V6プラス対応のWi-Fiルーター比較

光回線なのに通信速度が遅い…ってことありますよね。もし、光回線なのに速度が遅いのならV6プラス(IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6)を使うことで通信速度を向上させることができます。

BUFFALO(バッファロー )、IO-DATA(アイオーデータ)、ELECOM (エレコム)、NECなどがV6プラスに対応していて一部の海外メーカーのルーターも対応していることがありますがV6プラスを利用する場合は国内メーカーのルーターを選ぶのが良いでしょう。

この記事では、BUFFALO、IO DATA、エレコムの無線LANルーターの違い、V6プラスの通信速度の比較をしているのでWI-Fiルーターを検討している方はぜひ参考にしてください。

IPoE(V6プラス)接続とは

光回線なのに通信速度が遅い…ってことありますよね。

すべての方に当てはまるわけではないですが、通信速度が遅いのはPPPoEでインターネットに接続していて、IPoE(V6プラス)で接続することで通信速度が向上することがあります。

PPPoEは速度が遅い場合がある

ルーターの設定画面からプロバイダの接続IDとパスワードを入力して使用している場合はPPPoEによる接続となっていて、フレッツNGN網のPOI/ 網終端というところで速度が低下してしまうのが要因となっている場合がほとんど。

PPPoEによる接続

PPPoEによる接続でも高速通信ができる環境もあるので、どの時間帯でも200Mbps以上の速度が出ているのならV6プラスを使う必要性はほぼなさそう。

V6プラスで通信速度が速くなる

IPoE(V6プラス)はPOI/ 網終端を通らずにインターネットに接続できる仕組みとなっているため、基本的には通信速度の低下が起こりません。(NGN網などの距離によって速度低下する場合はある)

IPoE(V6プラス)

さらに、IDとパスワードの入力が必要ないので設定時に何も設定していない場合はV6プラスで通信をしていることになります。

実際にGMOとくとくBBでV6オプションを利用しているのですが、従来のPPPoEだと10Mbpsを下回る通信速度になってしまうことがありましたが、V6プラスなら常に100Mbpsの速度が出るようになりました。

PPPoEとIPoE(V6プラス)速度の違い
  • PPPoE:1Mbps〜300Mbps
  • IPoE(V6プラス):100Mbps〜500Mbps

速度の違いについてはこんなイメージでしょうか。

もちろん環境によってはすべての方がV6プラスの恩恵を受けられるわけではないですが現状でPPPoE接続をしていて通信速度が遅いならV6プラスを使ってみる価値はあるのではないでしょうか。

なお、V6プラスはオプションで基本的に無料で使うことができますが、NTT東西と契約をしているネイティブ接続事業者(VNE)であるプロバイダで契約することになります。

V6プラス対応プロバイダ(ドコモ光)
  • ドコモnet、plala、GMOとくとくBB、BIGLOBE光、OCN光、@nifty光、DTI、andline、Tiger-net.com、エディオンネット、BB.excite、スピーディア インターネット サービス、IC-NET、シナプス、楽天ブロードバンド、ネスク、TikiTiki、01光コアラ…など

大手プロバイダならV6プラスのオプションを無料で使えるので、インターネットの速度に悩んでいるなら試してみましょう。

V6プラス対応おすすめ無線LANルーター

V6プラス対応Wi-Fiルーターのスペック比較

バッファロー、エレコム、アイオーデータのV6プラス対応のWi-Fiルーターのスペックを比較してみました。ここで比較しているのは実際に僕が試してみたルーターなので、エレコムは最新のWi-Fi 6に対応したルーターとなっています。

BUFFALO、IO DATA、エレコム V6プラス対応ルーター
スペック比較
モデル BUFFALO WXR-1750DHP2 ELECOM WRC-X3000GS IO DATA WN-AX2033GR2
無線LAN ax 5GHz:-
ax 2.4GHz:-
ac:1300M
n:450M
a/g:54M
ax 5GHz:2402M
ax 2.4GHz:574M
ac:1733M
n:400M
a: 54M
ax 5GHz:-
ax 2.4GHz:-
ac:1733M
n:600M
a: 54M
アンテナ 外付け
5GHz/2.4GHz 3本
内蔵
5GHz/2.4GHz 4本
LANポート 1Gbps ×4
INTERNETポート 1Gbps ×1
USBポート Type-A USB 3.0 Type-A USB 3.0
推奨同時接続台数 18台 36台 18台
IPoE V6プラス・IPv4 over IPv6対応
消費電力 18.7W(最大) 16.4W(最大) 13W(最大)
サイズ 41x185x185mm 40×140×207mm 49×186×120mm
重量 約545g 約600g 約410g
価格 7,480円 19,800円 5,980円

