
少しでも安くMacを手に入れるならデスクトップ型のMac miniか、モバイルノート型のMacBook Airが選択肢に入ってきますが、どっちを選ぶべきなのか迷うところです。
従来のMacはIntelプロセッサを搭載していましたが、2020年11月にAppleシリコンのM1チップの登場によって、Mac miniとMacBook Air、MacBook Pro 13インチの性能が大きく向上しどのモデルを選んでも性能さがほぼなくなりました。
端末によって性能差がないということは生活スタイルだけでMacを選ぶことができるので選択肢の幅が広がったといってもいいでしょう。性能を重視するためにMacBook Pro 13インチを選ぶ必要性がなくなったのです。
ということで、この記事では価格の安いモデルとなるM1チップを搭載しているMac miniとMacBook Airのどっちを選ぶべきか使用用途から考えて比較していきたいと思います。
この記事の目次
Mac mini・MacBook Air スペック比較

現行のMac mini、MacBook AirはどちらもAppleシリコンのM1チップを搭載したモデルとなっていて、Mac miniはデスクトップ型、MacBook Airがノート型のパソコンとなっています。
Mac mini | MacBook Air | |
ディスプレイ | – | 13.3インチ(2,560 × 1,600ピクセル) |
SoC | M1(高性能4コア + 高効率4コア + 8コアGPU) | M1(高性能4コア + 高効率4コア + 7コアGPU) |
RAM | 8GB/16GB ユニファイドメモリ(LPDDR4) | |
SSD | 256GB・512GB・1TB・2TB | |
キーボード | – | Magic Keyboard |
生体認証 | – | Touch ID(指紋) |
通信性能 | Wi-Fi 6(ax) | |
Bluetooth | 5.0 | |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | – |
オーディオ | モノラルスピーカー | ステレオスピーカー、ワイドなステレオサウンド、Dolby Atmos再生 |
ポート | USB-C / Thunderbolt ×2、USB-A ×2、HDMI、ギガビットEthernet | USB-C / Thunderbolt ×2 |
外部モニター | 1台(6K・60Hz)・2台(4K・60Hz) | 1台(6K〜4K・60Hz) |
バッテリー | – | 49.9Wh:11時間のワイヤレスインターネット |
サイズ | 3.6 × 19.7 × 19.7cm | 30.41 × 21.24 × 1.41~1.61cm |
重量 | 1.2kg | 1.29kg |
価格 | 72,800円〜 | 104,800円〜 |
CPU、GPU、メインメモリの性能はほぼ同じ両端末ですが、Mac miniはディスプレイ、キーボード、トラックパッドが付いていない代わりに72,800円という驚きの価格で買うことができます。
すでに外部モニターやキーボード、マウスを持っているならMac miniを選ぶことで必要最低限の費用でMacを手に入れることができます。ディスプレイなど使っているモノがなく全部揃える必要がある場合はMac miniの方が費用がかかってくるのでその辺りも考慮する必要があります。
Mac mini・MacBook Airの選び方
どこでMacを使うのかを考える
大前提として外に持ち運んで作業をすることがあるなら迷うことなくMacBook Airを選びましょう。悩む必要はありません。いますぐApple Store・公式サイトに行ってポチッっとすればOKです。
ただ、「家でしかMacを使うことがないし絶対に外で使うことがない」という意志の強い方はデスクトップ型のMac miniを選ぶのがいいでしょう。Mac miniを選ぶメリットとしては作業スペースをしっかりと区分けすることができるというところでしょうか。

モニターがあるところにMac miniを設置して使うことになるので作業する場所をしっかり区分したいという方にとっては最高の端末になること間違いないです。
ちなみに、Mac miniくらいの筐体サイズであれば気軽に持ち運びはできるのでリビングのテレビに接続して作業をすることはできますが、さすがに毎回になると面倒くささがありますが。
注意してほしいのが、家の中でしか使わないからといってMac miniにするとあとになって後悔してしまうかもしれません。家でしかMacを使わないとしてもノートパソコンのMacBook Airなら自分の部屋だけでなくリビングで使うこともできますよね。
気分を変えてベランダや庭で作業するということもできます。

