
2018年11月に発売したiPad Pro 11インチはホームボタンを廃止したベゼルレスデザインのiPadですが、これね。めちゃくちゃいいですよ!
iPadと顔認証・Face IDの相性は良いということが実証されました。個人的にはTouch IDのiPadには戻れないくらいiPad Pro 11インチは革新的な進化を果たしたと感動しています。
ここでは、iPad Pro 11インチのデザイン・性能・使いやすさをレビューしています。旧型のiPad Pro 10.5インチとの違いも比較しているので、iPad Pro 11インチに乗り換えを検討している方は参考にしてください!
2020年のiPad Pro 11インチ(第2世代)、iPad Pro 12.9インチ(第4世代)のレビューはこちらです。
この記事の目次
iPad Pro 11インチの特徴と評価
iPad Pro 11インチは従来のホームボタンを廃止してベゼルレスディスプレイを搭載したタブレット端末です。

指紋認証・Touch IDはなくなりましたが、顔認証・Face IDを搭載しジェスチャー操作でカンタンに画面ロック解除・Apple Payの支払いができるようになっています。
- 11インチ(2,388 x 1,668)Liquid Retinaディスプレイ
- ホームボタンのないベゼルレスデザインを採用
- A12X Bionic + 4GB RAMで高速処理
- 1200万画素のリアカメラを搭載
- TrueDepthカメラのFace IDで認証解除
- 本体カラーはシルバー、スペースグレイ
- SmartKeyboard Folioは凹凸のないスタイルに
- 端末価格は89,800円〜
画面サイズは10.5インチよりも0.5インチ大きいディスプレイとなりましたが、ホームボタンを廃止してベゼルレススタイルになったことで、iPad Pro 10.5インチよりも小型化しているのがiPad Pro 11インチの大きなメリットです。
本体カラーはシルバー・スペースグレイの2色から選ぶことができます。ゴールドがないのは残念ではありますがProモデルなのでまあ仕方ないのかな。

シルバーの色合いは従来のiPad Proと同じとなっていてスペースグレイは濃い目のグレーとなっています。2017年モデルのiPad Proは薄いグレーでシルバーとの違いがなかったのでブラック好きの方は注目のカラーとなっています。
同じスペースグレイでも2017年モデルと2018年モデルだと色合いが違います。従来のスペースグレイがシルバーに近すぎたってのもありますが、iPad Pro 11インチのスペースグレイはよりブラックに近い色合いとなっています。

ただし、2018年モデルのiPad Proの濃いスペースグレイは塗装が剥がれやすく、Apple Pencilを装着する部分がハゲてしまうこともあるようなので、気になる方はシルバーを選んだ方がいいのかも…?
iPad Pro 11インチの性能ですが、ニューラルエンジンを内蔵したA12X Bionicプロセッサと4GBのメインメモリの組み合わせでMacBook Pro 13インチに負けない性能を手に入れました。
iPad Pro | MacBook Pro 13インチ | |
CPU | A12X | Core i5-8257U |
RAM | 4GB | 8GB |
シングルコアスコア | 1100 | 940 |
マルチコアスコア | 4600 | 3800 |
iOSとmacOSとベースが違うので一概に比較はできませんが、CPUの性能だけで見るならiPad Proの方が上で、オーバースペックなんじゃないかと思うくらい快適に動作します。
最近はiPadの専用アプリ・Luma Fusionで動画編集をこなす人も増えているようで、スペックの低いMacBook Airなどで動画編集するくらいならiPad Pro 11インチで作業した方が快適なのかも…ですね。
2019年秋に配信されたiPadOS 13はiPadのマルチタスクとファイル管理が強化されてiPad Pro 11インチはパソコンとしても魅力的なモバイルマシンに。2019年7月にMacBook 12インチモデルが販売終了してしまったのでiPad Pro 11インチの魅力が増しました。
iPad Pro 11インチ レビュー
パッケージ・付属品
iPad Pro 11インチのパッケージはいつも通りの白色ベースにiPad Proを正面から見た画像が印刷されたものとなっており梱包形態は従来と同じです。

