iPad Pro 12.9(第4/3世代)レビュー

画面サイズの大きいプロモデルのiPadといえばiPad Pro 12.9インチですが、タブレットとしても、パソコンとしても、イラストを描くこともできる最強のiPadともいえる端末となっています。

iPad Pro 12.9インチは2018年の第3世代でホームボタンを廃止しベゼルレスデザインになって画面サイズの大きさはそのままに本体サイズを小型化、2020年の第4世代でデュアルカメラにLiDARスキャナを搭載しています。

ここではiPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)のデザイン・スペック・使いやすさの違いをレビューしています。iPad Pro 12.9インチを検討している方参考にどうぞです!

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)レビュー

第4世代と第3世代のスペックを比較

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)と(第3世代)
iPad Pro 12.9インチ(第4世代)と(第3世代)

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)はホームボタンのない顔認証のFace IDに対応した大画面ベゼルレスディスプレイを搭載したiPad Proとなっています。

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)スペック
  第4世代(2020) 第3世代(2018)
ディスプレイ 12.9インチ(2,732 x 2,048ピクセル)P3、True Tone、ProMotionテクノロジー対応
CPU A12Z Bionic A12X Bionic
メインメモリ 6GB 4GB
リアカメラ 広角1200万画素 + 超広角1000万画素 + LiDARスクアナ 広角1200万画素
インカメラ 700万画素 + TrueDepthカメラ
生体認証 Face ID(顔認証)
Wi-Fi Wi‑Fi 6(802.11a/b/g/n/​​ac/ax) Wi‑Fi 5(802.11a/b/g/n/​​ac)、
LTE(セルラーモデル) ギガビット級LTE(最大30バンド) ギガビット級LTE(最大29バンド)
スピーカー 4スピーカー
外部ポート USB-C
本体サイズ 280.6 × 214.9 × 5.9 mm
重量 641g 633g

画面サイズは2017年モデルのiPad Pro 12.9インチ(第2世代)と同じですが、筐体サイズがコンパクトになったおかげで持ち運びがしやすい画面の大きいiPadになりました。

iPad Pro 12.9インチ(第3世代)と(第2世代)サイズ比較
iPad Pro 12.9インチ(第3世代)と(第2世代)サイズ比較

ベゼルレスになったことで威圧感があったスタイルが可愛らしいですよね。

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)は基本的に(第3世代)と同じスペックですが心臓部のSoC(システム・オン・チップ)がA12X → A12Z Bionic、メインメモリが4GB → 6GBになって、イラスト制作や動画編集など負荷のかかる作業がより快適となっています。

さらにリアカメラに超広角カメラとLiDARスキャナを搭載したARを強化したのも特徴となっています。

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)
iPad Pro 12.9インチ(第4世代)

リアカメラが広角(1200万画素)のシングルカメラ → 広角(1200万画素)+ 超広角(1000万画素)のデュアルカメラに、さらに距離を計測できるLiDARスキャナを搭載してカメラの使い方の幅が向上しています。

正直なところiPadでカメラやARを使ってないならiPad Pro 12.9インチ(第3世代)から(第4世代)に乗り換えるメリットはないので、あくまでiPad Pro 12.9インチ(第2世代)など旧型の乗り換えユーザー向けの端末とみていいでしょう。

パッケージ・付属品

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)のパッケージは白をベースとしiPad Proの本体をイメージした画像がデザインしたものとなっています。ホームボタンがなくなり全面ディスプレイ仕様となったのでパッケージからしてインパクトのあるものになっています。

iPad Pro 12.9(第4世代)パッケージと付属品
iPad Pro 12.9(第4世代)パッケージと付属品

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)は外部ポートがLightningからUSB-Cを採用しています。USB-PDに対応していて付属のUSB-C電源アダプタ・Apple 20W USB-C電源アダプタを使ってiPad Proを充電することができます。

