 8.0 | Android 7.0 |
ディスプレイ | 6.0インチ OLEDディスプレイ 2,160 x 1,080ピクセル(402ppi) 1,670万色 コントラスト: 70000:1 | 5.9インチ IPSディスプレイ 2,160 x 1,080ピクセル(407ppi) 1,600万色 |
CPU | HUAWEI Kirin 970 オクタコアCPU (4 x 2.36GHz A73 + 4 x 1.8GHz A53) + i7コプロセッサ NPU(Neural Network Processing Unit)内蔵 | HUAWEI Kirin 659 オクタコアCPU (4 x 2.36GHz A53 + 4 x 1.7GHz A53) |
GPU | Mali-G72 12コア GPU | Mali-T830 GPU |
RAM | 6GB RAM | 4GB RAM |
SSD | 128GB (microSDカードスロット非搭載) | 64GB (microSDカードで最大256GBに増設可) |
背面カメラ | Leicaダブルレンズカメラ 1200万画素カラーセンサー2000万画素モノクロセンサー レンズ:F1.6 光学手振れ補正 デュアルLEDフラッシュ 2倍ハイブリッドズーム AF(像面位相差 + コントラスト + レーザー + デプス) 4K動画撮影対応 | ダブルレンズカメラ 1600万画素 200万画素 レンズ:F2.2 – LEDフラッシュ – AF(像面位相差 + コントラスト) – |
前面カメラ | 800万画素 レンズ:F2.0 | 1300万画素+200万画素 レンズ:F2.0 |
LTE通信 | 下り: 最大500Mbps 上り: 最大50Mbps | 下り: 最大150Mbps 上り: 最大50Mbps |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac Wi-Fi Direct support | 802.11a/b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 with BLE | |
防塵防滴 | IP67等級 | |
ポート | USB 3.1 Type-C (DisplayPort 1.2 対応) NFC Nano SIM x 2(microSDカードスロット非搭載) | USB 2.0 micro-B – Nano SIM x 2 |
センサー | 加速度 / コンパス / ジャイロ / 環境光 / 近接 / HALL / 指紋認証 / 気圧 / 赤外線リモコン | 加速度 / コンパス / ジャイロ / 環境光 / 近接 / HALL / 指紋認証 / 気圧 / 赤外線リモコン |
サイズ | 74.5 x 154.2 x 7.9 mm | 75.2 x 156.2 x 7.5 mm |
重量 | 約178 g | 約164 g |
カラー | ミッドナイトブルー、チタニウムグレー | グラファイトブラック,Aurora Blue |
価格 | 約89,000円 | 約45,000円 |
6インチの有機ELディスプレイを搭載し、Kirin 970のオクタコアプロセッサ、6GBのメインメモリを搭載するなどハイエンドスマホとしての性能を持った端末となっています。
Kirin 970はSnapdragon 660、Snapdragon 835くらいの性能を持っていると言われているので、そこそこ快適に動作するスマホとなっているとみていいでしょう。
また、LEICAのダブルカメラ(通常センサーとモノクロセンサー)を搭載することで色鮮やかな描画ができるカメラも魅力的となっています。
HUAWEI Mate 10 Pro レビュー
6インチの有機ELディスプレイを搭載
Mate 10 Proのディスプレイは今流行りの縦長の18:9の6インチOLEDディスプレイを搭載しています。ベゼルレスデザインとなっており、本体ギリギリまでディスプレイがきているのが分かりますね。

解像度は2,160 x 1,080ピクセルとなっておりピクセル密度は402ppiとかなり高精細なディスプレイとなっています。OLEDディスプレイなので色合いも非常に鮮やかで見やすいディスプレイと言えるでしょう。
CPU・GPU・RAMの性能
Mate 10 ProのCPUはHUAWEI Kirin 970を搭載しており、同チップは10nmプロセスのオクタコアCPU(4 x 2.36GHz A73 + 4 x 1.8GHz A53)と12コアのGPUを搭載したMali-G72、メインメモリは6GBとハイエンドスマホならではの大容量となっています。
Geekbench 4でCPUの性能を計測してみたところ、CPUのシングルコアが1919、マルチコアが6801、GPUは7298という結果となりました。

もう少し性能が高いのかなと思っていましたが、このスコアはiPhone 7のA10 Fusionチップ(シングルコア3508、マルチコア5980)よりも少し高い性能ということになります。
さらに i7コプロセッサと呼ばれるNPU(Neural Network Processing Unit)を搭載することでローカルのAIを搭載し電力効率を50倍、パフォーマンスを25倍も向上しAIを搭載することでカメラ撮影時に瞬時に状況を把握して最適なモードに切り替えてくれます。(リアルタイム シーン・被写体認識)
例えば、花を撮影しようと思ったらスマホを向けるだけでお花モードに切り替えてくれます。