iPad Pro 11インチの充電ポートはLightningからUSB-Cに変更されていて、充電アダプタ(18W USB-C電源アダプタ)とケーブルもUSB-Cに対応したものが同梱しています。

iPad Pro 11インチに同梱しているUSB-C対応の充電アダプタは定格5V-3A=15Wとなっており、9V-2A=18Wの急速充電にも対応しています。
2017年のiPad Pro 10.5インチとiPad Pro 12.9インチ(第2世代)は12Wの充電アダプタでしたが、iPad Pro 11インチは18Wとさらに強力な充電アダプタを使うことが可能となっています。
なお、iPhone 11 Proも18Wの充電器を同梱しています。
iPad Pro 11インチの外観デザイン
今回購入したiPad Pro 11は64GBのストレージ容量、Wi-Fi+セルラーモデルのシルバーです。iPad Proは外で使うことを想定していてMacBook Proとのテザリングマシンとしても使いたいので迷わずセルラーモデルを選びました。
iPadのWi-Fiモデルとセルラーモデルのどっちを選ぶべきの比較もしているので迷っている方は参考にどうぞ!
本体カラーはシルバーですがベゼルの色はブラックとなっています。

ベゼルレススタイルのiPad Proは本体カラー関係なしでベゼルの色はブラックに統一されてるんですね。ホワイトが欲しかったな…と思いつつ従来のiPadよりもベゼル幅が狭いのでさほど気にならないのかも。

左右のベゼル幅はiPad Pro 10.5よりもiPad Pro 11の方が少しだけ太くなっています。

「え、どうして新型なのにベゼル幅が太くなるんだ?けしからん!」と思うかもしれませんが、個人的にこれは良い改善ポイントです。
iPad Pro 10.5インチは本体を手で持つと親指がベゼルをはみ出し画面が隠れますが、iPad Pro 11インチは適度にベゼル幅が確保されて手で持ったときに画面が指で隠れてしまわないようになっています。

手で持った時に画面が隠れてしまうのが10.5インチモデルの不満点だったのですが、iPad Pro 11インチは見事にこの不満点を改善してきたのです。素晴らしい。
ディスプレイは少しだけ縦長に
ディスプレイサイズは10.5インチから11インチに少しだけ大きくなっています。横の解像度は同じですが、縦の解像度が多くなっており縦に少しだけ長くなった画面に変更しています。
iPad Pro(2018) | iPad Pro(2017) | |
画面サイズ | 11インチ | 10.5インチ |
解像度 | 2,388 x 1,668ピクセル(264ppi) | 2,224 x 1,668ピクセル(264ppi) |
アスペクト比 | 4.3:3 | 4:3 |
iPadの画面アスペクト比率はずっと4:3とでしたが、iPad Pro 11インチだけが4.3:3と少しだけ画面サイズが異なります。
同じく2018年11月に発売したiPad Pro 12.9インチは旧型と同じ4:3のアスペクト比となっており、同じ世代のiPadなのに画面比率が違うという少し珍しいことになっています。
縦に少し画面が長くなったことでiPad Pro 11インチに非対応のアプリは上下に黒帯が入りますが、あまり気にならないので特に問題はないでしょう。 むしろ、画面が長くなったことで画面分割(Split View)機能を使うと作業エリアが広くなるメリットがあります。

Split Viewで画面を2分割した時に横長画面のiPad Pro 11インチの方が作業エリアが広いことがわかります。
たった168ピクセルの違いですがランドスケープの2画面で作業するときはこの差は意外と大きいんですよね。明らかに10.5インチよりもiPad Pro 11インチの方が作業がしやすい。
なお、広色域ディスプレイ(P3)、120Hzのリフレッシュレートに対応したProMotionテクノロジー、周辺光の色合いに自動的に調整してくれるTrue ToneディスプレイにもiPad Pro 11インチは対応しています。
Appleの公式サイトの仕様表に画面反射率が1.8%と詳細な数値が記載されていますがおそらくiPad Pro 10.5と同じです。11インチと10.5インチを並べて光を反射させてみましたが、色合いが若干違いますがほぼ同じような反射となっています。

iPad Proのディスプレイは廉価版ディスプレイを搭載し価格の安いiPad(第6世代)と比べると反射がかなり抑えられたディスプレイとなっているので、乱反射が多い外での作業も快適にすることができます。
外で使うことが多いならiPadではなくiPad Proを選ぶ理由は大いにあるのかなと思います。
ラウンド型からスクエア型のデザインに
iPad Pro 11インチは5年ぶりにデザインが大幅に刷新されて背面パネルに向けて滑らかな曲線を描いていたラウンド型からiPhone 4s/4を彷彿とさせる角ばったスクエア型のデザインに変更しています。