この充電アダプタですが従来のiPad ProやMacBookと違い簡易型なのでプラグを収納することはできません。また、横にデブッチョなのでタップ電源で使うと隣の電源が使えなくなってしまう場合があるのが少し微妙なところ。

iPad Pro 12.9(第3世代)USB-C電源アダプタのサイズ比較

なぜ、簡易型の電源アダプタになったのか疑問。コストダウンとしか思えない。価格が高くなったのに安っぽい電源コネクタとは…。せめて隣と干渉しない縦型のアダプタにしてほしかった。

唯一の救いはUSB-CポートはMacBookにも採用されているので、MacBookの充電器を使って充電することができることでしょうか。電源アダプタとケーブルを最小限にすることができそうです。

ベゼルレススタイルの外観デザイン

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)はホームボタンがなくなったおかげで上下左右のベゼルの幅をが同じになり、整ったベゼルレススタイルへと変貌しています。

iPad Pro 12.9(第4/3世代)デザイン
iPad Pro 12.9(第4/3世代)デザイン

上下左右のベゼルが狭くなって本体サイズも小さくなりました。やはりベゼルレスのiPadはスタイルがとてもいいですね。11インチと12.9インチの2台購入して「なにやってんだろ。」と思いながら2台並べてニヤニヤできる時間がヤバイです。

ベゼルの幅はiPad Pro 12.9インチ(第2世代)よりも狭くなってほどよい幅を維持しているので手で持った時に画面が指で隠れてしまって見にくいことはないです。

iPad Pro 12.9 第4/3世代と第2世代)正面デザインの違い
iPad Pro 12.9 第4・3世代と第2世代 正面の違い

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)の本体サイズは、旧型モデルと比較してかなり小型化されてコンパクトになっています。

iPad Pro 12.9インチ サイズと重量
  サイズ 重量
iPad Pro 12.9(第2世代) 305.7 × 220.6 × 6.9 mm 677g
iPad Pro 12.9(第3世代) 280.6 × 214.9× 5.9 mm 631g
iPad Pro 12.9(第4世代) 280.6× 214.9 × 5.9 mm 641g

ホームボタンがなくなっただけでこんなに小さくなるとは驚きです。これで画面サイズは全く同じで維持しているのだからスゴイ。重ねてみるとその違いがよく分かります。

iPad Pro 12.9 第4/3世代と第2世代 背面デザインの違い
iPad Pro 12.9インチの本体サイズ違い

iPad Pro 12.9インチ(第2世代)は本体サイズが大きくて今まで入れることができなかったカバンにiPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)を入れて持ち運ぶことができるようになるかもしれません。

iPad Pro 12.9(第4/3世代)はラウンド型からスクエア型の角張ったスタイルにデザインが刷新しました。

従来のiPad Pro 12.9インチ(第2世代)はセルラーモデルのみアンテナラインが背面パネルの上部にありましたが、iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)はWi-Fiモデルにも本体上部にアンテナラインが入っています。

また、本体厚みが5.9mmとなって6.9mmから1mmも薄くなっています。それだけ内部パーツの配置がギュウギュウ詰めなんでしょうね。

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)はSmart Keyboard FolioMagic Keyboardを装着するために本体内部に大量の磁石が散りばめられていますが、その関係でアンテナラインが入ってしまった可能性も考えられそうです。

ちなみに、セルラーモデルだと本体下部にもアンテナラインが入っていますが目立たないデザインなので外でも使うことが多いならiPadセルラーモデルを選ぶのがいいでしょう。

それにしても角張ったデザインはカッコイイです。ちなみに、本体の角はラウンド加工されていますが誤ってぶつけると凹んでしまうので取り扱いには注意が必要となります。

画面サイズと解像度

iPad Pro 11インチのディスプレイは10.5インチよりも解像度が少し上がって画面が大きくなりましたが、iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)は(第2世代)と同じ解像度・画面サイズとなっています。

iPad Pro 12.9インチの画面スペック
  iPad Pro 12.9(第4/3世代) iPad Pro 12.9(第2世代)
画面サイズ 12.9インチ(Liquid Retinaディスプレイ) 12.9インチ(Retinaディスプレイ)
解像度 2,732 × 2,048ピクセル(264ppi)
仕様 ProMotionテクノロジー、広色域ディスプレイ(P3)、True Toneディスプレイ耐指紋性撥油コーティング、フルラミネーションディスプレイ、反射防止コーティング

iPad Pro 12.9インチはLiquid Retinaディスプレイとなりましたがパネルは液晶なので違いはありません。ただ、角丸処理を施してLiquidという名称を使っているみたいですね。