花、青空、植物、夜景、フード、日の入り/日の出、文字、ビーチ、雪、ポートレートなどのモードを状況に合わせて切り替えてくれるので、失敗の少ない写真を撮影することができそうですね。
ストレージ容量は128GBと大容量
Mate 10 ProのSSD容量は128GBのみとなっています。AndroidスマホはSSDの容量が少なめな端末が多い中でMate 10 Proは大容量のSSDを搭載しているので、写真や動画をたくさん撮影することができます。
ただし、Androidでは珍しくマイクロSDカードスロットを搭載していないので、ストレージ容量を追加することができないというデメリットがあるので注意です。
4G LTE-Advancedの高速通信に対応
Mate 10 Proは高速通信が可能なLTE-Advancedに対応しており、電波を束ねるCA(キャリアアグリゲーション)を利用することで下りで最大500Mbps、上りで最大50Mbpsの通信をすることができます。
HUAWEIのスマホの多く(Meta 10 liteも)は下りで最大500Mbps・上りで最大50Mbpsの通信速度となっているので、高いだけあってLTE-Advancedに対応しているのは嬉しいところです。
LEICAのカメラレンズを搭載
Meta 10 ProのカメラはLEICAのレンズを搭載しています。しかもダブル。1200万画素カラーセンサーと2000万画素モノクロセンサーという異色の組み合わせです。

LEICAだから画質が良いという訳ではありませんが、LEICAというブランドが付くだけで綺麗ら写真を撮影することができるのではないかと思ってしまいますよね。
Meta 10 ProのLEICAレンズは両レンズともF1.6というかなり明るいものが採用されており、数字上はかなりスペックの高いレンズとなっています。カラーセンサー側が1200万画素、モノクロセンサー側が2000万画素を搭載、二つの情報を基に画像を生成することで精細な写真を撮影できるそうです。
撮影できる解像度は初期設定は1200万画素になっているのですが、カメラの設定で2000万画素にすることもできます。

ただし、2000万画素だとズーム機能を使うことができないので注意です。
Mate 10 Proのズームはハイブリッドズームと呼ばれているのですが、カラーセンサーを1200万画素に制限することでモノクロセンサーの2000万画素の情報を使って綺麗にデジタルズームさせることができる仕組みになっています。
実際に撮影をしてみましたが、カメラを起動すると他のスマホとは比べ物にならないくらい綺麗な画像が表示されているのに気付きます。そして、LEICAのダブルレンズから切り取られる風景はかなり綺麗です。(ブログ掲載のた横幅2000pxに縮小しています。)

2000万画素のモードと1200万画素のモードを比較してみました。

2000万画素の方がドットが高精細になっているのが分かります。カラーセンサーが1200万画素なのに2000万画素のモノクロセンサーの情報を組み合わせて生成しているのが凄いですね。

ただ、拡大しないと分からないレベルです。同じレンズ、同じイメージセンサーなので基本的な写りは同じなのです。なので写真に印刷する予定がないのであれば1200万画素に抑えておいたほうが、ハイブリッドズームなど使うことができるので使い勝手はいいかもしれませんね。
AFの速度もめちゃくちゃ早いのでピント合わせも楽々。もちろん顔追尾認識機能も搭載されているので、動き回る子ども達もバッチリ撮影することができます。安物のスマホではできない芸当ですが、Mate 10 Proなら大丈夫そうです。

ハイブリットズームで2倍ズームにしても画質が荒くなることなくとても綺麗。

デジタルズームとは思えない精細さ。
Mate 10 Proはダブルレンズを活用する事で高度なぼかし効果(ワイドアパーチャ・ポートレート)をつける事が可能です。

ワイドアパーチャはiPhone Xのポートレートモードと似た機能ですが、画角が変わらないので非常に使いやすいです。
iPhone Xの場合は広角レンズと望遠レンズを組み合わせるので、どうしても画角が寄り気味になり、さらに撮影距離にも制限があったりしますが、Mate 10 Proはそのような制限がないのでとても使い勝手が良いですね。
もしかして、iPhone Xよりも使いやすいカメラかも。
なお、前面カメラは800万画素のシングルカメラですが、こちらもポートレートモードに対応しているので、セルフィーで背景をぼかす事が可能となっています。なぜか下位モデルのMate 10 liteは前面カメラもダブルレンズ(1300万画素+200万画素)という謎仕様となっていますが。
パッケージ・付属品
Mate 10 Proのパッケージは黒を基調とした高級感ある箱に収められています。