どことなく初代のiPadにも似ているデザインといってもいいのかもしれません。

ただ、iPad Pro 11インチの角張ったデザインはちょっとぶつけただけで角が凹んでしまうので取り扱いにはかなり注意をしないといけません。実際にiPad Pro 11インチを買ってすぐに軽くぶつけてしまい小さな凹むができてしまいました…。
可能ならスマートカバーかスマートキーボードフォリオを装着してiPad Pro 11インチを使うことをおすすめです。
iPad Pro 11インチは本体上部に電源ボタンがあってステレオスピーカーが搭載されています。マイクの数・位置が微妙に異なりますがiPad Pro 10.5インチと同じスタイルですね。

音量ボタンは本体の右側にあり操作性に変化はありません。

リアカメラも同じ位置に配置されていますが、レンズの周囲にあったリングは無くなってiPhone 7のようにアルミ筐体でカメラのレンズを囲んでいるスタイルに変更となっています。
3.5mmオーディオジャックは廃止へ
iPad Pro 11インチはついにヘッドフォンジャックが廃止されてしまって今まで穴が空いていたところはキレイに塞がれています。

3.5mmヘッドフォンジャックを直で接続できなくなりましたが、USB-Cとヘッドフォンジャックを変換するアダプタ(USB-C – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ)を使うことで接続は可能です。
ただ、そこまでするならApple純正のワイヤレスイヤホンのAirPodsを使った方がいいのかなぁ…とは思いますね。
セルラーモデルなのでSIMカードスロットが正面から見て右下にあります。

SIMフリー版なら格安SIMのSIMカードを入れることで格安でデータ通信をすることができて、テザリング通信もできるので作業効率がめちゃくちゃ上がるので、外でiPad Proを使うことが多いならセルラーモデルがおすすめ。
Apple Pencil(第2世代)に対応
ワイヤレス充電に対応
iPad Pro 11インチは本体にくっ付けてワイヤレス充電ができるApple Pencil(第2世代)に対応し、正面から見て右サイドにApple Pencil 2をくっ付けて充電・ペアリングするための装置があります。

強力な磁石によってApple Pencil 2がガチッと装着されます。振ってもApple Pencilが外れて飛んでいくことはないので、この状態で持ち運びができるんですね。これがホントに便利すぎる。

Apple Pencil(第2世代)をiPad Proにくっ付けることでペアリングも簡単できて装着するたびにバッテリー残量を確認できるようになりました。

iPad AirやiPad(第7世代)で使えるApple Pencil(第1世代)は充電するのにiPadのお尻にブスっと接続しないといけなかったこともあり、しばらく放置して充電が切れてしまうことがありました。
しかし、iPad Pro 11インチとApple Pencil 2なら置き場所がしっかりと確保されていて、ここに置くことで常に充電できるのでバッテリー切れで使えないシーンはかなり減るのではないでしょうか。
ダブルタップでツールを切り替え可能に
Apple Pencil 2は平らになった部分にタッチセンサーを内蔵していて、人差し指でダブルタップをすることでツールを簡単に切り替えることが可能となりました。

「設定」からダブルタップの動作を変更することもできます。
- 現在使用中のツールと消しゴムの切り替え
- 現在使用中のツールと全開しようしたツールの切り替え
- カラーパレットを表示
よく使うツール2つを組み合わせることで快適に使うことができそうです。ただ、個人的には普通にパレットから選択した方がやり易いと思ってしまいました。使い方次第なんでしょうが。
Smart Keyboard Folioに対応
Smart ConnectorはSmart Keyboardと接続するための専用端子でiPadの側面に搭載されてました。