基本的なディスプレイクオリティは新型も旧型も同じとなっています。

iPad Pro 12.9(第3世代)画面角丸処理
iPad Pro 12.9(第4/3世代)の画面は角丸仕様に

四隅が角丸処理されたことで事実上解像度が下がることになりますが、四隅に重要な情報は表示されていませんし特に問題はないです。

iPad Pro 12.9インチはMacbook 12インチよりも大きなディスプレイを搭載しているので、とても迫力があり動画コンテンツを見たり、写真編集をするならiPad Pro 12.9インチを選んだ方がいいかもしれません。

一枚の板感がすごい。なんでも出来る板。

MacBook 12インチとiPad Pro 12.9インチ(第3世代)
MacBook 12インチとiPad Pro 12.9インチ(第3世代)

資料作成・執筆作業をするならMacBookの方が扱いやすいのは間違いないですが、タッチ操作が活きるクリエイティブな作業についてはiPad Proは最高のデバイスではないでしょうか。

iPad Proならソファに座りながらリラックスしながら作業できるのもメリットです。ホームボタンがなくなってベゼルレスになったことでiPad Pro 12.9インチ(第2世代)よりもサイズが小さくなり扱いやすくなっています。

MacBookとiPad Proを比較

Smart Keyboard Folioに対応

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)はSmart Keyboard Folioを組み合わせることでキーボードでの作業ができるようになります。

Smart Keyboard Folio
Smart Keyboard Folio

iPad Pro 12.9インチ(第2世代)のSmart Keyboardは背面パネル剥き出す状態でしたが、iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)に対応したSmart Keyboard Folioは背面パネルもカバーで覆うことで本体を守ることができるスマートキーボードです。

背面パネルを守ることができる
背面パネルを守ることができる

従来のSmart Keyboardはデコボコしたスタイルでスマートとはいえないものでしたが、Smart Keyboard Folioはフラットなスタイルとなり、格好良いノートを持ち歩いてるかのようなスタイルとなりました。

また、iPad Pro 11インチのSmart Keyboard Folioは角度がありすぎて微妙な角度でしたが、iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)のSmart Keyboard Folioは旧モデルと同じくちょうど良い画面角度になっています。

Smart Keyboard Folioの画面角度1
Smart Keyboard Folioの画面角度1

画面の角度は2段階となっていて使い方に合わせて調整することができます。

Smart Keyboard Folioの2つの画面角度

Smart Keyboard Folioの互換性はこんな感じです。

Smart Keyboard Folioの互換性
  • Smart Keyboard Folio(第1世代):12.9インチ(第2世代)
  • Smart Keyboard Folio(第2世代):12.9インチ(第3世代・第4世代)

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)向けのSmart Keyboard Folioは背面部分にAppleのロゴマークが刻印されています。

アップルのロゴマーク付き
アップルのロゴマーク付き

キーボースタイルで使うとAppleのロゴが見えるスタイルになるので、なかなかカッコイイですよね。また、カバーの色合いが濃くなりましたので少しだけ見た目が変わった感じがします。

ファブリック素材の色合いの違い
ファブリック素材の色合いの違い

Smart Keyboard Folioは撥水性のあるファブリック素材なので飲み物をこぼしてしまっても大丈夫です。MacBookのように気を使って作業をする必要がありません。

キーボードのタイピング感は旧型のSmart Keyboardと同じです。Smart Keyboard Folioの方が少しだけキーが固くなったように感じますが、しっかりとした反応があるのでキー入力はしやすいです。

