iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)の性能がスゴイ…。iPad Pro 11インチ(第3世代)はタブレットを超えたハイエンドなiPad Proです。
iPad Pro 11インチ(第3世代)は従来モデルと筐体デザインはそのままにSoC(システムオンチップ)にMacで採用しているAppleシリコンのM1チップを搭載して大いなるパワーを手に入れた1台です。
ということで、この記事ではiPad Pro 11インチ(第3世代・2021)のレビューをして実際に使ってどうなのかメリット、デメリットも書いています。
従来モデルのiPad Pro 11インチ(第2世代・2020)からどう進化したか比較しているので購入を検討している方は参考にしてください。
- 11インチは扱いやすいサイズで最高です
- M1チップによる高速化は意外と体感できる
- 大容量メモリで重いアプリも動作する
- ステージマネージャでウィンドウ操作対応
- 電池持ちは少しだけ向上している
- USBの通信速度が1.2倍向上している
- 4スピーカーオーディオの音質向上
- 5G通信に対応している(セルラーモデル)
- 代わり映えしない
- 指紋認証に対応していない
- マスクしてると使えない
iPad Pro 11インチ(第3世代)はiPad Pro 11インチ(第4世代)の発売開始で販売終了となりましたが、イオシスでは92,800円〜で販売しているので少しでも費用を抑えるならおすすめです。
この記事の目次
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)特徴
- 11インチ Liquid Retina(液晶)ディスプレイ
- 解像度:2,388 × 1,668ピクセル
- リフレッシュレート:120Hz(ProMotionテクノロジー)
- SoC:M1、メモリ:8GB、ストレージ:128GB〜
- 超広角〜広角で写真・動画の撮影ができる
- 超広角インカメラでセンターフレームが使える
- Thunderboltに対応で最大6K出力まで
- 4スピーカーオーディオの音質が向上
- セルラーモデルは5Gに対応
- 端末価格:94,800円〜
- 発売日:2021年5月21日
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)はFace IDの顔認証に対応したフルディスプレイを搭載し120HzのProMotionテクノロジーに対応したプロモデルで、2021年モデルはMacに搭載していたM1チップを採用し性能が大幅に向上しています。
筐体デザインは基本的に2018年モデルと同じで2020年のデュアルカメラ + LiDARスキャナを搭載したモデルと同じスタイルで現状に満足しているなら乗り換える必要性は少ないです。
心臓部となるSoC(システム・オン・チップ)がMacに採用しているM1チップを搭載しメインメモリが8GBに増えたことで性能が大きく向上しています。
「iPadにここまでの性能が必要なのか..?」
…と思ってしまいますが、実際に使ってみるとアプリの動作、表示が従来モデルと比べてもワンテンポ速くなっているので体感で速くなったと感じられて、とにかくストレスフリーでiPadを操作できるようになりました。
従来モデルでもストレスなかったのでオーバースペックと言ってしまえばそれまでですが、AdobeのIllustratorなどクリエティブアプリは従来モデルで動作がモタついてました。
そんな中で、iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)はストレスなくスムーズに動くのでクリエイターにとっては今回のM1を搭載したiPad Pro 11インチは最高のアップデートとなっています。
2022年秋に配信されるiPadOS 16でステージマネージャの新機能が追加されてマルチウィンドウでiPadを操作できるようになります。
さらに、外部モニターびフルサポートによって作業領域の拡張もできます。iPadで最大4つ、外部モニターで最大4つのアプリを同時にマルチタスクできます。
このステージマネージャはM1を搭載しているiPad限定の機能なのでiPad Pro 11インチのポテンシャルが大きく向上することになります。
iPad Pro 11インチ(第3世代)レビュー・評価
本体デザインは変わらず
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)は正面デザイン、背面デザインともに従来モデルを踏襲しており左右均一のベゼルのフルディスプレイスタイルを採用しています。
背面側のリアカメラのデザインの違いはあれど3世代ともほぼ同じデザインといったいいでしょう。iPad Pro 11インチ(第3世代)はアルミボディを採用し角の立ったフラットエッジなスタイルとなっています。