しかし、iPad Pro 11インチはSmart Keyboard Folio(スマートキーボードフォリオ)と接続するための端子が背面パネルの下に移動しています。

Smart Keyboard Folioは構造を完全に見直したカバー兼キーボードです。
背面パネルを上手く使うことでスマートにキーボードが使えるように進化。Smart Keyboard Folioは完全にスマートキーボードとは別物で真のスマートなキーボードになったといって良いでしょう。
iPad Pro 11インチは全体に磁石が仕込まれており、Smart Keyboard Folioを背面パネル全体でくっ付くようになっています。こんな感じでiPad Pro 11とSmart Keyboard Folioが接続されることになります。

従来のiPad Proは本体のサイドのみで接続していたのが、iPad Pro 11で背面パネル全体でSmart Keyboard Folioを接続しているので構造がシンプルになりキーボードスタイルへの組み立ても簡単です。
もちろん、Smart Keyboard Folioを使った状態でもApple Pencil 2をiPad Pro 11インチに装着して充電しながら持ち歩くことができます。

これは…最高じゃないですか!デコボコ部分がなくなってフラットなスタイルになったのでカッコイイですよね!コレだけで持ち歩きたくなるデザインではないでしょうか。
ちなみに、iPad Pro 10.5インチ・iPad AirのSmart Keyboardのスタイルはこんな感じです。

スマートさはあまり感じることができないデザインですよね。まあ、使いやすいんですけど。

iPad Pro 11インチのSmart Keyboard Folioは背面パネル側もしっかりと保護してくれるので傷から完全に守ることができるのが良いところ。

リアカメラの出っ張りも上手くフラットにすることができるので、とてもスマートで良い感じです。従来のSmart Keyboardでは考えられないくらい良くなっています。
画面の角度調整ができる
従来のSmart Keyboardは角度調整ができませんしたが、Smart Keyboard Folioは2段階で画面の角度を変えることができるようになっています。

ただし、右側の角度が直角すぎるので実用的ではないのが気になるところですよね。この角度で作業するシチュエーションがあまり思い付かない。
通常の角度でもiPad Pro 10.5インチのスマートキーボードよりも傾斜が急なので、10.5インチのスマートキーボードの角度に慣れていたら違和感があるかもです。

それにしても、Smart Keyboard Folioって本当に使いやすい。パソコンの蓋を開くのと同じような感覚ですぐにキーボードスタイルに持っていくことができます。最高!

ジェスチャー操作で画面ロック解除をしていますが、キーボードのエンターキーを押すだけでもロック解除ができるので、本当に便利なんですよね。
キーボードモードのみ
ただし、Smart Keyboard Folioはキーボードモードしか使えないので注意です。
従来のSmart Keyboardはスタンドモードやキャンバスモードに変形させることができましたが、Smart Keyboard Folioはキーボードモードオンリーとなっています。
なので、動画コンテンツの方を楽しみたい方は通常のSmart Coverを選ぶことになります。そう考えるとどちらのモードも使うことができるSmart Keyboardの構造ってスゴイのかもしれません。

見た目さえ格好良ければねぇ…。悪くはないんだけどなぁ。なお、iPad Pro 11インチのSmart Keyboard Folioのキーボードにキーピッチは10.5インチとほぼ同じです。

iPad Pro 11インチの方が10.5インチよりも本体サイズが小さいのでキーボードが小さくなるのかなと心配していたのですが、両端の幅をさらに狭くすることで同じキーピッチを維持しているようです。
Magic Keyboardに対応
iPad Pro 11インチはiPad専用のMagic Keyboardに対応し、第1世代でも使うことができます。Magic KeyboardにiPad Proを乗せるだけ接続することができ画面を浮かして作業ができます。

Magic Keyboardはしっかり跳ね返りのあるシザー構造のキーを採用していて快適にタイプできるだけでなく、トラックパッドも内蔵しているのでジェスチャー操作でアプリを切り替えたり、スクロール操作ができるようになっています。

使用感はMacBook Airにかなり近くなった感じがしますね。
Magic Keyboardは2020年モデルのiPad Pro 11インチにデザインを合わせているので、カメラ部分が隙間ができてしまいますが問題なく使うことはできます。