また、子どもがいる方はMac miniよりもMacBook Airの方が絶対にいいです。
小さい子どもがいるとワンマンで世話をすることが出てきますし、目が離せないけど仕事をしないといけない状況になったり、癒されながら作業したい、せざる負えないというシチュエーションが出てきます。
MacBook Airのいいところは家の中でも決まった場所で作業する必要はないところです。自室で使うのもよし、リビングで作業もできますし、たまに外に出てスタバに行って気分転換したいと思う時もありますよね。
そのような時でもMacBook Airがあれば柔軟に対応することが可能となります。
- Mac mini:家や職場など作業場が固定
- MacBook Air:どこででも作業ができる
作業する場所は「ここだ!」と今後も変わる予定のない意思の強い方はMac miniを選びましょう。その意思は間違っていません。
処理性能はどちらもほぼ同じ
AppleシリコンのM1チップを搭載しており、CPUの処理性能はほぼ同じとなっています。GPUの処理性能はMacBook Airの標準モデルはGPUコアが8つではなく7つと数が少ないため性能が少し落ちています。
Mac mini | MacBook Air | ||
SoC | M1 CPU:高性能4コア + 高効率4コア GPU:8コア | M1 CPU:高性能4コア + 高効率4コア GPU:7コア | M1 CPU:高性能4コア + 高効率4コア GPU:8コア |
放熱機構 | 空冷(ファンを内蔵) | アルミ放熱板(ファン非搭載) | |
CPUシングルコアスコア | 1741 | 1738 | 1735 |
CPUマルチコアスコア | 7655 | 7500 | 7527 |
GPU(Metal) | 21926 | 18703 | 21819 |
GPU(OpenCL) | 19636 | 17120 | 19147 |
RAM | 8GB LPDDR4 ユニファイドメモリ(16GBに変更可) | ||
SSD | 256GB(最大2TBに変更可) | 512GB(最大2TBに変更可) | |
価格 | 74,800円〜 | 104,800円〜 | 129,800円〜 |
といっても、体感でわかるほどの性能差はなく動画の書き出し時間がGPUを8コア積んでいるMac miniの方が少しだけ速いかな…といったレベルです。実際にFinal Cut Proで22分のフルHD動画を書き出ししてみましたが、そこまで時間が短縮されるわけではありません。
- Mac mini(M1・ファンあり):11分06秒
- MBA(M1・ファンなし):11分32秒
- MPB 13(M1・ファンあり):11分18秒
- MPB 13(Intel・2.0GHz):19分50秒
30秒ほどMacBook AirよりもMac miniの方が動画書き出し時間が速いですが、11分32秒が11分6秒になる程度なので、そこまで差があるとはいえないですよね。
実際にMac miniとMacBook Airを使って作業していますが体感で動作に違いはほとんどありません。どちらも快適に動作しますし、Rosetta 2経由で動作するAdobe系のデザイン制作ツールもそれなりに使うことが可能となっています。
理論的には放熱性能が高いMac miniの方が負荷のかかる作業が連続して続く場合において優位になるものの、この数ヶ月ほどM1チップの内蔵ファンのないMacBook Airを使って「内蔵ファンが欲しい!」と思ったことがないので、必要性はほぼなさそうです。
外部モニターの接続台数
AppleシリコンのM1チップを搭載しているMac mini、MacBook Airは出力できる外部モニターの数が異なります。
Mac mini | MacBook Air | |
内蔵モニター | – | 13.3インチ(2,560 × 1,600) |
外部モニター | 最大6Kのディスプレイ1台 最大4Kのディスプレイ1台 | 最大6Kのディスプレイ1台 |
MacBook Airは最大1台まで
MacBook Airは最大1台の外部ディスプレイの出力ができません。これはクラムシェルモードにしても最大1台のままです。
MacBook Airは内蔵ディスプレイを搭載しているのでデュアルモニター環境にできますが、27インチ + 13インチといった感じで画面サイズを揃えて横並びにして使うことはできません。