スペックで比較すると2019年秋に発売したばかりのエレコムのWRC-X3000GSがWi-FI 6(11ax)に対応するなど性能が上となりますが、端末価格が2万円と高くなっています。

Wi-Fi 5とWi-Fi 6を混在するのは意味がないのかなと思いましたが、WI-Fi 6に対応したルーターで比較的価格が近いものだとどれくらい通信速度が異なるものか気になったので、あえて比較してみました。

BUFFALO WXR-1750DHP2

BUFFALO WXR-1750HP2 スペック
BUFFALO WXR-1750HP2

スペックと特徴

バッファローのWXR-1750HP2はWi-Fi 5(11ac)に対応したWI-Fiルーターで理論値で1300Mbps + 450Mbpsの高速通信が可能となっています。

WXR-1750HP2 特徴
  • 11ac(1300Mbps)+11n/g/b(450Mbps)
  • 大型の可動式アンテナ ×3
  • MU-MIMO 3×3
  • ビームフォーミングに対応
  • 800MHzデュアルコアCPU搭載
  • バンドステアリング機能
  • 端末価格:7,480円

3つの外部アンテナを搭載しているので使用している機器のある場所に電波を向けることが可能となっているので、比較的遠くまで電波を飛ばすことができるのかなぁと思います。

内蔵型アンテナよりも外部型アンテナを搭載しているWi-FIルーターの方がやはり電波は強いという印象があります。

WXR-1750HP2 外付けアンテナ
WXR-1750HP2 外付けアンテナ

外部ポートはLANポート(1Gbps)とWANポート(1Gbps)、USBポート(Type-A)を搭載しています。

WXR-1750HP2 外部ポート

USBポートがあるのでハードディスクを接続することで簡単にネットワーク上にストレージを置くことができ、いろんな端末からハードディスクにアクセスしてデータのやり取りが可能となっています。

WXR-1750HP2は外付けアンテナを搭載したWi-Fiルーターでありながら端末サイズが比較的コンパクトなのでリビングに置いても違和感はないですね。

WXR-1750HP2 設置した状態
WXR-1750HP2 設置した状態

5LDK戸建て実際の通信速度

実際に5LDKの2階戸建てにてiPhone 11 Proを使って通信速度を計測してみました。

WXR-1750HP2 + iPhone 11 Pro 通信速度
WXR-1750HP2 + iPhone 11 Pro

一番近いところでダウンロード345Mbps、アップロード330Mbps、pingが17mとなかなか快適なスピードが出ていました。

5LDKでWXR-1750HP
5LDKでWXR-1750HP

一番遠いマイルームの通信速度は10Mbpsを下回る速度になってしまいましたが、もう少しルーターの配置を考慮すればWXR-1750HPを1台だけで使うことは可能です。

おすすめの設置場所

例えば、お風呂場の上にある点検口に通信機材をまとめてしまうことで家全体に電波を飛ばすことも可能。

点検口にルーターを設置する
点検口にルーターを設置する

我が家ではそのようにしてWi-Fiルーターを1台だけで運用できるように工夫をしており、今回比較している3台のルーターの中で外付けのアンテナを搭載しているWXR-1750HP2であればそれなりに使えるレベルにあります。

ちょっと遠い部屋になると5LDKだとちょっと厳しいので4LDKなら1台で運用できると思っていただければ良いかな。上位モデルでWI-Fi 6に対応したWXR-5950AX12なら5LDKでもイケるかも?

https://sin-space.com/entry/buffalo-wxr5950ax12

V6プラスの接続方法

なお、WXR-1750HPはV6プラスでの接続に対応していてモデムから出ているLANケーブルを接続して電源を入れるだけで設定が完了します。IDやパスワードを入力する必要はありません。