何よりもタイピング音がめちゃくちゃ静かなのが嬉しいですよね。

Smart Keyboard Folio レビュー

なお、iPad Pro専用となるMagic KeyboardもiPad Pro 12.9インチは使うことができます。画面が上がって目線が上がるだけでなくシザー構造のキーボードとトラックパッドを搭載しているので、作業効率は間違いなく向上します。

iPad用のMagic Keyboard レビュー

Smart Keyboard FolioはSmart Keyboardのようにスタンドモードやキャンバスモードにして使うことができません。

基本的にキーボードモードのみの使用となるので、Smart Forioカバーにサードパーティ製のワイヤレスキーボードを組み合わせの方が汎用性は高くなるでしょう。

また、スタンドを使うことでiPad Proをこのように立てて、ワイヤレスキーボードをBluetoothで接続して使うのもいいでしょう。

ワイヤレスキーボードでiPad Proを使う
ワイヤレスキーボードでiPad Proを使う

最新のiPad OSではトラックパッドやマウスもiPadで使えるようになったので、ホントにパソコンとして使うことができるので12.9インチという大画面を余すことなく使うことができますよ。


Apple Pencil(第2世代)に対応

iPad Pro(2018)は全てが見直されたiPad Proとなっていますが、Apple Pencilも刷新されてApple Pencil(第2世代)になり、iPad Proの側面にカチッとくっ付けることができるようになりました。

Apple Pencil(第2世代)
Apple Pencil(第2世代)

Apple Pencil(第2世代)をiPad Proに装着すると同時にペアリングとバッテリー充電をしてくれるようになりました。

これがとっても便利です。従来のApple PencilはLightningコネクタに接続をして充電するので放置しがちになってしまいいざ使おうと思ったときにバッテリーが切れていた…なんてことがよくあります。

しかし、Appel Pencil (第2世代)なら常に本体にくっつけておくことで充電できるので、バッテリー切れで使えないことはほぼ防ぐことができます。

Apple Pencil(第2世代)はタッチセンサーを内蔵しダブルタップすることで簡単にツールを切り替えできるようになっています。こんな感じでツールパレットに触れることなく切り替えが可能です。

Apple Pencilをタップしてツール切り替え

確かに便利なんですが個人的には下にあるツールパレットを使って切り替えをした方が楽なんじゃないかな…とも思います。まあ、使い方次第では便利になるんでしょうね。

Apple Pencil(第2世代)はベゼルレススタイルのiPad Pro専用となっており、ペアリングした状態にすると「設定」画面にApple Peniclの項目が表示されます。

ここからダブルタップした時の動作を変更することが可能となっています。

Apple Pencil2の設定項目
Apple Pencil2の設定項目

初期設定は「現在使用中のツールと消しゴムの切り替え」になっていますが、僕は「現在使用中のツールと前回使用したツールの切り替え」に変更をしています。

Apple Pencil(第2世代)レビュー

顔認証のFace IDに対応している

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)はホームボタンがなくなった代わりに顔認証のFace IDを使えるようになりました。

Face IDでロック解除をしたり、パスワード入力、Apple Payを使うことができますが、iPad ProとFace IDの相性はめちゃくちゃ良い。iPhoneは縦持ちでないと認証できませんが、iPad Pro 12.9インチのFace IDは横でも斜めでもどんな角度でも顔認証が可能となっています。

さらにSmart Keyboard Folioと組み合わせることで画面を一切触れずにキーボードのキーをタイピングするだけで瞬時に画面ロック解除することが可能となるのです。

Face IDとSmart Keyboard Folio

これがめちゃくちゃスピーディーで便利なんですよね。MacBook AirやMacBook Proに搭載されている指紋認証のTouch IDも便利ですけど、iPad Pro + Smart Keyboard FolioのFace IDの方がはるかに使いやすいですね。

MacにもFace IDを搭載してくれたらいいのに。おそらく、将来的にはMacにもFace IDは搭載されるでしょう。めちゃくちゃ便利ですし、まずはiMacから採用してほしいなぁと期待しています。

