
タブレットの代名詞といえばiPadといってもいいくらいiPadを使っている方は多いですが、使う人が多くなればなるほど様々なニーズが生まれるのは当然のことなのかもしれません。
そんな中で、Appleは新世代のiPad AirとしてiPad Air(第4世代)と、エントリー向けのiPadとしてiPad(第8世代)を発売します。
ここでは、iPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)のデザイン・サイズ・スペック・価格を比較しています。どちらも価格を抑えたiPadとなっていますが機能や使いやすさが異なるのでどっちがいいか参考にしていただけたらと思います。
iPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)の比較
スペックを比較
iPad Air 4とiPad 8のスペックを比較してみました。

iPad Air 4はホームボタンを廃止しベゼルレスディスプレイを搭載した端末になっているのに対して、iPad(第8世代)は従来のホームボタンを搭載した端末となっています。
iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
画面サイズ | 10.9インチ | 10.2インチ |
解像度 | 2,360 × 1,640ピクセル | 2,160 × 1,620ピクセル |
生体認証 | 電源ボタン一体型Touch ID | ホームボタンTouch ID |
CPU | A14 Bionic | A12 Bionic |
メインメモリ | 4GB | 3GB |
ストレージ | 64GB・256GB | 32GB・128GB |
リアカメラ | 1200万画素・F/1.8 | 800万画素・F/2.4 |
インカメラ | 700万画素・F/2.2 | 120万画素・F/2.4 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 最大1.2Gbps |
Wi-Fi 5 最大866Mbps |
4G LTE(セルラーモデル) | ギガビット級(30バンド) | ギガビット級(27バンド) |
Bluetooth | 5.0 | |
オーディオ | 2スピーカーステレオ(横向き) | 2スピーカーステレオ |
充電ポート | USB-C | Lightning |
電源アダプタ | 20W USB-C | 12W USB-A |
本体サイズ | 247.6 × 178.5 × 6.1mm | 250.6 × 174.1 × 6.1mm |
重量 | 458g | 456g |
価格 | 69,080円〜 | 38,280円〜 |
iPad Air 4はiPhone 12に採用されるA14 Bionicプロセッサを搭載するなど大幅に性能を向上していますが、iPad(第8世代)もiPad Air 3と同じA12 Bionicを搭載して余裕のある性能に躍進しております。
両モデルともにiPad Pro 11インチ・12.9インチのような120HzのリフレッシュレートのPro Motionテクノロジーには非対応ですが、筐体にくっ付けてワイヤレス充電できるApple Pencil(第2世代)に対応するなどトータルで使いやすくなっています。
意外だったのがオーディオが2スピーカーシステムに対応したことでしょうか。筐体の下側だけでなく上側にもスピーカーの穴があります。

イメージとしてはこんな感じです。

iPad(第8世代)は筐体下に二つのスピーカーを搭載しているのに対して、iPad Air(第4世代)は筐体の上側にもスピーカーを搭載して横向きにすることでステレオサウンドを楽しむことができるようになりました。
映画など動画コンテンツは画面を横向きにして見ることが多いと思うので、このスタイルできちんとステレオサウンドに対応したのは大きいですね。しかも、音質がとてもいいのでとても聴きやすいですよ。
画面サイズを比較
iPad Air 4は10.9インチのLiquid Retinaディスプレイ、iPad(第8世代)は10.2インチのRetinaディスプレイを搭載しています。

iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
画面サイズ | 10.9インチ | 10.2インチ |
解像度 | 2,360 × 1,640ピクセル | 2,160 × 1,620ピクセル |
画素密度 | 264ppi | |
駆動速度 | 60Hz | |
パネル | Liquid Retina(液晶)、最大輝度500ニト |
Retina(液晶)、最大輝度500ニト |
画素密度は264ppiとどちらも同じですが、iPad Air 4は広色域(P3)に光の反射を抑えたフルラミネーションを採用しているので画像や映像の発色がキレイなディスプレイとなっています。

光の反射を抑えられてるだけでなく、液晶と保護ガラスの隙間も狭いのでApple Pencilの書き心地もiPad(第8世代)よりもiPad Air(第3世代)の方がしやすくなっています。

