
MacBook ProにはファンクションキーのところにTouch Bar(タッチバー)と呼ばれるタッチパネルを内蔵したツールを搭載しています。アプリや状況に合わせて表示が可変するので初心者の方には使いやすいものとなっています。
この記事では、MacBook Pro 13インチのTouch Barあり・なし、どちらのモデルを選ぶべきか?双方のメリット・デメリット・Touch Barは必要あるのかなどを書いています。
なお、現在のMacBook Pro 13インチ、MacBook Pro 16インチは全モデルでTouch Barを搭載しているのでTouch Barなしのモデルが欲しい場合は必然的にMacBook Airを選ぶことになります。
この記事の目次
Touch Bar(タッチバー)とは
Touch Barはファンクションキーがあったところにタッチパネル付きの小さい有機ELディスプレイです。

2016年以降のMacBook Proに搭載されていて、13インチの2016年〜2017年の下位モデルはTouch Barなしのモデルを選べましたが、2019年モデル以降は全機種でTouch Barを搭載しています。
Touch Barは使っているアプリによって表示が変化し色んな機能のショートカットキーを割り当てることで新しい使い方ができるようになっています。これが使いやすいかどうかは別のお話です。
ちなみに、Touch Barの右側には指紋認証を内蔵した電源ボタンを搭載していて指先一つで画面のロック解除ができるようになっています。もちろん、Apple Payの決済も指紋ですることができます。
Touch Barはあった方がいいのか?なくてもいいのか?結論から書くとTouch IDは便利ですが、Touch Barの必要性はありません。
Touch Barあり・なし スペックの違い
MacBook Pro 13インチ Touch Barあり・なし

MacBook Pro 13インチ(2016〜2017年)はTouch Barの有無で内部スペックが異なります。MacBook Pro 13インチのTouch Barあり(2017〜2018)とTouch Barなし(2017)のスペックの違いを比較してみました。
MacBook Pro 13インチ | |||
年式 | 2017 | 2018 | |
Touch Bar | なし | あり | |
CPU | Intel Core i5 2.3GHzデュアルコア |
Intel Core i5 3.1GHz デュアルコア |
Intel Core i5 2.3GHz クアッドコア |
GPU | Iris Plus Graphics 640 (64MB eDRAM) |
Iris Plus Graphics 650 (64MB eDRAM) |
Iris Plus Graphics 655 (128MB eDRAM) |
RAM | 8GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ (16GBに変更可能) |
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ストレージ | 256GB (512GB・1TB) |
256GB (512GB・1TB・2TB) |
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外部ポート | 2つのThunderbolt 3 (USB-C)ポート |
4つのThunderbolt 3 (USB-C)ポート |
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バッテリー | 54.5Wh | 49.2Wh | 58.0Wh |
価格 | 164,800円 | 198,800円 |
基本的にTouch Barありモデルの方がスペックが高くなっています。MacBook Pro 13インチ(Touch Barなし)は2017年に発売したのが最後のモデルとなっています。
もし、Touch BarなしのMacBook Pro 13インチ(2017)を手に入れようと思ったらMac整備済製品か中古で探すことになります。
MacBook Pro 13インチ・MacBook Air

