AQUOS R6(アクオス アール6)が2021年6月25日に発売しました。
シャープのハイエンドスマホはカメラがもう一歩…というイメージがありましたが、なんと…ドイツのカメラメーカー・LEICAと協業して1インチの大型センサーとSUMMICRON(ズミクロン)レンズを採用しカメラの画質を大きく強化したスマホです。
大型センサーを新開発のレンズが生み出す写真はスマホカメラの常識を覆すかのような画質、雰囲気のある写真を撮影できるようになって明らかにステージが変わったと感じさせてくれます。
ということで、AQUOS R6が気になって仕方なく購入してみたのでデザイン、サイズ、スペック、動作速度、カメラの画質をレビューしたいと思います。かなり、独特なスマホになっているので購入を検討している方は参考にしてください。
- 1〜240Hzのリフレッシュレートで快適動作
- LEICAカメラで質感の高い写真を撮影できる
- 画面内指紋認証でマスクしてても使える
- 顔認証にも対応しあらゆるシーンで使える
- 電池持ちが意外と向上している
- おサイフケータイ対応で電子決済できる
- 水に濡れても使える防水性能
- 5Gの高速通信に対応している
- 意外と買いやすい11万円という価格
- エッジスクリーンが少し使いにくい
- 本体の発熱が少し気になる
- カメラのピントが合いにくい
- シャッターのタイムラグがきつい
- ワイヤレス充電に非対応
→ 後継機種はAQUOS R8 pro、AQUOS R7です。
この記事の目次
AQUOS R6の特徴
- 6.6インチ 有機ELディスプレイ
- 解像度:2,730 × 1,260、最大輝度:2000ニト
- リフレッシュレート:1〜240Hz
- SoC:Snapdragon 888 5G
- メモリ:12GB、ストレージ:128GB
- 顔 + 画面内指紋認証に対応(2本指に対応)
- カメラ:4,720万画素(1.0型)大型センサー
- レンズ:LEICA SUMMICRON(F/1.9)
- おサイフケータイ対応し電子決済ができる
- IP68の防水防塵である程度濡れても使える
- 5G(Sub-6)対応で高速モバイル通信
- 本体サイズ(162 × 74 × 9.5mm 207g)
- 端末価格:約11万円
AQUOS R6は6.6インチの大画面サイズのハイエンドスマホです。10億色表示の有機EL(Pro IGZO OLED)ディスプレイを搭載し1〜240Hzの可変リフレッシュレートに対応しているため、とにかくキレイで滑らかなディスプレイとなっています。
高性能チップのSnapdragon 888 5G + 12GB メインメモリとの相乗効果もあって、あらゆるアプリがぬるサクで動作させることが可能となっています。
そして、AQUOS R6の最大の特徴なのがリアカメラにドイツのカメラメーカー・LEICAと協業で開発していることです。1インチの大型センサーをスマホに入れ込んでしまうという快挙を成し遂げました。
AQUOS R6のリアカメラの画質はスマホとは思えないくらい解像感、ぼけ味がスゴイものとなっています。かなり癖があるので使いこなす必要はありますが、今までのスマホカメラとは一味も、二味も違う写真を撮影することが可能となっています。
他にも、AQUOS R6はおサイフケータイ、IP68の防水防塵仕様といった基本的なスペックに対応しているのでメインスマホとしてしっかり使える性能を持っています。
現在は中古で3〜5万円で買えるのでめちゃ安いです。これでLEICA監修のカメラが使えるのでなかなかいいのでは?