なお、iPad Air 4、iPad(第8世代)ともにリフレッシュレートは60Hzとなっておるので、120Hzでのスムーズな操作をしたいならProMotionディスプレイを搭載しているiPad Pro 11インチを選ぶのがいいでしょう。
iPad(第8世代)の画面比率が4:3なのに対して、iPad Air 4は縦長になり4.3:3になっています。
縦持ちでタブレットとして使うならどちらも同じサイズ感で操作することができますが、横向きにするとiPad Air 4はワイドな画面となりSplit Viewで2画面表示するとiPad Air 3よりも横に表示領域が広くなり作業しやすいというメリットがあります。
筐体デザインを比較

iPad Air(第4世代)は筐体が刷新されてiPad Pro 11インチのような角張ったスクエア型のデザインを採用しています。

ホームボタンが廃止されたこともあり、上下左右対象のベゼルとなりすっきりとしたデザインとなりパッと見た感じはiPad Proと見間違えるくらい統一感のあるスタイルへと変貌しています。

iPad(第8世代)はiPad Air(第1世代)から続いた丸みのある筐体を採用していてホームボタンを搭載しています。このモデルが最後のホームボタンあり端末になるかもしれないですよね。記念に買っておきましょうよ。
iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
画面サイズ | 10.9インチ | 10.2インチ |
本体サイズ | 247.6 × 178.5 × 6.1mm | 250.6 × 174.1 × 7.5mm |
重量 | 458g | 490g |
デザイン | 角張ったスタイル | 丸みのあるスタイル |
画面サイズはiPad Air 4の方が大きいですが、筐体サイズはiPad(第8世代)の方が大きく重いので、いかにiPad Air 4がコンパクトで軽量化されているのかがわかります。まさにAirという名に恥じぬスタイルとなっています。
生体認証の違い
iPad(第8世代)はホームボタンに指紋認証センサーのTouch IDを搭載していますが、iPad Air 4はホームボタンを廃止しトップボタンに指紋センサーを内蔵したTouch IDを使って画面ロック解除ができるようになっています。

iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
生体認証 | トップボタン一体型指紋認証(Touch ID) | ホームボタンに指紋認証(Touch ID) |
電源ボタンに指紋センサーを内蔵しているのはソニーのXperia 1 Ⅱとかが有名ですが、iPad Air 4にも同じように電源ボタン内蔵式の指紋センサーを搭載したことになります。
iPad(第8世代)はTouch ID内蔵のホームボタンを搭載しているのでいつも通りの認証方法で画面ロック解除することができます。
コロナの影響によりマスク装着が当たり前の世の中になりつつあり、顔認証のFace IDだと不便を強いられていたのがiPad Air 4とiPad(第8世代)ならマスクをしている状態でも快適に画面ロック解除することができます。
CPUの性能を比較
iPad Air(第4世代)はA14 Bionic、iPad(第8世代)はA12 Bionicを搭載しています。

A14 BionicはiPhone 12に搭載されるチップで新世代の5nmプロセスで118億個のトランジスタを内蔵し性能を向上しつつ電力効率も向上したチップとなっています。
iPad Air 4 | iPad Air 3 | |
CPU | A14 Bionic | A12 Bionic |
NPU | Neuralengine 16コア(毎秒11兆回) | Neuralengine 8コア(毎秒5兆回) |
メインメモリ | 4GB | 3GB |
ストレージ | 64GB・256GB | 64GB・256GB |
A12 BionicよりもCPUの性能が40%、GPUの性能は30%向上、ニューラルエンジンは70%も速く機械学習ができるようになり、計算処理能力も10倍高速化していて、iPad Air 4はiPad Pro並みの性能を手にしたことになります。
iPad(第8世代)もA10 FusionからA12 Bionicにプロセッサが刷新したことで性能が大幅に向上しています。iPad(第7世代)で少しだけ動作がもたついていたシーンなど快適に使うことができるようになります。
A14 BionicとA12 Bionicの性能の違いをGeekbench 5で比較しました。

iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
CPU | A14 Bionic | A12 Bionic |
シングルコア | 1572 | 1116 |
マルチコア | 4346 | 2630 |
Metal(グラフィック) | 12607 | 5325 |
実際のところ、A12 Bionicを搭載しているiPad Air 3で動作が遅いと感じることは全くありませんが、iPad Air 4を使うことでより快適に動画編集などできるようになるでしょう。
リアカメラを比較
iPad Air 4のリアカメラは1200万画素のイメージセンサーを搭載し出っ張りレンズを搭載しています。iPad(第8世代)は800万画素のイメージセンサーにフラットレンズを搭載しスッキリとしたスタイルとなっています。