2019年以降はMacBook Pro 13インチは全モデルがTouch BarありになったのでTouch BarはいらないのならMacBook Airを選ぶことになります。
2020年11月にAppleシリコンを搭載したMacBook Pro 13インチ、MacBook Airが登場したことで、内部スペックの違いはほぼありません。
MacBook Pro 13インチ | MacBook Air | |
年式 | 2020 | |
Touch Bar | あり | なし |
Touch ID | あり | |
CPU | M1(8コア) | |
GPU | M1(8コア) | M1(7コア or 8コア) |
RAM | 8GBユニファイドメモリ (16GBに変更可能) |
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ストレージ | 256GB・512GB 1TB・2TB |
256GB・512GB 1・2TB |
キーボード | シザー構造 Magic Keyboard | |
外部ポート | 2つのThunderbolt 3 (USB-C)ポート |
|
バッテリー | 58.2Wh | 49.9Wh |
排熱構造 | 内蔵ファン | 放熱板 |
価格 | 148,280円〜 | 115,280円〜 |
MacBook Airの標準モデルのM1チップはGPUが7コアなのでグラフィック性能がほんのわずかだけProよりも低いですが、GPU 8コアにカスタマイズできるので基本性能はほぼ同じです。
大きな違いは筐体デザイン、バッテリー駆動時間、排熱構造の3つとなっています。
バッテリー駆動時間の違い
2019年以前のモデルは同じMacBook Pro 13インチでもプロセッサのTDP(熱設計電力)が異なることから電池持ちに差がありました。
Touch BarありモデルはTDPの高い高性能なプロセッサを搭載していたので電池持ちは悪い傾向となっています。
IntelプロセッサのMacBook Pro 13インチ(2017)のTouch Barなし、Touch Barあり、MacBook Pro 13インチ(2018)のCPUのTDP(熱設計電力)は以下のとおり。
MacBook Pro 13インチ | |||
年式 | 2017 | 2018 | |
Touch Bar | なし | あり | |
プロセッサ型式 | Intel Core i5-7360U | Intel Core i5-7267U | Intel Core i5-8259U |
クロック周波数 | 2.3GHz(Turbo Boost最大3.6GHz) | 3.1GHz(Turbo Boost最大3.5GHz) | 2.3GHz(Turbo Boost最大3.8GHz) |
内蔵GPU | Iris Plus Graphics 640(64MB eDRAM) | Iris Plus Graphics 650(64MB eDRAM) | Iris Plus Graphics 655(128MB eDRAM) |
TDP | 15W | 28W | 28W |
バッテリー容量 | 54.4Wh | 49.2Wh | 58Wh |
続いて、MacBook Pro 13インチ(2019)、MacBook Air(2019/2018)のCPUのTDP(熱設計電力)は以下の通り。
MacBook Pro 13インチ | MacBook Air | |
年式 | 2019 | |
Touch Bar | あり | なし |
Touch ID | あり | |
CPU | Intel Core i5-8257U 1.4GHz クアッドコア |
Intel Core i5-8210Y 1.6GHz デュアルコア |
GPU | Iris Plus Graphics 645 (128MB eDRAM) |
UHD Graphics 617 (メインメモリと共有) |
TDP | 15W | 7.5W |
バッテリー容量 | 58.2Wh | 49.9Wh |
MacBook Pro 13インチ(2019・下位モデル)のCore i5プロセッサのTDPはクアッドコアなのに15Wと低くなっていますが、MacBook Air(2019/2018)のCore i5はデュアルコアでTDPは7Wに抑えられています。
Core i5-8210YはYシリーズのCoreプロセッサでMacBook 12インチに採用されていたCore m3の後継プロセッサなんですね。だから、TDPが少なく消費電力を抑えることができるのです。
そして、2020年11月に登場したMacBook Pro 13インチ、MacBook AirともにM1チップを搭載しているので、電力効率自体はどちらも差はあく、単純にバッテリー容量の違いによって電池持ちに違いがあります。
MacBook Air | MacBook Pro 13インチ | ||
世代 | 2020 | ||
モデル | M1 | Intel | |
Touch Bar | あり | なし | |
Touch ID | あり | ||
CPU | M1(8コア) | Intel Core i5 2.0GHz(4コア) | |
GPU | M1(7コア) | M1(8コア) | Iris Plus Graphics |
TDP | 15W | 28W | |
バッテリー容量 | 49.9Wh | 58.2Wh | 58.0Wh |
電池持ち(公式) | 15時間 | 17時間 | 10時間 |
電池持ち(実測) | 10時間 | 13時間 | 5時間 |
Touch BarのないMacBook Airよりもバッテリー容量が多くてTouch BarのあるMacBook Pro 13インチの方が電池持ちが良くなっています。
ただし、IntelプロセッサのMacBook Pro 13インチはMacBook Airの半分ほどのバッテリー駆動時間しかないので外で使う場合は注意をしてください。
モバイル性能を重視するならM1のMacBook Airの一択となりますが、電池持ちを伸ばしたいならMacBook Pro 13インチを選ぶのがおすすめです。ただし、Touch Barはもれなく付いてきます。
そもそもTouch Barがいらない
これを言ってしまうとおしまいなんですがTouch Barは必要ないです。
今まで使って役に立ったと思ったことが一度もありません。例えば、表計算アプリのNumbersでは書式設定などをタッチバーからすることができますが、目線をキーボード上に落とさないとタッチするのは困難です。