Magic Keyboardはテキストベースの作業で真価を発揮するツールです。Apple Pencilを使うときは基本的にiPad Proを取り外して、Magic Keyboardを折りたたんで、その上に本体を置いて使うことになります。
なので、Apple Pencilを使うことが多いなら向いていないかもですね。
Wi-Fi・セルラーモデルのアンテナライン
iPad Pro 11インチはWi-Fiモデルでも背面パネルの上部にアンテナラインが入っていますが、セルラーモデルになる背面パネルの下部にもう一本アンテナラインが入ります。スペースグレイがWi-Fiモデルで、シルバーがセルラーモデルです。

このアンテナラインはiPhone 7と同じデザインとなっており、そんなに目立つものではないので特に気にする必要はなさそうです。何よりもiPadはセルラーモデルにSIMカードを入れて使うのがとても便利で使いやすいのでおすすめですよ。
USB-Cポートに対応した
iPad Pro 11インチはLightningコネクタが廃止し、MacBookシリーズにも採用されているUSB-Cコネクタが採用しています。

USB-PDの急速充電(18W)に対応するので充電速度が従来のiPadよりも速く充電することができます。
MacBookの充電と兼用も可能に
USB-Cに対応したことで充電アダプタとケーブルをMacBookやMacBook Proと兼用することができるというメリットもあります。
とはいえ、今までiPhoneとiPadで同じLightningケーブルを使って充電していたのが、MacBookとiPadで同じUSB-Cケーブルを使って充電することになるだけなので、ケーブルの本数は減らないですけどね。
SDカードリーダーも接続できる
iPad Pro 11インチはUSB-Cに対応したSDカードリーダーを使ってSDカードのデータを読み出すこともできます。Appleの純正のカードリーダーでなくてもサードパーティ製の安いカードリーダーでもちゃんと使うことができました。

iPad Proでもこのように気軽にデジカメのデータを読み込むことができるようになるので写真現像をするときSDカードリーダーは必須となりますが、MacBookを持ち歩く必要がなくなるので使い方次第では便利になります。
また、USB 3.1のデータ通信に対応してるのでMac/PCとの同期も高速化が期待できますしSDカードからのデータ読み取り速度も向上しているので作業効率が上がることは間違いないでしょう。
iPad Pro 11インチのUSB-Cの規格は詳細は不明ですが、Gen1の5Gbpsに、Gen2に対応していれば10Gbpsの転送速度となります。
USB 3.1(10Gbps)対応SDカードリーダーで約3GBの写真データを転送してみたところ、USB 3.0対応のSDカードリーダーよりもデータ転送速度が高速になっていました。
- USB 3.0対応 SDカードリーダー:1分32秒
- USB 3.1対応 SDカードリーダー:42秒
つまり、iPad Pro 11はUSB 3.1(USB-C Gen2 10Gbps)に対応しているということになるのでしょう。大量の写真データをiPad Proに転送する場合はiPad Pro 11インチは頼もしいパートナーとなりそうです。
2019年にはフルバージョンのPhotoshopも使うことができるようになるし、どんどん使い方が広がっていきますねぇ。
4K/5Kモニターに画面出力もできる
USB-Cに対応した外部モニターであればiPad Pro 11の画面をUSB-Cケーブルを接続するだけで簡単に表示できます。しかも、4Kや5Kモニターといった高解像度モニターへの出力にも対応しています。

ただし、ミラーリング表示なので同じ画面が外部モニターに出力する仕様となっているので、あくまで大きなモニターで作業をしたり、みんなで共有するときにしか使う場面はないのかなと。
今後、MacBookのようにマルチモニター化することもできるようになるらしいので、今後のアップデートに期待したいところです。
4スピーカーの音質は向上した
従来のiPad Pro 10.5も4つのスピーカーを搭載していましたが、iPad Pro 11も同じように本体の上下に4つのスピーカーが内蔵しています。