AQUOS R6 レビュー
AQUOS R6のデザイン・サイズ
AQUOS R6は6.6インチのディスプレイを搭載した大画面サイズのスマホです。
19.5:9と一般的な画面比率となっているため本体サイズは162 × 74 × 9.5mmと大きめとなっています。片手で操作するには少し大きいので基本的に両手でしっかりと持って使うことになります。
本体カラーはブラック、ホワイトから選ぶことができます。
ここでレビューしているのはブラックとなっています。
カメラはシングルカメラですが主張が激しいデザインなので好みが割れそうなスタイルとなっています。ブラックだとカメラの主張は幾分抑えられているように見えるのでカメラが気になる方はホワイトよりもブラックを選ぶのもいいかもしれません。
AQUOS R6 | AQUOS R5G | |
画面サイズ | 6.6インチ | 6.5インチ |
本体サイズ | 162 × 74 × 9.5mm | 162 × 75 × 8.9mm |
重量 | 207g | 189g |
A画面サイズは6.5 → 6.6インチとほんのわずかだけ大きくなりましたが、エッジスクリーンを採用することで本体横幅が75 → 74mmと少しだけ狭くなりました。QUOS R6は左右に丸みのあるエッジディスプレイを採用しているので、画面サイズが6.6インチと大きいですが手に馴染みやすいスタイルとなっています。
ただし、しっかりとスマホを握って操作をすると左右部分が反応してしまい誤動作を起こしてしまうことがあります。とくに、寝ながらスマホを上に持って操作すると多くの確率で誤動作してしまうのでエッジスクリーンの宿命といったところでしょうか。
握りやすいけど使うシーンによっては使いにくくなります。ただ、ケースを装着することでエッジスクリーンの使いにくさはある程度抑えることはできるかと思います。
従来モデルのAQUOS R5Gは筐体にプラ素材を採用し重量が189gと軽量化されてましたが、 AQUOS R6は背面パネルにガラス素材となっているので207gと少し重めの筐体となっています。
AQUOS R6の筐体は9.5mmと少し厚めではありますが、筐体パネルも丸みのあるスタイルとなっているため手に馴染んで持ちやすい端末になっています。端末全体がガラスに覆われていて、ガラスの奥には細かい模様が施され質感のあるスタイルを実現しています。
指紋は付着しますが、一般的なガラス筐体と比べて付きにくく目立たない感じですね。意外といい感じです。
サイドフレームにはステンレスの金属素材を採用し、操作ボタンは本体右側に集約されており、上から音量ボタン、Googleアシスタントボタン、サイドボタンの順に配置しています。
Googleアシスタントの専用ボタンにより簡単に音声アシスタントを呼び出して指示を出すことができますが、使わない場合は間違えて押してしまう可能性はあります。もし、使わないのなら設定からキーをOFFにすることもできます。
充電ポートはUSB-Cを採用しUSB Power delivery Revision 3.0に対応しているので急速充電で素早くバッテリー補給することもできます。
データ通信はUSB3.2 Gen 1、DisplayPort(HDCP 2.3)の出力に対応しているためDisplayport変換アダプタを使うことで外部モニターにAQUOS R6の画面を表示させることもできます。
本体の下左側に3.5mmオーディオジャックを搭載しているので有線イヤホンが使えます。ハイレゾに対応したヘッドホンを使うことで高音質コンテンツも楽しむことができます。
もちろん、無線接続もaptX HD、LDACに対応しているのでLDACに対応している完全ワイヤレスイヤホン・WF-1000XM4を使うことで高音質な音楽を楽しむことができます。なお、AQUOS R5Gで対応していたDolby AtmosはAQUOS R6は非対応となっています。なぜ、機能をカットしたのか謎仕様ですね。
筐体の左上にSIMカードスロットを搭載しています。
一般的な横並びのカードスロットでnanoSIMとmicroSDカードを同時に使用できるようになっています。microSDカードは最大1TBまで対応。動画撮影したりゲームをたくさんインストールして128GBのストレージで足りなくなっても安心です。