慣れればカーソルを動かすことなく設定できるので便利なのかもしれないですが、やっぱりマウスやトラックパッドを使ってしまうんですよね。慣れの問題なのかもしれませんが。
ただ、Macを使ったことない初心者の方であれば意外とTouch Barが使いやすい、わかりやすいという声も聞くので全く必要がないというわけではなさそうです。
であれば、初心者が使うAirにTouch Barを搭載してProはファンクションキーを搭載してほしかったような気もしますが…。
Apple WatchがあればTouch IDもいらない
僕はApple Watchを1日中装着しているのですが、Apple WatchがあればMacBook Proの画面を開いただけで自動的に画面ロック解除をしてくれます。

指先どころか蓋を開くだけでロック解除できてしまう。極論ですがApple WatchがあればTouch IDもいらない。なので、MacBook Pro 13インチは価格が安くてバッテリー持ちの良いTouch Barなしモデルがおすすめ。
…と、2017年時点では書いていましたが2020年になった今はMacBook Proは全ての機種がTouch Barを搭載しているので選択肢はありません。MacBook Proを買うともれなくTouch Barととも過ごすしかないのです。
Touch Barは必要ないが選択肢がない

現在販売されているMacBook Pro 16インチ、MacBook Pro 13インチ、整備済みで買うことができるMacBook Pro 15インチは全ての機種でTouch Barを搭載しています。
Touch Barを搭載していないモデルはMacBook Airのみで、Touch Barなしモデルが欲しい場合はMacBook Airを選ばざるを得ない状況です。
資料作成、ブログの更新くらいならMacBook Airでも十分使える性能を持っています。
しかし、動画編集などを視野に入れるとMacBook Proが必要となるのでTouch Barの有無でどっちを選ぶか決めるのではなく、どんな作業をするかでどのモデルにするか決定するのが現実的です。
- デザイン制作、写真現像、動画編集などをしたい
- 高性能なMacBookを使いたい
- Touch Barを使って作業したい
Touch Barの使い方についてはこちらをどうぞ。
動画編集するなら迷いなくMacBook Proを選んだ方がいいです。MacBook Airでも作業できないことはないですが、書き出しの時間がかなり長くなってしまうので生産的ではないです。
- 資料作成、ブログの更新をメインに使いたい
- どうしてもファンクションキーが欲しい
- 安くMacBookを手に入れたい
執筆作業が中心でTouch Barが必要ないならMacBook Airを選ぶことができます。Touch Barなしでファンクションキー、指紋認証のTouch IDを搭載しているので実用的に使うことができます。
MacBook AirはMacBook Pro 13インチ(1.4GHz)よりも20,000円ほど安く買うことができるので浮いたお金でメインメモリを 8GB → 16GBに増設することもできます。
メインメモリは22,000円でアップグレードできますし、メモリ増設した方が体感速度は上がるので負荷がかかる作業をすることが多いならおすすめです。
また、MacBook Proの新品はかなり高いので整備済製品で条件のあるモデルを見つけて購入するのがお得でオススメです。
基本的にはカスタマイズされていないモデルが多いですが、たまにメモリが16GBに増設されたものが整備済品として販売していることがあるので、検討している方は確認してみてください!
→ MacBookの比較はこちら
Macのストレージ容量、メインメモリについてはこちら。
MacBook Proのおすすめの周辺機器・アクセサリーはこちら。
必要と思いますよ
ちょっと短すぎると思うけど