モデル | iPad Pro 11インチ(第3世代・2021) | iPad Pro 11インチ(第2世代・2020) |
---|---|---|
高さ | 247.6mm | |
幅 | 178.5mm | |
厚さ | 5.9g | |
重量(Wi-Fi) | 466g | 471g |
重量(セルラー) | 468g | 473g |
大きさは全く同じですがiPad Pro 11インチ(第3世代)の重量は5gほど軽量化しています。内部パーツの最適化が進んだのかもしれませんがほぼ同じですね。
筐体デザインは従来モデルと同じで画面右上に電源ボタン、音量ボタンを搭載しています。
筐体の上部にはスピーカー、マイクの穴があります。
筐体の下側にもスピーカーの穴が、充電用のUSB-Cポートを搭載しています。
Apple 20W USB-C電源アダプタとUSB-C充電ケーブル(1m)が同梱しています。
この電源アダプタとケーブルを使ってiPad Pro 11インチを充電します。急速充電に対応しているので30Wなど出力の高い電源アダプタを使うことでより素早く充電することもできます。
iPadを使ってるとiPhoneも同時充電したくなりますが、2ポート充電ができるAnker 521 Charger (Nano Pro) があると便利な充電環境を手に入れることができます。
充電ケーブルはAnker PowerLine Ⅲ Flowが柔軟性のあるケーブルで絡まりにくいのでとても使いやすいです。
本体の横側にはApple Pencil(第2世代)を装着、充電するための充電パッドを搭載しています。
ここにApple Pencil(第2世代)をくっ付けるだけで自動的にペアリングと充電をしてくれる最高の仕組みとなっています。iPad本体とApple Pencilをそれぞれ別で持ち運ぶ必要がないので紛失することもないですし、すぐに使い出せるのがいいところ。
ディスプレイの仕様も同じ
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)は11インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載しています。
12.9インチはミニLEDバックライトを内蔵した液晶を搭載していますが、11インチの方は従来モデルと同じLEDバックライトのままとなってます。
モデル | iPad Pro 11インチ(第3世代・2021) | iPad Pro 11インチ(第2世代・2020) |
---|---|---|
パネル | Liquid Retina(LEDバックライト) | |
解像度 | 2,732 × 2,048ピクセル | |
最大輝度 | 600ニト(標準) | |
仕様 | 120Hzリフレッシュレート(ProMotion)、広色域ディスプレイ(P3) 、True Toneディスプレイ、耐指紋性撥油コーティング、フルラミネーションディスプレイ、反射防止コーティング |
とはいえ、普通の使い方ではミニLEDバックライトとLEDバックライトの違いはそんなにないのでスペックアップしなくて良かったのかもしれません。価格もほぼ据え置きですし。
タブレットとしてiPadを使うなら11インチというサイズ感はとてもいいです。
小さすぎない、大きすぎない丁度いい画面サイズで手元の中で自由にブラウジングをしたり、Twitterをしたり、電子書籍を読むことができます。12.9インチだとタブレットとして使うには大きいと感じてしまうことがやっぱり多いので11インチはタブレットとしては最強の画面サイズといっていいです。
もちろん、Split View(2画面表示)にしても十分な表示エリアを確保できるので動画を見ながらTwitterをするといった使い方も快適にすることができます。
iPad Pro 11インチは120HzのリフレッシュレートのProMotionテクノロジーに対応しているので、スクロールが滑らかでぬるぬる操作できます。
iPad Proは画面のスクロール時の残像が少なくてクッキリとした画面で操作できるので、画面がとにかく見やすいです。
iPad Pro 11インチはApple Pencil(第2世代)を使ってメモ、ノートを取ったり、お絵描きができます。ProMotionテクノロジーに対応しているのでペンの追従性がiPad Airよりも追従性が高くなっております。
イラストをじっくり書くくらいでは違いに差を感じませんが、メモを取ったりするときに速筆するとiPad Proの方が明らかにしっかり素早く追従してくれるの違和感なくさささっと文字を書くことができます。
メモ書きなど素早く文字を書きたい方にProMotionテクノロジーに対応しているiPad Proはおすすめです。
生体認証はFace ID(顔認証)に対応