MacBook Airを手前に置いて奥に外部モニターを設置して使うのが効率的で使いやすいかと思います。この方法であれば外部キーボードやマウスがなくてもMacBook Airからそのまま操作できるのでコストも抑えられます。
なお、MacBook AirでもCalDigit TS3 Plusなどのドッキングステーションを使うことでデュアルモニター環境を作り出すことは可能となっています。
Mac miniは最大2台まで
Mac miniは最大2台の外部モニターを接続できるので、同じ画面サイズのディスプレイを並べて使うことができます。

作業する内容にもよりますがマルチタスクに作業を同時にこなしたい時などは画面サイズの大きいディスプレイが複数枚あることで効率的になることもあります。
例えば、illustratorによるデザイン制作は画面が2枚あったほうが写真の編集をしながらデザインできるので効率を上げることができますし、動画編集においても画像データを作成しながらなら画面が2枚あったほうが効率的です。
- Mac mini:デュアルモニター環境を効率的に構築したい
- MacBook Air:シングルモニター環境で作業する
デュアルモニター環境を構築して最高の作業部屋を作りたいならMac mini、外で使うこともあって自宅は1台の外部モニターが接続できればいいならMacBook Airがおすすめです。
ただし、最近はウルトラワイドモニターがあるので一概にデュアルモニターが良いという感じではなくなってきていますがね。
使えるポートの違い
Mac mini、MacBook Airでは使えるポートの種類が異なります。

Mac mini | MacBook Air | |
USB | USB-C × 2 USB-A × 2 | USB-C × 2 |
HDMI | HDMI 2.0 | – |
LAN | ギガビットEthernet | – |
オーディオ | 3.5mmオーディオジャック |
MacBook AirはThunderboltに対応したUSB-Cポートに3.5mmオーディオジャックしか搭載していないので、USB Type-Aにしか対応していない周辺機器を使ったり、有線LANに接続したい場合はドッキングステーションを使ってポートを拡張する必要があります。
Mac miniであれば、USB Type-A、HDMI、ギガビットEthernetポートも搭載しているのでそのまま周辺機器の接続ができるので、コストがかからないだけでなく机の上をスッキリさせることもできますね。
内蔵スピーカーの違い
Mac miniはスマホ並みの音質
Mac miniはこう見えてスピーカーを内蔵しているのでYouTubeの音声を聴いたり動画編集をすることも可能となっています。ただし、小さなモノラルスピーカーが筐体の中にあるだけで音質はiPhone 12よりも劣ります。

Appleのスマートスピーカー・HomePod miniを外部スピーカーとして使おうとしてもAirPlay 2にしか対応していないのでブラウザ経由で見るYouTubeの音声を出力できないですし、動画編集も音が鳴ったら接続されて音が消えたら接続が切れるといった動作になり使いものになりません。
なので、Mac miniを選ぶなら外部スピーカーを別途購入するのがいいでしょう。ワイヤレスじゃなくて3.5mmオーディオジャックに対応しているBose Companion 2 Series IIIなどを選ぶのがおすすめです。
MacBook Airはステレオで音質良い
MacBook Airは内蔵キーボードの両サイドにスピーカーを搭載しているのでステレオでYouTubeや動画編集の音声を再生させることができます。

音質もMacBook Proほどではないですが、低音から高音までしっかり鳴ってくれるので外部スピーカーなしでもそこそこ楽しむことができるでしょう。おそらく、多くの方は内蔵スピーカーの音質で満足できるかと思います。
設置スペースの違い
Mac miniはデスクトップ型のMacでありながらも本体サイズが19.7 × 19.7 ×3.6cmと小型サイズとなっています。
平置きにして設置すると約20cmほどのスペースが必要となりますが、立て置きすることもできるのでディスプレイの後ろ側に設置することで省スペースでMacを使うことができます。

専用の縦置きスタンドがあった方が安心ですが、そのまま縦置きをしても地震が来ない限りは大丈夫です。
MacBook Airは内蔵ディスプレイを搭載しているノートパソコン型のMacなので、外部モニターに接続したまま使うこともできますし、蓋を閉じることによって外部モニターのみ表示させるクラムシェルモードにすることもできます。