IO DATA WN-AX2033GR2

WN-AX2033GR2
WN-AX2033GR2

スペックと特徴

アイ・オー・データのWN-AX2033GR2はWi-Fi 5(11ac)に対応したWI-Fiルーターで理論値で1733Mbps + 300Mbpsの高速通信が可能となっています。

WXR-1750HP2 特徴
  • 11ac(1733Mbps)+11n/g/b(450Mbps)
  • 内蔵アンテナ ×4
  • MU-MIMO 4×4
  • 880MHzデュアルコアCPU搭載
  • ビームフォーミング機能
  • 端末価格:5,980円

WN-AX2033GR2はアンテナ内蔵式のWi-Fiルーターなので見た目はスッキリしていてどこに置いても違和感なく使うことができるでしょう。

WN-AX2033GR2
WN-AX2033GR2

内蔵アンテナですが11ac(1733Mbps)+11n/g/b(450Mbps)に対応してMU-MIMO 4×4のビームフォーミングに対応しているのでポテンシャルの高さはWXR-1750HP2よりも上となっています。

外部ポートはLANポート(1Gbps)とWANポート(1Gbps)を搭載しています。

WN-AX2033GR2 ポート
WN-AX2033GR2 ポート

5LDK戸建て実際の通信速度

実際に5LDKの2階戸建てにてiPhone 11 Proを使って通信速度を計測してみました。

WN-AX2033GR2 + iPhone 11 Pro
WN-AX2033GR2 + iPhone 11 Pro
5LDKでWN-AX2033GR2
5LDKでWN-AX2033GR2

一番近いところでダウンロード285.3Mbps、アップロード333Mbps、pingが16mとなかなか快適なスピードが出ていました。ただ、内蔵アンテナということもありWi-Fiルーターから離れた部屋では速度は落ちてしまいます。

4LDKでギリギリ使えるレベルと思っていた方がいいのかな。

V6プラスの接続方法

基本的にV6プラスだと設定は必要なく自動判別で回線の設定をしてくれますが、アイ・オー・データのWN-AX2033GR2は初期設定が必要となります。

WN-AX2033GR2のWi-Fiに接続して…

WN-AX2033GR2に接続
WN-AX2033GR2に接続

初期設定画面(http://192.168.0.1)にアクセスします。

このURLでアクセスできない場合は(http://192.168.0.1/cgi-bin/luci/unauth/initial_settings)でアクセスすることができるのでユーザー名やパスワードを設定します。

WN-AX2033GR2 ログインする
WN-AX2033GR2にログインする

アイ・オー・データのWN-AX2033GR2の独自機能(Wi-Fiマモル機能、ネットフィルタリング機能)の設定をしていきます。通常は「利用しない」でいいでしょう。

設定
設定

回線自動判別が始まるのでしばらく待ちましょう。

回線を自動的に判別
回線を自動的に判別

これで無事のインターネットに接続できればOKでV6プラスで接続ができています。WN-AX2033GR2はこのように若干手間なのでパソコンに詳しくないと設定は少し難しいかも?

ELECOM WRC-X3000GS

ELECOM WRC-X3000GS
ELECOM WRC-X3000GS

スペックと特徴

エレコムのWRC-X3000GSはiPhone 11・11 Proも対応した新規格・Wi-Fi 6(11ax)に対応したWI-Fiルーターで理論値で2402Mbps + 584Mbpsの高速通信が可能となっています。

WXR-1750HP2 特徴
  • 11ax(5GHz:2402Mbps)+(2.4GHz:584Mbps)
  • 内蔵アンテナ ×4
  • インテル Home Wi-Fi チップセット搭載
  • ビームフォーミングZに対応
  • MU-MIMOは非対応
  • 端末価格:19,800円

WRC-X3000GSはアンテナ内蔵式のWi-Fiルーターとなっていてどこに設置しても違和感のないデザインとなっています。Intelのロゴマークがあるので小型パソコンにも見えなくないスタイルです。

IntelマークのあるWRC-X3000GS
IntelマークのあるWRC-X3000GS

外部ポートはLANポート(1Gbps)とWANポート(1Gbps)と至って普通の仕様となっています。

WRC-X3000GS 外部ポート
WRC-X3000GS 外部ポート

5LDK戸建て実際の通信速度

実際に5LDKの2階戸建てにてiPhone 11 Proを使って通信速度を計測してみました。

WRC-X3000GS + iPhone 11 Pro
WRC-X3000GS + iPhone 11 Pro
5LDKでWRC-X3000GS
5LDKでWRC-X3000GS