充電ポートはUSB-Cポートを採用

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)の充電ポートはLightningからUSB-Cに置き換わりました。

充電ポートの違い
充電ポートの違い

iPad Pro 12.9インチ(第2世代)は12WのLightning対応の充電アダプタでしたが、iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)は18WのUSB-C対応の充電アダプタを採用しています。

従来のiPad ProのLightningポートだと変換アダプタを使わないとできなかった外部モニターへの出力ですが、iPad Pro 12.9(第4/3世代)ならUSB-Cと外部4Kモニターを直接接続するだけで簡単に表示させることができます。

iPad Pro 12.9(第3世代)は外部モニター出力に対応
iPad Pro 12.9(第3世代)は外部モニター出力に対応

基本はiPad Proと同じ画面が表示されるミラーリングに対応しますが、一部アプリではマルチディスプレイとして使うこともできるようになっており、例えば写真アプリの「メモリー」をこのように4Kモニターに全画面を使って表示させることができます。

ちなみに、この接続だとiPad Proを充電しながら外部モニターに表示させることができるので普段使いで使うこともできそう。

外部ストレージの接続ができる

また、USB-C対応のSDカードリーダーも使うことができます。もちろん、サードパーティ製のカードリーダーも動作します。

iPad Pro 12.9(第4/3世代)とSDカードリーダー
iPad Pro 12.9(第4/3世代)とSDカードリーダー

iPad Pro 12.9(第2世代)のLightningの最大転送速度は5Gbpsでしたが、iPad Pro 12.9(第4/3世代)のUSB-CはUSB 3.1の10Gbpsに対応し、USB 3.1に対応しているSDカードリーダーなら写真データを高速転送することもできます。

実際に二つのカードリーダを使って3GBの写真データを転送してみました。

  • USB 3.0対応 SDカードリーダー:1分32秒
  • USB 3.1対応 SDカードリーダー:42秒

圧倒的にUSB 3.1に対応したカードリーダーを使うことで快適になります。これは、写真を撮影してiPad Proにすぐに転送して現像するという使い方がスタンダードになりそうですね。

わざわざMacBookを使わなくても直感的に作業できるのがなかなか良い。

さらに、外付けSSDも接続することができるので、大容量の画像データ、動画データを簡単にあ使うことができます。

iPad Pro 12.9(第4/3世代)と外付けSSD
iPad Pro 12.9(第4/3世代)と外付けSSD

iPad Pro 12.9インチ(第2世代)もアダプタを使うことで外付けSSDに接続できますが、こちらで確認したところSamsung T5しかまともに動作しませんでした。

しかし、iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)ならSanDisk Extreme SSDBUFFALO SSD-PGMU3、さらにNVMe M.2 SSDも使えるので動画編集するのにおすすめです。

さらに、USB-Cに対応しているミラーレスカメラ(例:FUJIFILM X-T3)と直接接続することで写真の転送を直で高速転送することも可能となっています。

iPad Pro 12.9(第3世代)にカメラ接続
iPad Pro 12.9(第3世代)にカメラ接続

SDカードを取り出すことなくカメラから写真データをiPad Pro 12.9に転送することができるってヤバイくらい便利機能ですよ。USB-Cケーブル一本持ち歩けばOKですからね。

もちろん、カメラの充電もできます。まさに神機能。ミラーレスカメラはバッテリー消耗が激しいのでモバイルバッテリー化することができるiPad Proは最高なんですよね。

iPad Pro 12.9のUSB-Cで出来ること
  • 外部モニターに画面出力(最大5K解像度まで対応)
  • モバイルバッテリーとして利用できる(iPhoneやカメラも充電可能)
  • USB-C対応SDカードスロットを利用可能(USB 3.1対応なら10Gbpsの高速転送可能)