iPad Pro 11インチ(第3世代)は顔認証のFace IDに対応しています。
顔を登録しておくことによって顔を向けて視線を送ることで画面ロック解除することができますし、Smart KeyboardやMagic Keyboardを使うことでキーをタイピングするだけで画面ロック解除もできるので快適に使うことができます。
ただし、指紋認証には非対応となっています。近年はマスクをすることが当たり前の世の中なので、外でiPad Pro 11インチを使うことがあるとパスコードを毎回入力することになるので使いにくさを感じることはあります。
SoCの動作速度と性能
iPad Pro 11インチ(第3世代)のSoC(システム・オン・チップ)はMacに採用されているAppleシリコンのM1チップを搭載しています。
M1チップはiPhone 12シリーズのA14 BionicをベースにしたSoCでMac向けに最適化されたチップで、iPad Proにもこの高性能なM1チップが採用されて超快適に使うことができます。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
SoC | M1 | A12Z Bionic |
CPU | 8コア(4+4) | 8コア(4+4) |
GPU | 8コア | 8コア |
Neural Engine | 16コア(毎秒11兆回) | 8コア(毎秒5兆回) |
RAM | 8GB or 16GB | 6GB |
SSD | 128/256/512GB 1TB/2TB |
128/256/512GB/1TB |
プロセスルール | 5nm | 7nm FinFET |
トランジスタ数 | 160億個 | 100億個 |
従来の100億のトランジスタ数だったA12Z BionicからM1チップは169億と1.7倍も多く、M1チップはA14 BionicをベースとしたSoCでよりCPUとGPUの性能を強化したチップとなっています。
Apple公式によるとCPUの性能が50%向上、グラフィックの性能が40%も向上しているとしています。
では、実際にどれくらいの性能となっているのかGeeknbench 5でiPad Pro 11インチ(第3世代・2021)のM1チップの性能を計測してみました。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
SoC | M1 | A12Z Bionic |
メモリ | 8GB | 6GB |
シングルコア | 1706 | 1113 |
マルチコア | 7311 | 4686 |
GPU(Metal) | 20370 | 12297 |
シングルコアCPUで1.6倍、マルチコアCPUで1.6倍、GPUは1.8倍も性能が向上しているようです。これはM1チップを搭載しているMacBook Pro 13インチ、Mac miniとほぼ同じ数値となっているためMacの性能がそのままiPad Proに乗ってしまったようですね。これは凄い…。
Antutuによる性能比較もしてみました。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
SoC | M1 | A12Z Bionic |
メモリ | 8GB | 6GB |
総合 | 1026302 | 701414 |
CPU | 268402 | 184410 |
GPU | 533009 | 360529 |
MEM | 121155 | 79941 |
UX | 103736 | 76734 |
ついに、iPad Proも100万点超に。A12Z Bionic → M1になることでトータルで1.4倍、CPUが1.6倍、GPUが1.5倍、MEMが1.5倍も性能が向上しています。
ベンチマークの中に3Dグラフィックの性能を計測する雪のステージはかなり動作が重くなってしまうのですが、M1チップを搭載しているiPad Pro 11インチ(第3世代)の方が明らかに滑らかに動作していました。
ただ、実際のゲームでこの違いを感じることはおそらく難しいです。実際にPUBGモバイルをプレイし比べてみましたが動作に差は出てこません。
ただ、同じリソースのゲームを動かすためのパワーはA12ZよりもM1チップの方が余裕があってバッテリーの持ちはA12ZのiPad Pro 11インチ(第2世代)よりもM1のiPad Pro 11インチ(第3世代)の方が上になっています。
少ないパワーでゲームを動かすことができるようになっているのでしょう。より長くゲームを楽しむことができます。
ブラウジング、Twitter、App Storeの起動をM1のiPad Pro 11インチ(第3世代)とA12ZのiPad Pro 11インチ(第2世代)で比較してみました。
M1のiPad Pro 11インチ(第3世代)の方が表示がワンテンポ速くなっていますよね。