iPad(第8世代)のフラットカメラのスタイルが良いというわけではないですが、iPad Air 3まではフラットカメラだったことを考えると、iPad Air 4もフラットカメラを継続して欲しかったところではあります。
iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
リアカメラ | 1200万画素・F/1.8 | 800万画素・F/2.4 |
インカメラ | 700万画素 | 120万画素 |
仕様 | スマートHDR、Focus Pixelsを使ったオートフォーカス、4K撮影(24fps、30fpsまたは60fps)、1080pスローモーション(240fps) | 自動HDR、オートフォーカス、1080p動画撮影(30fps)、720pスローモーション(120fps) |
iPad Air 4のリアカメラは1200万画素の高精細な写真を撮影できるだけでく、白トビを抑えることができるスマートHDRに対応し誰でも簡単にキレイな写真に仕上げることができます。
また、4K動画撮影にも対応しているのでちょっとした動画をiPad Air 4で撮影して動画編集してしまうことも可能となります。
通信性能を比較
iPad Air(第4世代)はWi-Fi 6(802.11a/b/g/n/ac/ax)に対応していて、Wi-Fi 6に対応したルーターを使うことで最大1.2Gbpsの高速通信ができるようになっています。
iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(802.11a/b/g/n/ac/ax) 最大1.2Gbps |
Wi-Fi 5(802.11a/b/g/n/ac) 最大866Mbps |
4G LTE(セルラー) | ギガビット級LTE(30バンド) | ギガビット級LTE(27バンド) |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
iPad(第8世代)よりもiPad Air(第4世代)の方が通信性能が高くなっています。通信速度が速いとブラウザ、SNSの表示速度だけでなくアプリのダウンロードも素早くすることができ、体験レベルをワンランク上げることができます。
iPadをiPhoneを使ってテザリング通信をして外でiPadを使うのもいいですが、起動して瞬時に使うことができるiPadのセルラーモデルは本当に使いやすいのでおすすめです。
充電ポートの違いを比較
iPad Air(第4世代)はLightningポートを廃止してUSB-Cポートを採用しましたが、iPad(第8世代)は従来のLightningポートとなっています。

iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
充電ポート | USB-C | Lightning |
通信速度 | 5Gbps | 480Mbps |
電源アダプタ | USB-C 20W | |
外付けストレージ | ケーブル1本で接続可能 | Lightning – USB 3カメラアダプタで接続可能 |
USB-Cに対応したiPad Air(第4世代)はケーブル1本でカメラと接続してデータ転送ができたり、外付けSSDを接続してデータのやり取りをすることもできるようになりました。

また、iPad(第8世代)のデータ転送速度は480Mbpsなのに対して、USB-Cに対応したiPad Air(第4世代)は5Gbpsの高速通信でデータのやり取りが可能となります。
動画など大容量データを扱うなら間違いなくiPad Air 4を選ぶのが良さそうですね。
対応している外付けキーボードの違い
iPad Air(第4世代)は筐体デザインが刷新したことで基本的にiPad Pro 11インチと同じSmart Keyboard Folio、Magic Keyboard、Apple Pencil(第2世代)を使うことになります。

iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
キーボード | Smart Keyboard Folio、Magic Keyboard | Smart Keyboard |
ペンシル | Apple Pencil 2 | Apple Pencil |
iPad Air 4が使うことができるMagic KeyboardとSmart Keyboard Folioは基本的にキーボードとしてしか使うことできず、タブレットとして使う場合はSmart Folioを使う必要があります。
iPad(第8世代)のSmart Keyboardはキーボードスタイルだけでなくスタンドモードとしても使うことができ、カバー部分をひっくり返すことでタブレットとしても使うことができるので汎用性は高いものとなっています。
シームレスにアクティブにiPadを使いたいならiPad(第8世代)の方が向いているのかもしれません。

iPad(第8世代)のApple PencilはLightningポートを使ってペアリングと充電をする情けない姿となりますが、iPad Air(第4世代)はApple Pencil(第2世代)は筐体の側面にくっ付けることでペアリングとワイヤレス充電できます。
このスタイルはiPad Pro 11インチと全く同じとなっていて、この価格で上位モデルと同じ使い方ができるのは良い時代になったものです。なお、Apple Watch(第2世代)はタップで機能を切り替える機能なども搭載しています。
カラーラインナップを比較