また、AQUOS R6はIP68の防水防塵に対応しているので水回りで濡れた手のまま使うこともできますし、雨の中で写真を撮影もできるので安心してスマホを使うことができるでしょう。
AQUOS R6のディスプレイ
AQUOS R6は6.6インチの有機ELディスプレイを採用し画面解像度はWUXGA+(2,730 × 1,260ピクセル)となっています。
AQUOS R6 | AQUOS R5G | |
画面サイズ | 6.6インチ(19.5:9) | 6.5インチ(20:9) |
解像度 | WUXGA+(2,730 × 1,260ピクセル) | QHD+(3,168 × 1,440ピクセル) |
ディスプレイ | 有機EL、Pro IGZO OLED、約10億色、最大輝度2000ニト | 液晶、Pro IGZO、約10億色、最大輝度1000ニト、コントラスト比 2000万:1 |
リフレッシュレート | 1〜120Hz、240Hz | 120Hz、60Hz |
HDR再生 | 対応 |
画面サイズは6.6インチと従来モデルよりも0.1インチ大きくなりましたが、解像度が少しだけダウンしております。
液晶ディスプレイから有機ELディスプレイに変わったことによる仕様の変更でしょうか。ただ、解像度が下がっても十分高精細な画質でコンテンツを楽しむことができるのでとくに問題はありません。
むしろ、液晶から有機ELになったことによる最大輝度が1000ニトから2000ニトに向上したメリットの方が大きいです。
屋内でも視認性がいいので外での写真撮影も問題なくすることができますし、コンテンツも楽しむことができます。
なお、アウトドアビューという外での視認性を向上してくれる機能が初期設定でONとなっていますが、画像が色鮮やかになりすぎて端末で見ている撮影した写真とアップロードして別の端末で見る色合いと相違がありすぎるので、カメラを撮影するときに正確な色を確認したい場合はアウトドアビューはOFFにしておくのがいいでしょう。
Pro IGZO OLEDディスプレイは10億色の色鮮やかなディスプレイになっているので撮影した写真、動画もキレイに楽しむことができます。
そして、AQUOS R6は1〜120Hz、240Hzの可変式リフレッシュレート(なめらかハイスピード表示)に対応して滑らかなスクロールを実現しています。
アプリごとに対応させるかどうかをユーザー側で設定できるだけでなく、AQUOS R6は状況に合わせて自動的に1〜120Hzのリフレッシュレートに可変される仕組みを採用しています。
ブラウザ、Twitterなどをスクロールするときは120Hzで駆動させて、静止している時は1Hzに抑えるなど電池持ちを考慮したシステムに進化しております。
また、アプリをゲーミング登録することによって毎秒120回の表⽰更新に連動して間に⿊画⾯を挿⼊しる240Hzのリフレッシュレートに対応させることもできます。ゲームだけでなく他のアプリでも240Hzに対応しているのはAQUOS R6だけ?ですかね?
AQUOS R5Gも120Hzのリフレッシュレートに対応していたので、かなり滑らかなスクロールを実現していましたが、AQUOS R6はさらに上行く滑らかになっており、Twitterがとにかく滑らかに動作しています。
AQUOS R6の生体認証
AQUOS R6は画面内指紋認証に対応しているので指紋を登録しておくことで、指で一発で画面ロック解除が可能です。
しかも、AQUOS R6の画面内指紋認証はAQUOS zero2との比較で11倍の指紋センサーサイズとなるQualcomm 3D Sonic Maxを搭載し適当に指を画面に置いてもしっかり認証してくれるようになりました。
指紋の認証速度は思ったほど速くはないですが、アバウトに指を置いて認証できるのは便利です。広い指紋認証エリアを使って2本指を登録してセキュリティを向上させることもできます。そこまでのセキュリティが必要かどうかは不明
また、指紋認証にずっと触れることで決済機能も呼び出すことができるPAYトリガーを使えます。ドコモ版のAQUOS R6はd払いが設定されていたのでay、ソフトバンクはそれぞれの決済機能を呼び出すことができる感じでしょうね。
AQUOS R6は顔認証機能にも対応しています。
スリープボタンを押して顔を向けるだけで簡単に画面ロック解除できるのでマスクをしていない時、手荒れが酷くて指紋認証が使えない方も安心して使うことができます。
指紋、顔のデュアル生体認証に対応しているのであらゆるシーンで使える端末となっています。