これ、体感で違いを感じるくらいなのですごい。システム全体で1.4倍も性能が向上していることもあり、その差をある程度感じることができるのかもしれません。
また、Wi-Fi性能は従来と同じですが、データのダウンロード速度も向上していました。PUBGモバイルのアプリをダウンロードしてみたところM1モデルは3分45秒、A12Zモデルは4分05秒でした。
illustratorの動作も軽々動くようになった
AdobeのIllustratorはMac/Winで使うものでしたが、少し前にiPadにもIllustratorのアプリが使えるようになって、Macで作ったデータを開いて作業をすることもできるようになりました。
ただ、画像の多いデータ、パスが複雑なデータになってくるとA12ZのiPad Pro 11インチ(第2世代)でも動作がモタついてしまい使いモノにならなかったんですね。
しかし、M1チップを搭載したiPad Pro 11インチ(第3世代)ならサクサク動作させることが可能になりました。
左がM1チップ、右がA12Zチップで、A12ZのiPad Proだと描画が追いつかず固まってしまうのが、M1のiPad Proだとそれなりに滑らかに動作できています。
このようなデータをiPadで作ることは基本的にアウトプット含めてしないとは思いますが、M1チップを搭載したことで動作が快適になったという事実は確かです。
動画編集の快適さについて
動画編集といえばLumaFusionです。
従来のA12Z Bionicを搭載したモデルも快適に編集作業できましたが、4K動画になってくるとたまに考え出して動作がモサる時がありました。
そんな中で、M1チップを搭載したiPad Pro 11インチ(第3世代)ならフリーズすることなく快適に使うことができます。
M1チップの性能アップはもちろんですが、メインメモリが6GB → 8GBになったのも大きいのかもしれません。
ただし、動画の書き出し速度はほとんど変わりません。ここはもっと威力を発揮して欲しいところではあるんですけどね…。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
SoC | M1 | A12Z Bionic |
メモリ | 8GB | 6GB |
4K動画(10分) | 7分20秒 | 7分25秒 |
6分ほどの4K60fpsの動画データを同じように書き出しするとA12Z BionicのiPad Pro 11インチ(第2世代)は7分25秒だったのに対して、M1のiPad Pro 11インチ(第3世代)は7分20秒で書き出し完了しました。
たった5秒。たった5秒だけM1チップの方が速いです。
A12Z → M1であれだけ性能が向上したのに動画書き出し時間は変わらないのは残念ですよね。ソフトウェアでエンコードしているから速度があまり変わらない…ってことなんでしょうかね。
USB 4 / Thunderboltに対応
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)は従来モデルと同じようにUSB-Cポートを搭載していますが、中身が進化しており、USB 3.1(Gen2)→ USB 4になってThunderboltにも対応し最大40Gbpsの高速通信が可能となっています。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
ポート | USB-C | USB-C |
対応規格 | USB 4 / Thunderbolt | USB 3.1 Gen2 |
通信速度 | 最大40Gbps | 最大10Gbps |
画面出力 | 最大6K解像度 | 最大4K解像度 |
M1チップがThunderboltコントローラーを内蔵し、iPad ProでもThunderboltによる高速通信ができるようになりました。通信性能が10Gbps → 40Gbpsに向上しただけでなく最大6Kの画面出力ができるようになっています。
SDカード → 内蔵SSDの転送速度
iPad Pro 11インチ(第3世代)はデータ転送速度が10Gbps → 40Gbpsと大幅に高速化しているので従来のモデルよりも素早くデータ転送ができるはず。ケーブルや周辺機器が対応している必要はありますが。
ということで、動画編集を想定し撮影した動画データをUHS-Ⅱ対応のSDカード → UHS-Ⅱ SDカードリーダー → iPad Pro 11インチで接続して4GBの動画データをどれくらいの時間で保存できるか計測してみました。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
USB-C | USB 4 / Thunderbolt | USB 3.1 Gen2 |
SanDisk UHS-Ⅱ(4GB) | 約27秒 | 約28秒 |
SanDisk UHS-Ⅱ(1GB) | 約7秒 | 約8秒 |