本体カラーはiPad(第8世代)は3色、iPad Air(第4世代)は5色から選ぶことができます。
iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |
本体カラー | シルバー、スペースグレイ、ローズゴールド、グリーン、スカイブルー | シルバー、スペースグレイ、ゴールド |
iPad Air(第4世代)の新色となるグリーンとスカイブルーはとても気になりますよね。個人的にはスカイブルーがとても爽やかで良いなぁ、欲しいなぁと思っております。
端末価格を比較
iPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)の価格は以下のとおりです。
iPad Air(第4世代) | iPad(第8世代) | |||
モデル | Wi-Fi | セルラー | Wi-Fi | セルラー |
32GB | – | – | 38,280円 | 54,780円 |
64GB | 69,080円 | 85,580円 | – | – |
128GB | – | – | 49,280円 | 65,780円 |
256GB | 87,780円 | 104,280円 | – | – |
iPad Air(第4世代)は価格が高くなってしまったので、iPad(第8世代)との差が少し広がってしまいましたが、ベゼルレススタイルに刷新されてiPad Proと同等レベルもしくはそれ以上の性能を持ったA14 Bionicを搭載したことを考えれば妥当なのかもしれません。
iPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)比較:まとめ
iPad Air(第4世代)は2020年10月以降、iPad(第8世代)は2020年9月18日に発売となります。どちらのモデルを選ぶべきなのかまとめました。
iPad Air(第4世代)がおすすめな人は

iPad Air(第4世代)はデザインを刷新してホームボタンを廃止しトップボタンに指紋認証センサーを内蔵したベゼルレススタイルを採用して、iPad Pro 11インチと同じような使い方できるようになります。
- 10.9インチのディスプレイを搭載
- シンプルでカッコいい筐体デザイン
- 電源ボタンに指紋センサーを搭載
- 横向き2ステレオオーディオに対応した
- USB-Cポートに対応した
- 本体カラーが5色と豊富
iPad Air(第4世代)はタブレットとして使うだけでなく、キーボードを接続して執筆や動画編集などの作業をする人におすすめの端末です。画面の反射が少なく長時間の作業も快適にこなすことができます。
A14 Bionicプロセッサを搭載したことでiPad Proをも驚愕する性能を手に入れたのでスペック的には申し分ないものとなっていて、動画編集や写真の現像など負荷のかかる作業もサクサク快適にすることができるでしょう。
Apple Pencil(第2世代)を使うことでノートを取ったり、イラストを描くこともできますし、Magic Keyboardを装着することでどこでも最強のタップトップマシンとして作業することもできます。
- 3.5mmオーディオジャンクがない
- 価格がちょっと高い
iPad Air(第4世代)は3.5mmオーディオジャックに非対応となったので、有線でオーディオ機器を使いたい方には向いていないかもですね。
いずれにしても、トップボタンに指紋センサーを搭載した初号機ということでAppleにとっては新しいiPadのあり方を示そうとしている端末でもあります。
コロナによってマスクが必須の世の中になってしまった以上はベゼルレススタイルを維持しながら指紋センサーを使う一つの選択肢として使いやすい端末になっているのではないでしょうか。
iPad(第8世代)がおすすめな人は

iPad(第8世代)はプロセッサがA10 FusionからA12 Bionicに刷新されたことで、快適に動作するようになりそれなりの作業も快適にすることができるようになりました。
- 10.2インチのディスプレイを搭載
- ホームボタンを使って操作ができる
- 指紋認証でマスクしていても使える
- まだまだ現役で使える性能を持ってる
- 3.5mmオーディオジャックを搭載
- 端末価格が38,280円ととにかく安い
iPad(第8世代)の最大のメリットは端末価格が38,280円ととにかく安いというところでしょう。予算がないけどiPadを使って作業をしたり、楽しみたいという方はiPad(第8世代)を選んでおけば問題はありません。
また、慣れ親しんだホームボタンを搭載しているiPadなので操作に迷うことなく誰でも安心して使うことができるタブレットとなっています。
A12 Bionicプロセッサはまだまだ現役で使うことができる高性能なチップで、キーボードを接続することでラップトップとしても使うことができるし、Apple Pencilを使ってメモを取ったり、指示を出すこともできます。
- 反射しやすく外では見にくいディスプレイ
- 最小ストレージが32GBは少ない
iPad(第8世代)は廉価なディスプレイを搭載しているため光の反射が酷くて外で使うと画面が少し見にくいと感じるかも。また、最小ストレージ容量が32GBと少ないので作業をすることが多いなら128GBモデルを選んだ方がいいかもしれないです。
ネットサーフィン、SNS、YouTubeを見るといったコンテンツ消費をメインに使うなら32GBのストレージ容量でも問題はないので、あくまでタブレットとして使うだけならiPad(第8世代)という選択肢はアリではないでしょうか。
→ iPadの比較はこちら
コメントをどうぞ!