iPad Pro 11のスピーカーの音質はiPad Pro 10.5よりも確実に良くなっています。低音がよく出るようになったので、ドラムの音などがしっかり再生することができるようになっています。
タブレットに音質を求めるのもおかしな話ですが、安物のワイヤレススピーカーよりも音質はいいと思うのでわざわざ外部スピーカーを買う必要もないです。それだけiPad Pro 11のスピーカーは音質が良くなっています。
CPUプロセッサの性能はバケモノ級に
iPad Pro 11インチに搭載しているA12X Bionicプロセッサは高性能コア4つ、高効率コア4つの計8つのCPUコアを内蔵し、 iPad Pro 10.5インチのA10X Fusionの2倍の性能となった超高性能プロセッサとなっています。
Geekbench 4でA12X Bionicプロセッサの性能を計測してみました。

iPad Pro 11 | iPad Pro 10.5 | |
プロセッサ | A12X Bionic | A10X Fusion |
CPU シングルコアスコア | 4997 | 3948 |
CPU マルチコアスコア | 17939 | 9424 |
GPU(Metal) | 43460 | 29945 |
A12XはA10XよりもCPUの性能がマルチコアで約2倍、GPUの性能が1.6倍ほど向上しているようです。さらにニューラルエンジン(8コア)も搭載しているので、この数値以上に性能が向上していることは間違いないでしょう。
ちなみに、このスコアはMacBook Pro 13インチのCore i5プロセッサ(6コア)と同等の性能となっています。iOSにここまでの性能を何に使えばいいのだろうか…?
AututuでもA12XとA10Xの性能を比較してみました。

iPad Pro 11 | iPad Pro 10.5 | |
プロセッサ | A12X Bionic | A10X Fusion |
CPU | 162728 | 108385 |
GPU | 320773 | 108353 |
UX | 66849 | 48169 |
MEM | 14120 | 8693 |
TOTAL | 564470 | 273600 |
トータルで見て2倍の性能アップとなっていますが、GPUだけで見ると3倍も性能が向上しているようですね。ここまでの性能アップ…使いこなせない。
実際にiMovieの動画書き出し速度を300MBほどの動画で試してみました。
- iPad Pro 11:約42秒
- iPad Pro 10.5:約43秒
- iPad(第6世代):約46秒
- MacBook 2017:約2分16秒
あれ…あまり変わらないんですね。iOS版のiMovieは端末によって性能差があまり出ないように調整されているのかな。となると、プロセッサの性能が高いメリットってなんなんだろう…
とはいえ、MacBookのiMovieの書き出し速度に比べたらiPad Proは高速なので軽く動画編集をするなら恩恵はあるのかもしれません。個人的には2019年リリースされるというPhotoshopのフルバージョンが出たらiPadの使い方が大きく変わるんじゃないかなぁと期待しています。
カメラはスマートHDRを搭載している
iPad Pro 11のカメラはスペック上はiPad Pro 10.5とほぼ同じですが、光学式手ぶれ補正機能は非搭載となりました。
iPad Pro 11 | iPad Pro 10.5 | |
リアカメラ | 1200万画素、ƒ/1.8、5枚構成のレンズ、4K60P対応、スマートHDR | 1200万画素、ƒ/1.8、6枚構成のレンズ、4K30P対応、光学式手ぶれ補正機能、HDR |
フロントカメラ | 700万画素、ポートレートモード対応、Face ID | 700万画素 |
今まで搭載していた機能が省かれるって珍しいことですが、本体が薄くなったことでパーツを置くスペースの確保ができなかった…のかもしれませんね。iPad Proで写真撮影や動画撮影をすることはあまりないので気にしなくても良いのかな。
ちなみに、カメラがめちゃくちゃ大きくなったように見えます。見えますというか確実にデカくなっています。

でも、Smart Keyboard Folioと組み合わせればこのカメラも格好良くなるので全く問題なしです。(Smart Keyboard Folioを使うことを前提としていますね…w)

iPad Pro 11のカメラはiPhone XSやXRにも搭載しているスマートHDRには対応しているので、逆光のあるシーンではiPad Pro 10.5インチよりもiPad Pro 11インチのカメラの方が被写体を明るくキレイに撮影することができます。