AQUOS R6 内蔵スピーカーの音質
AQUOS R6の内蔵スピーカーはステレオに対応しています。筐体下に搭載しているスピーカーと、画面上にある受話スピーカーを使ってステレオで音楽を楽しめるようになっています。
AQUOS R6の内蔵スピーカーはとりあえずステレオに対応しているので最低限の音はクリアしている感じで音質はあまり期待しない方がいいかも。
中音域重視の音で声をしっかり聞き取れて音量が小さいと感じることはないですが、低音はあまり出てない感じで音量を大きくすると筐体が共振するので騒ついた感じのサウンドとなっています。
AQUOS R6のスペック・性能 レビュー
Snapdragon 888 5Gを採用している
AQUOS R6の心臓部となるSoC(システム・オン・チップ)はQualcomm Snapdragon 888 5Gを搭載しています。2021年のハイエンドスマホの多くに採用しているチップですね。
Snapdragon 888 5Gは2020年12月に発表された8コアCPU、Adreno 660のGPUを内蔵し5Gに対応したチップでAQUOS R6のメインメモリは12GB、ストレージは128GBとなっています。
どれくらいの性能を持っているのかGeekbench 5で計測をしてみました。
AQUOS R6 | AQUOS R5G | |
CPU | Snapdragon 888 5G | Snapdragon 865 5G |
GPU | Adreno 660 | Adreno 650 |
RAM | 12GB | 12GB |
CPU シングルコア |
901 | 876 |
CPU マルチコア |
3110 | 3032 |
GPU(OpenCL) | 3914 | 2867 |
Snapdragon 865 5G→ 888 5GになったことでCPUの性能が大きく向上するはずですが、AQUOS R6のCPUの性能はほんのわずかしか処理性能が向上していないようです。グラフィック性能(OpenCL)は1.3倍ほど処理が向上しています。
では、Antutuだとスコアはどうなるのか比較しました。
AQUOS R6 | AQUOS R5G | |
CPU | Snapdragon 888 5G | Snapdragon 865 5G |
GPU | Adreno 660 | Adreno 650 |
RAM | 12GB | 8GB |
トータル | 592899 | 643067 |
CPU | 100802 | 181061 |
GPU | 283601 | 217714 |
MEM | 95487 | 113792 |
UX | 113009 | 130500 |
AQUOS R6に搭載しているSnapdragon 888 5Gはあまりスコアが伸びません。R5Gよりも低いスコアになってしまっています。とくに、CPUの性能が伸びない感じですね。ちなみに、Xperia 1 Ⅲはトータルで692486あったので謎です。
AQUOS R6は「なめらかハイスピード表示」を有効にするとAntutuのスコアが低下してしまうという情報があったのでAQUOS R6、R5Gともになめらかハイスピード表示無効にした状態での結果です。
このスコアを回すのに発熱がAQUOS R6は9°上昇、R5Gが5.8°上昇しているので熱が原因でAQUOS R6が性能を発揮することができない状態になっているのかもしれませんね。
スコアが伸びないAQUOS R6ですが、実際の動作は遅いことはなく快適にスマホを操作することができますし、今後のアップデートで改善されることに期待ですね。
快適にゲームを楽しめる
PUBGモバイルでゲーム性能をチェックしてみました。
画質HDでフレームレートHDRに設定することができ、画質スムーズでフレームレートは極限に設定できます。ロビーでFHDのデータをダウンロードすることでさらに高い画質でも遊べます。
画質をスムーズにしてもフレームレートは極限と変わりないので電池持ちよりもキレイな画面で楽しむならHDRに設定しておいてもいいでしょう。
AQUOS R6は初期設定から「なめらかハイスピード表示」が有効になった状態になっているためPUBGモバイルを240Hzのリフレッシュレート(120Hzで黒幕を入れて240Hzに)でゲームを楽しむことが可能となっています。