蓋を開けるとMate 10 Proが正面を向いてお出迎えです。

下蓋を外すと充電アダプタ、充電ケーブル(USB-C)、USB-C対応のヘッドフォンイヤホン(ハイレゾ対応)、説明書、そして背面部分を守るための透明のシェルケースなどが入っています。

ケースが標準で入っているのはHUAWEIではいつものことですが、やはりあると嬉しいものですね。
Mate 10 ProはUSB-Cポートが採用されているのでUSB-CケーブルとUSB-Cに対応した充電アダプタが付属しています。

必要なものがしっかりと同梱しているので、すぐにでも使うことができるのでいいですよね。
外観は高級感のあるスタイル
背面部分はフィルムで本体が守られています。

フィルムをぺりぺりっと剥がしていきます。

Mate 10 Proはランドフォルムスタイルになっているので手に馴染みとても持ちやすいです。また、背面パネルがしっとりとしたガラス素材を採用しているため、手触りもとても良いです。

もしかしたらiPhone Xよりも持ち心地は良いようにも感じます。指紋認証はAndroidでは標準的な背面部分の搭載されているので、手で持って操作するときはスムーズに画面をロック解除することが可能となっています。
ディスプレイには保護フィルムが貼り付けているので本体が傷つくことはないようになっていますね。どうせ貼り付ける保護フィルムですから最初から貼り付けてあるのは嬉しいですよね。失敗することは絶対にないですし。

本体右側に音量ボタンと電源ボタンが搭載されています。

本体下に充電ポートとなるUSB-Cコネクタが搭載されています。

スピーカーやマイク本体下に搭載されているようです。一応、アンテナラインがあるのですが、ほぼ目立つことない感じに配置されていてデザイン的にはなかなかカッコいいスマホではないでしょうか。
ちなみにMate 10 Proは3.5mmヘッドフォンジャックには非対応となっており、USB-Cポート経由でヘッドフォンを接続する必要があるので、ヘッドフォンジャックのヘッドイヤホンを使っている人はちょっと注意が必要ですね。
DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応
本体左側にSIMカードスロットが搭載されています。

ピンを使って開けることができます。

デュアルSIM仕様となっており、2枚のnanoSIMカードを入れて回線を切り替えて利用することも可能です。

今までもAndroidスマホでは2枚のSIMカードを入れることができるモデルは多数存在しましたが、片方のスロットは3Gまたは2G回線しか使うことができず4Gを利用することができず、日本国内においてはほぼ意味のないものでした。
そんな中でMate 10 ProではDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応したので両方のSIMカードスロットに日本国内のSIMカードを入れて切り替えて使うことが可能となります。
なので、ドコモのSIMカードと格安SIMのカードを2枚入れて状況に応じて切り替えをすることができることになります。
投影モードとデスクトップモード
Meta 10 ProはUSB-Cケーブルを使うことで簡単に外部ディスプレイにスマホの画面を表示させることができる投影モード(ミラーリング)を使うことができます。

ミラーリング機能はさほど珍しい機能ではありませんが、Mate Pro 10ではUSB-Cで外部ディスプレイを接続すると通知画面にモード切り替えのコントローラーが表示され、そこからデスクトップモードに切り替えることもできます。
デスクトップモードはAndroidのパソコンモードとなっており、Bluetoothでワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスを接続することで、パソコンのように操作することができるもの。

Androidのデスクトップ画面って初めて見たけど見た目はWindowsみたいなもんですね。ちなみに、Mate 10 Proを仮想キーボード・マウスとして使うこともでき、こんな感じでMate 10 Proの画面をなぞることでマウスを動かすことができます。

文字もMate 10 Pro経由から入力することが可能です。

まあ、スマホから文字入力するくらいならデスクトップモードにしないでしょうが、一応こういう使い方もできるよーってことで。
スマホ一台でパソコンとしても使うことができるってなかなか凄いですね。キーボードによる文字入力ができるのでOfficeとかをインストールしておけば仕事で使うこともできるでしょう。
なお、このようなデスクトップモードはGalaxy S10、Galaxy S20も使うことができます。
Mate 10 Pro レビュー:まとめ
Mate 10 Proは本体価格8万円ほどするのでAndroidスマホの中でも高価な分類の入るモデルですが、性能や使い勝手を考えると納得の価格と言えるのかもしれません。
動作もかなり速いので2〜3万円くらいで購入できる格安Androidスマホから乗り換えると、サクサク動作するのでこんなにも使いやすいものなのかと思うかもしれません。
個人的にはiPhone Xよりも高性能なんじゃないのかなと思う部分(LEICAカメラ)もありますが、FeliCaが搭載されていないのが唯一のマイナスポイントと言えるかもしれません。
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