誤差範囲と言ってしまえばそれまでですが、ほんのわずかM1のiPad Pro 11インチ(第3世代)の方が速くデータを転送可能です。
ちなみに、iPad Pro 11インチ(第4世代)は128GB、256GBモデルのSSDがおそらくワンチップになった影響で転送速度が低下しています。
内蔵SSD → 外付けSSDの転送速度
本体ストレージに保存していた動画データを外付けSSDに移動させてどれくらいの時間でデータ移動できるか試してみました。
通常のSSDとNVME M.2の高速SSDで比較しています。
モデル | iPad Pro 11(第3世代・2021) | iPad Pro 11(第2世代・2020) |
---|---|---|
SoC | M1 | A12Z Bionic |
SanDisk Extreme E60 | 約1分35秒 | 約2分09秒 |
NVMe M.2 SSD | 約18秒 | 約22秒 |
内蔵ストレージから外付けSSDへの移動はA12ZのiPad ProよりもM1のiPad Pro 11インチ(第3世代)の方が素早くデータ転送できているのがわかります。
4GBのデータを移動させるのに2分9秒かかっていたのが1分35秒で済むのは大きな違いとなります。また、NVME M.2 SSDだと20秒ほどでデータ移動ができたことに驚きを隠せません。
M.2 SSDはとにかくデータ転送速度が高速なので動画データを扱うのならおすすめです。いずれにしても、iPad Pro 11インチ(第3世代)はUSB 4 /Thunderboltに対応したことでデータ転送速度が高速になっていることは間違いなさそうです。
広角 +超広角のデュアルカメラを搭載
iPad Pro 11インチ(第3世代)は広角 + 超広角のデュアルカメラ、被写体の距離を計測できるLiDARスキャナを搭載しています。
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021) | iPad Pro 11インチ(第2世代・2020) | |
リアカメラ | 広角:1200万画素・F/1.8 超広角:1000万画素・F/2.4 LiDARスキャナ |
|
フロントカメラ | 1200万画素超広角・F/2.4・センターフレームに対応、TrueDepth | 700万画素超広角・F/2.2、TrueDepth |
高画質技術 | スマートHDR3 | スマートHDR |
リアカメラの仕様は従来モデルと全く同じですが、SoCがA12Z BionicからA14 BionicベースのM1チップになったことでISP(画像処理プロセッサ)も進化。ニューラルエンジンを使ってシーンを判断して明るさ、色合いを調整してくれるスマートHDR3に対応しているので、従来モデルよりもキレイな写真が撮影できるようになっています。
カメラの画質は向上している
iPad Pro 11インチ(第3世代)と(第2世代)のリアカメラで画質が違うのかを比較してみました。
まずは1200万画素・F/1.8の広角カメラです。
同じカメラでありながらもiPad Pro 11インチ(第3世代)の方が明るくて明瞭な写真に仕上がっているのがわかります。
部分拡大をしてみると、画質の違いがよく分かりますね。また、超広角カメラは1000万画素のイメージセンサーを搭載していますが、iPad Pro 11インチ(第3世代)の方が明るく描画できています。
こちらも部分拡大をしてみましたが、iPad Pro 11インチ(第3世代)の方がよりクッキリとした画質になっているのがわかります。
暗所撮影の比較もしてみました。iPad Pro 11インチ(第3世代)はM1チップを搭載していますが、従来モデルと同じようにナイトモードには対応しておりません。
しかし、従来モデルよりも明るく撮影できるので夜間撮影に強くなっています。
超広角カメラもほんのわずかですが、明るく撮影できるようになっているようです。
従来モデルの超広角カメラは写真の四隅が歪んでしまっていたのがiPad Pro 11インチ(第3世代)はレンズ補正をソフトウェアで入るようになったため、違和感のない写真に仕上げることも可能となっています。
まあ、iPad Proで写真撮影ってするんでしょうかね。格安スマホとiPad Proの組み合わせで使っているという方であれば恩恵はあるのかもしれませんが、iPhoneを持ってるとどうしても使い道がなくなっちゃいますよね。
インカメラはiPad Pro 11インチ(第2世代)は700万画素・F/2.2の広角カメラでしたが、iPad Pro 11インチ(第3世代)は1200万画素・F/2.4の超広角カメラに変更となっているため、より広く自撮り写真、動画を撮影することができます。
もうちょっと顔をアップにしたいというシチュエーションでも超広角カメラからクロップで撮影して今までと同じ画角で撮影することもできます。