たしかに、240Hzのリフレッシュレートでゲームをプレイするととても快適でいいのですが、発熱がひどくなるので普通に遊ぶのであれば「なめらかハイスピード表示」を無効化してもいいかもしれません。
ゲームプレイ中のAQUOS R6の発熱を確認してみました。
PUBGモバイルを240Hzのリフレッシュレートモードにして15分ほどプレイした状態でバッテリー温度が43°、CPU温度が56°となっていました。AQUOS R5Gはバッテリー温度が37.7°、CPU温度が52.2°と少しだけ温度が抑えられていました。
AQUOS R6は一般使いにおいて発熱がしやすい傾向にあり、とくにカメラを使っていると熱くなりがちとなっています。
AQUOS R6の実際の動作速度
では、AQUOS R6は実際にどれくらいの動作速度となっているのでホーム画面とTwitterの動作を見てみました。
AQUOS R6は高性能なSnapdragon 888 5Gに12GBのメインメモリを搭載しているので全ての動作が快適となっています。さらに、120Hzのリフレッシュレートに対応しているのでスクロールもとてもぬるぬると滑らかでストレスを感じることはありません。
AQUOS R6の電池持ち
AQUOS R6のバッテリー容量は5000mAhと大幅に増えているため電池持ち向上が期待できます。どれくらい電池が持つのかAQUOS R5Gと比較してみました。
モデル | AQUOS R6 | AQUOS R5G |
---|---|---|
バッテリー容量 | 5000mAh | 3730mAh |
YouTubeを1時間閲覧 | 66 → 53%(13%消費) | 71 → 61%(10%消費) |
ゲーム(PUBG)30分プレイ | 56 → 45%(11%消費) | 56 → 41%(15%消費) |
AQUOS R6はYouTubeを1時間視聴で%消費、PUBGモバイルを30分プレイで11%消費となっており、AQUOS R5Gよりも電池持ちがかなり改善されているようですね。
AQUOS R6が採用しているSnapdragon 888 5Gは発熱しやすいチップではありますが、バッテリー容量が大きく増えたことである程度はカバーしています。
なお、2022年モデルのAQUOS R7よりも電池持ちはいいのでバッテリーライフを重視するならAQUOS R6はおすすめです。
AQUOS R6 通信性能
AQUOS R6はの通信スペックは11ax(Wi-Fi 6)、4G LTE、5G通信(Sub-6)の高速通信に対応しています。Wi-Fiと5Gで実際にどれくらい通信速度が出るのかを計測してみました。
受信速度 | 送信速度 | Ping | |
Wi-Fi | 270.3Mbps 271.6Mbps |
97.7Mbps 95.7Mbps |
17ms 16ms |
5G | 356.9Mbps 258.0Mbps |
5.58Mbps 6.24Mbps |
10ms 10ms |
Wi-FiはWi-Fi 6に対応していて下りで250〜270Mbpsほどの速度ができており、5Gのデータ通信はさらに上をいく350Mbpsほどの速度となっていました。自宅の入ってきた5GでWi-Fi 6の速度も上回ってしまったことに驚きですが、下りであれば光回線が必要ないくらいほど。
ただ、上りの速度が10Mbps以下なのでメインでYouTubeのアップロードには使えない速度なので光回線を止めることは難しいのかなといったところでしょうか。
AQUOS R6 カメラのレビュー
1インチ大型センサーとズミクロンレンズを搭載
AQUOS R6は今時珍しいシングルカメラとなっていますが、カメラメーカーのLEICA(ライカ)とセンサー・レンズ設計、画質の調整まで含めたカメラシステムの開発をライカと協業し、今までのスマホカメラとは写真の質感が全く異なります。
AQUOS R6 | AQUOS R5G | ||
リアカメラ | 超広角 | センサー:2020万画素・1型 レンズ:F/1.9・19mm〜24mm〜152mm |
4800万画素・F/2.9・19mm |
標準 | 1220万画素・1/2.55型・F/1.7・26mm | ||
望遠 | 1220万画素・光学2倍・F/2.7・52mm | ||
特殊 | 3D iTOFセンサー | ||
画角 | 超広角〜広角〜望遠6倍 | 超広角〜広角〜望遠16倍 | |