USB-Cに対応したことで、出来ることが増えるので便利なiPadがさらに使いやすく使いこなすことができます。

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)のスペック・性能

CPUのスペックと性能

iPad Pro 12.9インチ(第3世代)は高性能コア4つ、高効率コア4つの計8つのCPUコアを搭載したA12X Bionic、iPad Pro 12.9インチ(第4世代)はGPUコアが7 → 8になったA12Z Bionicを搭載しています。

Geekbench 5でiPad Pro 12.9インチ(第4世代・第3世代・第2世代)で比較してみました。

A12Z・A12X 性能比較
A12Z・A12X 性能比較
iPad Pro Geekbench 5 比較
  iPad Pro 12.9(第4世代) iPad Pro 12.9(第3世代) iPad Pro 12.9(第2世代)
CPU A12Z Bionic A12X Bionic A10X Fusion
RAM 6GB 4GB 4GB
シングルコアCPU 1123 1114 800
マルチコアCPU 4700 4666 2251
Metal GPU 9688 9264 6419

A12Z/A12X BionicはA10X FusionよりもCPUの性能がマルチコアで約2倍、GPUの性能が1.6倍ほど向上しており、ニューラルエンジン(8コア)も搭載しているので空間認識性能が大幅に向上しているのでARを使うアプリで本領発揮となります。

A12X → A12Z Bionicの違いはGPUのコア数が7つ → 8つになってるところでグラフィック性能が少しだけ向上しているところです。

Antutuで性能を比較してみました。

Antutuの性能比較
iPad ProのAntutu比較
  iPad Pro 12.9(第4世代) iPad Pro 12.9(第3世代) iPad Pro 12.9(第2世代)
CPU A12Z Bionic A12X Bionic A10X Fusion
RAM 6GB 4GB 4GB
トータル 721119 671190 370788
CPU 187327 145493 120675
GPU 377228 381395 145944
MEM 77568 68193 46607
UX 78996 76109 57562

なぜかGPUの性能が第4世代よりも第3世代の方が高くなっていますね。つまり、性能はほぼ同じで誤差範囲といったところなんでしょう。メインメモリの容量が4GB → 6GBに増えているので複雑なイラストを描いたり、動画編集をしても軽々と作業できるようになっているかと思います。

また、iPad Pro 12.9インチ(第2世代)→(第4/3世代)で性能が2倍近く向上しているのでイラストを描いたり、動画編集をするといった用途で快適に作業することができるかと思います。

リアカメラのスペックと画質

iPad Pro 12.9インチ(第3世代)は1200万画素のシングルカメラでしたが、iPad Pro 12.9インチ(第4世代)より広角1200万画素 + 超広角1000万画素のデュアルカメラに 距離を計測できるLiDARスキャナを搭載しました。

iPad Pro リアカメラ
iPad Pro リアカメラ
モデル 第4世代(2020) 第3世代(2018) 第2世代(2017)
背面カメラ 画素数 広角:1200万
超広角:1000万
LiDARスキャナ
1200万 800万
レンズ 広角:ƒ/1.8
超広角:ƒ/2.4
ƒ/1.8 ƒ/2.4
光学式手ぶれ補正 ×
HDR スマートHDR
動画 ・4K(60fps)
・1080p(120fpsスローモーション)
・映画レベルのビデオ手ぶれ補正
・4K(30fps)
・1080p(60fps
スローモーション(120fps)
・ビデオ手ぶれ補正
前面カメラ 画素数 700万画素裏面照射型 120万画素裏面照射
Face ID
レンズ ƒ/2.2 ƒ/2.4
動画 1080p HDビデオ撮影 720p HDビデオ撮影

広角カメラの画質は第4世代・第3世代ともにほとんど同じですが、超広角カメラを搭載したので視野の広い写真を撮影できるようになりました。

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)超広角カメラ
iPad Pro 12.9インチ(第4世代)超広角カメラ

同じ場所からも視野の広い写真を撮影できるのは便利ですよね。ただ、一般的に写真撮影はiPhoneなどスマホを使うことが多いので必要かどうかはハテナマークです。

LiDARスキャナで被写体の距離を計測可能に

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)は被写体との距離を正確に計測できるLiDARスキャナを搭載しています。これは、iPhone 12 ProiPhone 12 Pro Maxにも搭載されているものとなっています。

