Macを買い替えをしてもともと使っていた古くなったMacを売却・譲渡することもあると思います。その前にやらなければ作業としてmacOSを初期化(クリーンインストール)する必要があります。
この記事ではMacOSを初期化して復元する方法を紹介します。macOS Sierra 10.12.4以降、初期化する方法が増えているので確認しておきましょう。
なお。M1チップを搭載したMacの初期化はこちらを参考にしてください。
この記事の目次
Macを売却する前に初期化して復元する方法
初期化する前に各アプリの認証を解除する
クリーンインストールの場合は認証を解除しなくても特に不具合は起きないようですが、AppleはiTunesとiCloudとiMessageの認証を解除することをお勧めしています。
iTunesの認証解除
まず最初にiTunesの認証解除をします。iTunesを起動し「アカウント」 →「認証」→「このコンピュータの認証を解除」を選択すると認証を解除することができます。

「Macを探す」をオフする
「環境設定」→「iCloud」の「Macを探す」をオフにします。この時にApple IDのパスワードが必要となります。

iCloudからサインアウトする
そして、iCloudをサインアウトします。「環境設定」→「iCloud」の「サインアウト」を選択します。

iMessageからサインアウトする
OS X Mountain Lion 以降の場合はiMassageからもサインアウトします。「メッセージ」を起動し「メッセージ」→「環境設定」→「アカウント」から「サインアウト」します。

Apple IDの管理からデバイスを削除
ブラウザからApple IDの管理画面にアクセスして登録されている「デバイス」から売却する予定のMacを削除します。

これで準備が整いました。Macの初期化をしていきましょう。
macOSを初期化・復元する3つの方法
macOSの初期化・復元は、macOS Sierra 10.12.3以前とmacOS Sierra 10.12.4以降で方法が異なるので注意が必要です。
macOS Sierra 10.12.3以前
command + R + 電源ON | SSDのリカバリー領域に保存しているデータを使った現在のバージョンのmacOSをインストール |
---|---|
option + command + R + 電源ON | インターネット経由でプリインストール(工場出荷)されていたバージョン、またはそのバージョンに一番近いmacOSをインストール |
macOS Sierra 10.12.4以降
command + R + 電源ON | SSDのリカバリー領域に保存しているデータを使って現在インストールされているバージョンのmacOSを再インストール |
---|---|
option + command + R + 電源ON | インターネット経由で最新バージョンのmacOSを再インストール |
shift + option + command + R + 電源ON | インターネット経由でプリインストール(工場出荷)されていたバージョン、またはそのバージョンに一番近いmacOSを再インストール |
工場出荷時のOSを再インストールして初期化したい場合は今までは「option + command + R + 電源ON」でしたがmacOS Sierra 10.12.4以降は「shift + option + command + R + 電源ON」になります。
新しく追加された「option + command + R + 電源ON」は、古いバージョンのmacOSのMacを初期化する時に最新バージョンのmacOSをインストールすることができるオプションで後でアップデートすることなく最新バージョンにアップデートすることができるようになっています。
実際にmacOS Sierra 10.12.5がインストールされていたMacBook Proを初期化・復元してみました。
初期化して現在のバージョンを再インストール(command + R + 電源ON)
「command + R 」を押しながら電源をONにします。

しばらくするとAppleマークが表示されます。

macOSユーティリティが起動するので、「ディスクユーティリティ」を選択して、OSがインストールされているストレージを選択し「消去」からストレージを綺麗さっぱり全消去していきます。

名前は「Macintosh HD」など(なんでもいい)と入力し、フォーマットは「Mac OS Extended(Journaled)」を選択し「消去」します。

macOS High SierraからSSD搭載のMacのみに採用された新ファイルシステム・APFSは、2018年9月に配信されたmacOS Mojave以降はSSD、HDDともにAPFSを採用しているので初期化するとAPFSしか選択することができないようになっています。
なので、ストレージの初期化はAPFSを選択して初期化してください。

全消去したらディスクユーティリティを「終了」し「macOSを再インストール」を選択し「続ける」をクリックします。

macOSのインストールを「続ける」で再インストールが完了します。

途中でWi-Fiの設定が求められるのでパスワードを入力してインストールを続行してください。
初期化して購入時にプリインストールされていたバージョンを再インストール(shift + command + R + 電源ON)
「shift + option + command + R 」を押しながら電源をONにします。

左手がつりそうになるので気を付けましょう…。
先ほどと異なり地球のマークが表示されインターネットリカバリーが開始します。

しばらく待つと、OS X ユーティリティが表示されます。このMacBook Proは2013年モデルでプリインストールされていたOSがOS X Mavericks 10.9だったのです。2015年モデル以前のMacはOS Xユーティリティ、2016年モデル以降はmacOSユーティリティとなっているはずです。

上と同じように「ディスクユーティリティ」からストレージを全消去してから「OS Xを再インストール」することで購入時のOSを再インストールすることができます。

なお、インターネットリカバリーとなるのでインターネット通信ができる環境での作業となります。購入時のOS X Mavericksが再インストールされました。

この画面、懐かしいですね〜。
初期化して最新バージョンを再インストール(command + R + 電源ON)
「option + command + R 」を押しながら電源をONにします。

実際に試していませんが、作業方法としては上の二つと同じように「ディスクユーティリティ」からストレージを全消去してから、「macOSを再インストール」することで最新バージョンのmacOSで復元することができます。
Macを初期化する方法のまとめ
macOS Sierra 10.12.4以降より2つから3つの復元方法をとることが出来るようになりましたが、通常はリカバリー領域を使用した「command + R」を押しながら起動する方法が早くてベターかなと思います。
command + R + 電源ON | SSDのリカバリー領域に保存しているデータを使って現在インストールされているバージョンのmacOSを再インストール |
---|---|
option + command + R + 電源ON | インターネット経由で最新バージョンのmacOSを再インストール |
shift + option + command + R + 電源ON | インターネット経由でプリインストール(工場出荷)されていたバージョン、またはそのバージョンに一番近いmacOSを再インストール |
MacBookやiMacなどの初期化、復元はそう滅多に行うものではありませんが、売却や譲渡する以外でもOSの調子が悪くなった時にすることで、調子が良くなったりすることもあるので、Macの動作が遅くなってきたなと感じる時にも実行してみる価値があるでしょう。
ただ、その場合は初期化する前に必ずTime Machineなどでデータのバックアップを必ず取ってから、初期化・復元をしましょう。
Macbook 2016 を購入して使用していますが、Macbook pro 13 inch に買い替えようとおもっていたところこの記事にめぐり合い助かりました。ありがとうございます。