一番近いところでダウンロード322.4Mbps、アップロード86Mbps、pingが17mとなっていました。こちらも内蔵アンテナということもありWi-Fiルーターから離れた部屋では速度は落ちてしまいます。

とはいえ、WRC-X3000GSはWi-Fi 6に対応したルーターだけあって最大瞬間的な速度はアイ・オー・データのWN-AX2033GR2よりも速くなっているように感じます。ただ、意外とアップロード速度が出ないのがちょっと気になるところ。

V6プラスの接続方法

なお、エレコムのWRC-X3000GSはV6プラスでの接続に対応していてモデムから出ているLANケーブルを接続して電源を入れるだけで設定が完了します。IDやパスワードを入力する必要はありません。

通信速度が速いのは

V6プラス対応ルーター

V6プラスに対応したWi-Fiルーター・BUFFALO WXR-1750HP2、IO DATA WN-AX2033GR2、ELECOM WRC-X3000GSの3台で通信速度を比較した結果は以下のとおり。

通信速度比較
  BUFFALO
WXR-1750DHP2
ELECOM
WRC-X3000GS
IO DATA
WN-AX2033GR2
最大速度 1300Mbps 2402Mbps 1733Mbps
MU-MIMO 対応 対応
同時接続台数(推奨) 16台 32台 16台
リビング 受信 345.2 322.4 285.3
送信 330.4 86.0 330.0
和室 受信 341.5 261.5 266.0
送信 322.3 112.8 336.3
洗面所 受信 161.8 102.5 77.7
送信 141.8 57.7 164.3
玄関 受信 289.2 248.3 113.4
送信 178.1 99.7 94.6
マイルーム 受信 2.97 1.02 0.18
送信 7.29 3.15 9.98
寝室 受信 163.9 149.9 37.2
送信 189.2 69.6 105.1
子供部屋 受信 304.8 248.3 288.5
送信 326.4 99.7 307.6

やはり外付けアンテナを搭載しているBUFFALO WXR-1750DHP2は安定していますね。Wi-Fi 5のルーターだけどこの3台の中では一番優秀なのではないでしょうか。

Wi-Fi 6に対応しているエレコムのWRC-X3000GSの通信速度がそこまで伸びなかったのは帯域をまとめることができるMU-MIMOに対応していない影響なのでしょうか。

とはいえ、同時接続台数がWi-Fi 6に対応しているので使う端末が多いのなら恩恵を受けることができると思います。

V6プラス Wi-FIルーター どれがおすすめか

V6プラス対応ルーター
V6プラス対応ルーター

この3台のV6プラスのルーターはそれぞれ個性が違うのでどれを選ぶべきかは使用用途、予算で決めることができます。

どのWi-Fiルーターを選ぶか
  • 安くて速度が速い → BUFFALO WXR-1750HP2
  • 戸建てで使う(4LDK) → BUFFALO WXR-1750HP2
  • 戸建てで使う(5LDK) → BUFFALO WXR-5950AX12
  • マンション/アパートで使う → ELECOM WRC-X3000GS、IO DATA WN-AX2033GR2
  • とにかくやすいルーター → IO DATA WN-AX2033GR2
  • 使用端末台数が多い → ELECOM WRC-X3000GS

低予算でバランス良いルーターを選ぶならバッファローのWXR-1750HP2です。

7,480円で上位モデルでWi-Fi 6に対応したWXR-5950AX12に引けを取らない性能を持っているので個人的にはWXR-1750HP2を選ぶのが良いでしょう。

ただ、マンションやアパートで使うなら内蔵アンテナを搭載したスッキリしたスタイルのエレコムのWRC-X3000GS、アイ・オー・データのWN-AX2033GR2がいいのかなと思います。

Wi-Fi 6に対応したエレコムのWRC-X3000GSはiPhone 11・11 Proを使ってるなら選ぶ意味はありますが、Pixel 4やXperia 5などを使っているならアイオーデータのWN-AX2033GR2で十分すぎるように思います。