従来のiPad ProでもAR機能を使えましたが、LiDARスキャナを使うことでパフォーマンス、精度が向上しています。例えば、iPad Pro 12.9インチ(第3世代)だと計測アプリを起動すると「iPadを動かして開始」と表示しすぐに使うことができません。

iPadを動かして開始
iPadを動かして開始

そんな中で、iPad Pro 12.9インチ(第4世代)はアプリを起動してすぐに使えるようになりました。環境によって調整が入る場合はありますがパフォーマンスは向上しているのが分かります。

また、計測アプリは近くにあるモノの長さ、面積を計測するためのものでしたがLiDARスキャナによりiPad Pro 12.9インチ(第4世代)は遠くにある長さも計測できるようになりました。

例えば、少し離れている扉の高さを測ることができます。

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)は扉の高さを計測できる

少し見えにくいですが1.98mと表示されていて長さを簡易的に測ることが可能になりました。ちょっとした長さを計測するときにこれは便利かもしれないですね。

ちなみに、iPad ProのLiDARスキャナはAR専用のセンサーなので、リアカメラで背景をぼかすためのものではないので注意です。

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)レビュー:まとめ

iPad Pro 12.9インチを選ぶ最大のメリットは12.9インチという大画面サイズで作業することができるというところです。

筐体サイズはiPad Pro 11インチと比べると二回りくらい大きいので気軽に持ち運んで使うというよりも自宅や職場に据え置きで使うことが前提となります。

タブレットとしては間違いなく画面が大きいので使いやすいとはいえないですがパソコンとして使う、イラスト制作に使うなど大画面が活きる場面においては使いやすいモデルになっているのかなと感じます。

また、MacBook Airに比べると本体サイズは小さくて軽いので外でも大きな画面で作業をしたいという方はiPad Pro 12.9インチ(第4世代)を選ぶメリットはあるかと思います。

第2世代 → 第4/3世代に乗り換えるメリット

iPad Pro 12.9インチ
iPad Pro 12.9インチ

iPad Pro 12.9インチ(第2世代)は2017年に発売されてiPad Pro 10.5インチと同世代のモデルなので、Proとはいえ性能が厳しくなってきています。

まだまだ使うことができますが、動画編集など負荷のかかる作業をしたり快適に作業をしたいならiPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)に乗り換えるメリットは大きいです。

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)のメリット
  • CPUの性能が高く快適に作業できる
  • 第4世代なら6GBのメインメモリを搭載
  • USB-C対応カメラで直接写真データを転送できる
  • 外付けSSDを接続してデータ管理できる

iPad Pro 12.9インチ(第4/3世代)なら外付けSSDをケーブル1本で接続できますし、いろんなメーカーのSSDを使うことができるので優位性は高いです。

iPad Pro 12.9インチ(第2世代)を使っているなら、iPad Pro 12.9(第4/3世代)に乗り換えることで基本的な性能が大きく向上するので仕事で使うのなら効率を上げることはできそうです。

第3世代 → 第4世代 に乗り換えるメリット

iPad Pro 12.9インチ(第3世代)からiPad Pro 12.9インチ(第4世代)への乗り換えるメリットはほとんどありません。

チップがA12X → X12ZになってGPUの性能が少しだけ向上し、メインメモリが4GB → 6GBと多くなったので動画編集するときに安定性は良くなるかもしれないですが、実際にはあまり違いを体感することができないでしょう。

いうても同じ世代のチップですしね。

ARのアプリを使うことが多いならLiDARスキャナを搭載しているiPad Pro 12.9インチ(第4世代)はいいのかもしれませんが、乗り換えるほどではないのかな…といった感じです。

iPad Pro 11インチ・12.9インチのどっちを選ぶべきかはこちらをどうぞ。

iPadの比較・おすすめはこちらです。

なお、定期的にはApple公式サイトで販売をしているiPad整備済製品を買うのもおすすめです。