専用のスタンドを使うことでMacBook Airを縦に置くこともできるので外でノートパソコンとして、家に帰ってきたらクラムシェルモードにしてデスクトップパソコンとして使うことができます。
MacBook Airのクラムシェルモードは電源と画面出力にUSB-Cポートが一つ失ってしまうものの、外部モニター側にUSBポートなどの拡張ポートを搭載していれば、外部モニター経由でプリンターに接続したりSDカードリーダーからデータを読み込むことができるので汎用性を向上させることができます。
端末価格の違い
もっとも安く買うことができるMac miniは72,800円、MacBook Airは104,800円となっており価格差は32,000円でMac miniの方が安くなっています。
Mac mini | MacBook Air | ||
M1 | 8コアCPU 8コアGPU | 8コアCPU 7コアGPU | 8コアCPU 8コアGPU |
256GB | 72,800円 | 104,800円 | – |
512GB | 92,800円 | 124,800円 | 129,800円 |
1TB | 112,800円 | 144,800円 | 149,800円 |
2TB | 152,800円 | 184,800円 | 189,800円 |
メインメモリ 8GB → 16GB | +20,000円 |
MacBook AirのM1チップはGPUのコア数が8つではなく7つと1コア少なくなっておりMac miniと同じGPU8コアにするにはストレージ容量512GBモデルの上位モデルを選ぶ必要があり価格差は37,000円となります。
もし、外部モニターと外付けキーボード、マウスをすでに所持しているのであればMac miniなら72,800円でMacを使うことができます。しかし、これらの周辺機器を持っていない場合は追加で購入する必要があります。
- Mac mini(8GB/256GB):80,080円
- 4Kモニター24UD58-B:37,290円
- Logicool K780:6,009円
- MX ANYWHERE 3:9,800円
- 合計:133,179円
キーボード、マウスなどもう少し安いモデルを選ぶことでもう少し金額を抑えることができますが、外部モニターなども合わせて揃える必要がある場合はMac miniの方が費用が嵩む場合があります。
ただ、MacBook Airでも最終的に外部モニターを追加するとなると費用がかかってくるので、最終的にどのような環境にしたいのかをイメージしておくことが重要になってきます。
Mac mini・MacBook Air・どっちがおすすめ?

AppleシリコンのM1チップを搭載しているMac mini、MacBook Airは基本的な性能はほぼ同じです。厳密にいえば内蔵ファンを搭載しているMac miniの方が性能が上ですが、普段使いでの違いを体感するほどの性能差はありません。
なので、基本的にどこでMacをどのように使うのか、どのような生活スタイルを望むかによってデスクトップ型のMac miniを選ぶのか、持ち運びできるMacBook Airを選ぶのかを決めるのがいいでしょう。
- 外でMacを使うことがある → MacBook Air
- 自宅、職場でしかMacを使わない → Mac mini
- 子どもがいて面倒見ることがある → MacBook Air
- 周辺機器が揃っていて費用を抑えたい → Mac mini
- 周辺機器がないが費用を抑えたい → MacBook Air
外でMacを使うことがあるなら迷うことなくMacBook Airを選ぶべきでしょう。自宅や職場といった固定されたところでしか絶対に使わないという意志の強い方であればMac miniでもいいですが、小さいお子さんがいるとかなら家のどこでも作業することができるMacBook Airを選んだ方がいいかと思います。
費用を抑えたいという考え方は外部モニター、キーボード、マウスなどが揃っているかないかによっても変わってくるので、状況に合わせて判断したいところですね。
個人的におすすめなのがMacBook Airにして外部モニターを追加するパターンです。

自宅では大きな画面で作業ができた方が効率がいいですし、ポートを搭載している4Kモニターであればドッキングステーションを追加することなくポートを拡張することができるので費用対効果がとてもいいです。
また、MacBook Airは指紋認証のTouch IDも搭載しているので画面ロック解除も指一つで簡単にすることができますし、使いやすさは上かなと感じます。
Macのストレージ容量、メインメモリについてはこちらを参考にどうぞ。
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