光学式手振れ補正があるけどスマートHDRに対応していないiPad Pro 10.5インチ、光学式手振れ補正がないけどスマートHDRに対応しているiPad Pro 11インチ。どっちが良いのかな。
顔認証・Face IDが360°全方位で対応している
iPhone 11など最新iPhoneのFace IDは横持ちには対応してませんが、iPad Pro 11のFace IDは360°全方位で対応しているので、縦持ちだけではなくスマートキーボードを使っている時でもFace IDで顔認証ができます。
90°・180°といったきっちりとした角度だけではなくどの角度でも顔認証をすることができるのが素晴らしいです。これはiPad Pro 11の斜め上から眺めながらFace IDを使ってロック解除をしているのです。

このような訳の分からない角度からもiPad Pro 11インチのFace IDなら快適に顔認証できるので、この快適さを知ってしまうとTouch IDにはもう戻ることができないですね。
iPhoneにも同じ仕様のFace IDを搭載して欲しい。アップデートで対応できると嬉しいのですが、今のところ搭載に至っていませんね。iPhone 12で期待したいところではありますが。
なお、縦画面でiPad Proを使う場合は画面上にあるTrueDepthカメラを下側手前に来るようにして持った方が顔認証の成功率がぐんと上がります。
特にテーブルの上に置いて使う場合はがTrueDepthカメラが上にあると認識しないことがありますが、下側にすることで認証率を大幅に上げることができますよ。
iPad Pro 11インチ レビュー:まとめ

iPad Pro 11インチはホームボタンを廃止して360°全方位の顔認証に対応したFAce IDを搭載した新世代のiPad Proです。
- 11インチサイズがちょうど使いやすい
- Face IDがどの方向からでも認証できる
- 高性能なスペックで動画編集もできる
- USB-C対応のカメラと接続してデータ転送できる
- Apple Pencilを本体にくっつけて充電できる
- Smart Keyboard Folioがホントにスマート
画面サイズを大きくしつつ本体の大きさを維持してるのはホントにいいですよね。スペックが低いモバイルノートPCよりも高性能なプロセッサを搭載しているので動画編集もこなすことができるし、Smart Keyboard Folioを使えばキーボードで作業することもできます。
- スペースグレイは塗装が剥げやすい
- 端末価格が少し高いかも
2018年モデルのiPad Proのスペースグレイは色が濃くなったおかげで塗装が剥げやすいというデメリットがあるので注意しましょう。
予算に制限がないのであれば迷いなくiPad Pro 11インチモデルを選べば問題はありません。でも、やっぱり端末価格は高いのですよね。タブレットとしてはiPad Pro 10.5インチやiPad Airで完成しているので、無理してiPad Pro 11インチを選ぶ必要はないでしょう。
モデル | iPad Pro 11 | iPad Pro 10.5(整備済製品) | iPad Air3 |
---|---|---|---|
64GB | 89,800円 | 50,800円 | 54,800円 |
256GB | 106,800円 | 64,800円 | 71,800円 |
512GB | 128,800円 | 83,800円 | – |
1TB | 172,800円 | – | – |
Apple Pencil 2、Smart Keyboard Folioも値上げしてますし、全部揃えるとなると結構な金額になってしまいます。だからといってiPad Pro 11じゃないと出来ないことは一つもありません。
iPad Pro 10.5インチはAppleの整備済製品・旧モデルで通常よりも安い価格で手に入れることができます。
iPad Air 3とiPad Pro 10.5インチはスペックはほとんど同じですが、細かいところが違うので気になる方はこちらの比較をどうぞ。
ただ、iPad Pro 11の方がスタイルが格好良くてちょっと使いやすくなっているだけです。それでも、iPad Pro 11インチモデルが欲しい…と思うのなら迷わずポチりましょう。所有している喜びを味わうことができます。
なお、定期的にはApple公式サイトで販売をしているiPad整備済製品を買うのもおすすめです。
同時リリースされたiPad Pro 12.9(第4/3世代)のレビューもあるので、どちらがイイか参考にしていただければ幸いです。
iPad Pro 11インチと12.9インチの比較レビューもあります。どちらのモデルを選ぶべきか迷っている方はぜひ参考になったら幸いです!
iPadの比較・おすすめはこちらです。
iPad AirやiPad(第7世代)のレビューもあります。
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