iPad Pro 11インチ(第3世代)はM1チップに内蔵しているSiP(画像処理エンジン)とスマートHDR3の恩恵によりレンズが暗くなっているのにも関わらず全体的明るく背景の白トビを抑えながらも顔が明るくなります。
リモートワークが当たり前の世の中になりつつある中でインカメラの画質向上は嬉しいですよね。動画撮影をする方にとっても使いやすいカメラになっているのかなと思います。
なお、リアカメラに搭載しているLiDARスキャナは被写体の距離を計測できるセンサーとなっておりiPad Pro 11インチ(第2世代)から搭載していますが、ARのアプリを使うことが多いなら活用することはできるでしょう。
インカメラは超広角、センターフレームに対応
iPad Pro 11インチ(第3世代)のインカメラの超広角カメラはただ広く撮影できるだけではなくセンターフレームという新しい機能も使うことができます。
センターフレームはビデオ通話中に顔がフレームにしっかりと収まるように自動的に追従してくれる機能となっているので、動き回りながら(?)リモートワークをする方におすすめの機能です。
超広角カメラで全体を捉えつつソフトウェアでズームし左右に移動させつつ顔を追従してるようです。これは、ビデオ通話を使うときにかなり便利な機能ですね。ただし、アニ文字を使うとセンターフレームを使うことができないので注意です。
アニ文字に対応してくれたら使い方の幅は広がりそうですよね。なお、FaceTimeだけでなくサードパーティ製の一部アプリでもセンターフレームを使うことができるようになっており、オンライン会議アプリのzoomはセンターフレームに対応しています。
ぬるっと動いて酔いそうでした。
iPad Pro 11インチ(第3世代)と従来モデルの違いはA12Z Bionic → M1チップになっただけなので、チップの電力効率の差がバッテリー消費量の違いとして現れてきます。
ゲームのPUBGモバイルを30分遊んでみたところA12ZのiPad Pro 11インチ(第2世代)は12%消費していたのに対して、M1のiPad Pro 11インチ(第3世代)は8%のバッテリー消費量に抑えられていました。
A12Z Bionicは7nmのプロセスルールとなっていますが、M1は5nmというさらに微細化しているため全体的に電力効率が良くなっているのでしょう。YouTubeの閲覧はどちらのモデルも電池消費量は同じだったのでGPUの電力効率が向上しているのかもしれません。
また、Magic Keyboardを接続しての執筆作業(Safari)の電池持ちもほんの少しだけ向上しているようです。使い方の違いは多少あるかもしれませんが高性能になったのに電池持ちがほぼ同じなのはいいですね。最高です。
内蔵スピーカーの音質が向上
iPad Pro 11インチ(第3世代)は4スピーカーオーディオを搭載し縦持ち、横持ちともに向きを判別して自動的にL-Rチャンネルのステレオサウンドで音楽を楽しむことができます。
iPad Proの4スピーカーは下左右が低中音域、上左右が高音域の音が鳴るように向きを自動判別している斬新なシステムですが、iPad Pro 11インチ(第3世代)はスピーカー部分が新しくなって音質が向上しています。
スピーカーの穴が大きくなって数が少なくなっているのですが、音質が従来モデルと異なるのでスピーカーユニットの改良が実施された可能性が高いでしょう。
iPad Pro 11インチ(第2世代)の内蔵スピーカーは低音と高音がしっかりと鳴る素晴らしいものでしたが、中音域が少し沈んだような音質でしたが、iPad Pro 11インチ(第3世代)は中音域の臨場感が向上しています。
中音域の再現力を手入れたことで艶のあるボーカルの声を楽しむこともできますし、映画など音にこだわるコンテンツもより迫力のサウンドとなっています。まさか、内蔵スピーカーの改良も行われているとは思ってなかったので嬉しいアップデートです。
バッテリーの持ちは向上している
iPad Pro 11インチ(第3世代)と従来モデルの違いはA12Z Bionic → M1チップになっただけなので、チップの電力効率の差がバッテリー消費量の違いとして現れてきます。
ゲームのPUBGモバイルを30分遊んでみたところA12ZのiPad Pro 11インチ(第2世代)は12%消費していたのに対して、M1のiPad Pro 11インチ(第3世代)は8%のバッテリー消費量に抑えられていました。
モデル | iPad Pro 11インチ(第3世代) | iPad Pro 11インチ(第2世代) |
---|---|---|
SoC | M1 | A12X Bionic |
メモリ / ストレージ | 8GB / 128GB | 6GB / 128GB |
バッテリー容量 | 28.65Wh | |
PUBG 30分プレイ |
61% → 53% 8%消費 | 63% → 51% 12%消費 |
原神 30分プレイ |
58% → 46%(12%消費) | 71% → 59%(12%消費) |
YouTube 1時間視聴 |
51% → 39%(12%消費) | 53% → 37%(12%消費) |
SoCのプロセスルールはA12Z Bionicは7nm、M1は5nmと微細化し全体的に電力効率が向上したのでしょう。原神は電池持ちは同じでしたがPUBGモバイルはM1の方がバッテリーライフは長かったです。
また、Magic Keyboardを接続しての執筆作業(Safari)の電池持ちもほんの少しだけ向上しているようです。使い方の違いは多少あるかもしれませんが高性能になったのに電池持ちがほぼ同じなのはいいですね。最高です。
対応している周辺機器について
iPad Pro 11インチ(第3世代)は以下の周辺機器を使うことができます。
- Apple Pencil(第2世代)
- Smart Folio
- Smart Keyboard Folio
- Magic Keyboard
Smart Folioは本体と画面を守るためのカバー、Smart Keyboard Folioはカバー兼キーボードで外でキーボード入力をする作業がある時に使える周辺機器となっています。
Magic Keyboardは画面を浮かせることができ目線を上げることができ長時間の作業も絶えることができる環境を手に入れることができます。さらに、トラックパッドを内蔵しているのでパソコンみたいな感じでカーソル操作することもできます。
ただし、Magic Keyboardを組み合わせるとそこそこ重くなるので少しでも軽く取り回すを良くしたいのならSmart Keyboard Folioとの組み合わせて使うのがおすすめです。
iPad Pro 11インチ(第3世代)は手書きでノートを取ったり、イラストを描いたりするならApple Pencil(第2世代)を使うことができます。
ディスプレイは同じなのでApple Pencilの書き心地は従来モデルと変わりありません。120HzのリフレッシュレートのProMotionテクノロジーに対応しているので追従性の高い書き心地を実現しています。
ポインティングデバイスとしても快適に使うことができます。
iPad Pro 11インチ(第3世代)端末価格
iPad Pro 11インチ(第3世代)の端末価格は従来モデルと比較して1,500円アップの値上げとなっていますが、おそらく為替の影響で値上がりした感じです。
iPad Pro 11インチ(第3世代) | iPad Pro 11インチ(第2世代) | |
128GB | 94,800円 | 93,280円 |
256GB | 106,800円 | 105,380円 |
512GB | 130,800円 | 129,580円 |
1TB | 178,800円 | 153,780円 |
2TB | 226,800円 | – |
1TBモデルはメインメモリが8GBではなく16GBになるため25,000円ほどの値上げとなり2TBモデルは226,800円とかなり高額な端末となります。
普通の使い方であれば8GBのメインメモリがあれば十分快適に使えるので16GBのメモリ欲しさに1TBのモデルを選ぶ必要はないかと思います。
ただ、動画編集をiPadでガッツリやろうと思ったら1TBのストレージ容量が必要となったりするので、おまけで16GBのメモリが付いてくる、ラッキーと思うくらいがいいのかなと。
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)のスペック
ディスプレイ | 11インチ(2,388 × 1,668ピクセル) Liquid Retinaディスプレイ(液晶) ProMotionテクノロジー(120Hz) 最大輝度:600ニト 広色域(P3)、True Tone、フルラミネーションディスプレイ |
---|---|
SoC | M1チップ 8コアCPU(高性能コア4 + 高効率コア4) 8コアGPU Neural Engine(16コア) |
メインメモリ | 8GB/16GB(1・2TB SSDを搭載モデル) |
ストレージ | 128GB・256GB・512GB・1TB・2TB |
生体認証 | Face ID(顔認証) |
リアカメラ | 広角:1200万画素・ƒ/1.8 超広角:1000万画素・ƒ/2.4 深度:LiDARスキャナ スマートHDR 3、Live Photos、4K 60fps動画撮影、HDR 10撮影対応(最大30fps)、1080p 120/240fps スローモーション、ステレオ録音 |
インカメラ | 超広角:1200万画素・ƒ/2.4 TrueDepthカメラ、センターフレーム対応 |
オーディオ | 4スピーカーステレオスピーカー |
通信性能 | Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.0、5G通信、eSIM対応(セルラーモデルのみ) |
バッテリー | 28.65Wh |
ポート | USB-C DisplayPort、Thunderbolt 3(最大40Gb/s)、USB 4(最大40Gb/s)、USB 3.1 Gen 2(最大10Gb/s) |
サイズと重量 | 178.5 × 247.6 ×5.9mm Wi-FIモデル:466g セルラーモデル:468g |
価格 | Wi-Fiモデル:94,800円〜 セルラーモデル:112,800円〜 |
本体カラー | シルバー、スペースグレイ |
発売日 | 2021年5月21日 |
iPad Pro 11インチ(第3世代・2021)レビュー・評価:まとめ
iPad Pro 11インチ(第3世代)のメリット
iPad Pro 11インチ(第3世代)はタブレットとして使いやすい丁度いいサイズの端末となっています。なおかつ、Macにも搭載されている超高性能のM1チップによって動画編集やデザイン作業といった高負荷な作業も快適に使えるようになります。
- 11インチは扱いやすいサイズで最高です
- M1チップによる高速化は意外と体感できる
- 大容量メモリで重いアプリも動作する
- ステージマネージャでウィンドウ操作に対応
- 電池持ちは少しだけ向上している
- USBの通信速度が1.2倍ほど向上している
- 4スピーカーオーディオの音質が向上した
- 5G通信に対応している(セルラーモデル)
12.9インチはミニLEDバックライトのディスプレイを搭載するなどいくつか進化している部分がありましたが、iPad Pro 11インチ(第3世代)は基本的に心臓部のSoCとスピーカー部分の変更のみとなっています。
iPadOS 16で対応するステージマネージャーはM1を搭載しているiPadで対応するため、マルチウィンドウで操作したいならiPad Pro 11インチ(2020)以前のモデルから乗り換えるメリットは大きいのではないでしょうか。
iPad Pro 11インチ(第3世代)のデメリット
iPad Pro 11インチ(第3世代)のデメリットはとくにないのですが、強いていうなら従来モデルとほぼ同じで代わり映えしない…ところでしょうか。
- 代わり映えしない
- 指紋認証に対応していない
- マスクしてると使えない
性能は確かに向上しましたが、タブレットとして使う、お絵描きをする程度であれば従来のiPad Pro 11インチ(第2世代・2020)から乗り換える必要性はありません。
また、指紋認証に対応していないのでマスクをしてると毎回パスコードを入力する必要があります。面倒くさいです。
iPhoneのようにApple Watchと連携して画面ロック解除できないのでマスクをして使うことが多いならiPad Air(第4世代)、iPad Air(第5世代)を選んだ方がいいかもですね。
iPad Pro 11インチ(第3世代)がおすすめな人は
iPad Pro 11インチ(第3世代)はとにかく性能の高いタブレット端末なのでクリエイターの方におすすめです。
- 複雑なイラスト制作をしたい
- 4K動画をガッツリ編集したい
- 滑らかにTwitterをしたい
複雑なイラスト制作をしたい、4K動画編集をiPadで完結したいというプロの方におすすめですが、120Hzのリフレッシュレートに対応してるため実はただ単に快適にTwitterを楽むというライトな使い方にも適しています。
TwitterのスクロールだけでもiPad(第9世代)、iPad Air(第5世代)では味えない快感を得られます。
めちゃくちゃ体験レベルが上がるので費用を気にしないのであればiPad Pro 11インチ(第3世代)はおすすめ。
また、フルディスプレイのiPad Pro 11インチを使ったことないならiPad Pro 11インチ(第3世代)はおすすめ。iPad Pro 11インチ(第1世代・2018)のバッテリーがへたってきて新しく端末を買い替えにもいいかもしれないですね。
M1チップになって性能が向上し体感で分かるくらいTwitterのスクロールが滑らかで快適になったのでTwitterをやってる僕からしたらこれだけで乗り換えをして良かったと思えますが、多くの方はここまでのスペックは必要としません。
ただ、2022年秋配信のiPadOS 16でステージマネージャーが使えるようにります。
M1を搭載しているiPadのみで使える新機能でiPadでのマルチタスキングがさらに柔軟に、ウィンドウ操作もできるので作業効率を重視するならiPad Pro 11インチはおすすめです。
[vc]
→ iPadの比較はこちら
https://www.sin-space.com/entry/ipad-osusume
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