望遠 | ウルトラレゾリューションズーム | – | |
動画性能 | 4Kに対応、8Kはアップコンバートで対応 | 8K、4Kに対応 | |
インカメラ | 1260万画素・F/2.3 | 1640万画素・F/2.0 |
AQUOS R6はシングルカメラ仕様となっていますが、1インチの大型イメージセンサーと超広角の19mm画角のSUMMICRONレンズを搭載することで超広角 → 標準 → 望遠の画角で幅の広い写真撮影に対応しています。
カメラアプリのUIは一般的なスマホと同じとなっており、シャッタボタンの上に画角を変えることができるボタンが搭載されていて、迷うことなく写真を撮影することが可能となっています。
従来モデルのAQUOS R5Gは1/2.55インチのイメージセンサーを搭載していましたが、AQUOS R6は1インチサイズになったことでセンサー面積が約5倍になってより多くの光を取り込むことができるようになりました。
大きなセンサーを使うことで超広角の19mmの視野の広いレンズ1つで標準24mm、2倍望遠48mm、6倍望遠152mmまでクロップ処理(デジタルズームし部分切り取りしソフトウェア処理で2000万画素にアップスケーリングする技術)して対応できた感じですね。
ちなみに、AQUOS R6の1インチセンサーはスマホ用ではなくソニーのコンパクトデジカメ・RXシリーズに採用されているセンサーを使っていることもあり、写真の標準画角が4:3ではなく3:2となっています。
一般的なスマホと同じ4:3の画角にすると画素数が2020万画素化ら1770万画素に少しだけ小さくなりますが、保存容量を小さくすることができるので4:3にして撮影してもいいかもしれません。
AQUOS R6・R5Gのカメラの画質を比較
こちらがベースとなる画角(19mm)で撮影したものです。
どれくらい画質が向上しているのかをAQUOS R6とAQUOS R5Gで比較してみました。
AQUOS R6は明暗差を抑えながらも明るくなりすぎないように上手く明るさを調整しているように見えます。部分拡大してみて解像感はどれくらい違うものなのかを比較してみました。
AQUOS R6は2020万画素に1インチサイズの大型センサー、F/1.9の明るいレンズを採用し画質は圧倒的にいいですね。AQUOS R5Gの超広角カメラは4800万画素と高画素センサーではありますが、センサーサイズが小さく、レンズもF/2.9と暗いものとなっています。
標準(24mm)はこれくらいの画角で一般的なスマホの標準カメラと同じくらいの視野となります。
こちらもAQUOS R6とAQUOS R5Gで比較してみました。
AQUOS R6は一つのレンズ、センサーを使って表現しているので画角によって色合いが異なることがなく安心感があります。(AQUOS R5Gも度重なるアップデートによってカメラの画角による明るさ、色合いの違いは改善されているようです。)
部分拡大をして解像感の違いを比較してみました。
AQUOS R6は24mmにクロップズームしてもまだまだ高い解像感を維持していますね。AQUOS R5Gは1220万画素(1/2.55型)の小さいセンサーなので少しぼやけた感じになっています。
望遠(48mm)はこれくらいの画角となります。
望遠画角もAQUOS R6とAQUOS R5Gで比較してみました。
パッとみた感じは違いがないように見えますが部分拡大して解像感を確認してみましょう。
2020万画素の1インチセンサーでも48mmクロップズームになると解像感は光学2倍の望遠カメラを搭載しているAQUOS R5G(1220万画素・F/2.7)と比べると少し劣ってしまうようですね。
さらに、望遠(152mm)はこれくらいの解像感となります。
AQUOS R5Gは最大16倍ズームまで拡大して撮影ができますが、AQUOS R6は最大6倍ズーム(152mm)までとなり、望遠は少し弱くなっています。実際に望遠画角の写真は少し苦手な印象があり物足りなさを感じることはあります。
空気感のある質感の高い写真が撮れる
AQUOS R6は従来モデルの5倍も大きいイメージセンサーを搭載することで空気感も伝わるくらい質感の高い写真を撮影することができます。
ここからは、AQUOS R6の標準カメラを使ってシャッターボタンを押しただけで出来上がった作例をいくつか紹介します。
この色合いがLEICAの色なのかどうかは分からないですが、色鮮やかさにも上品さがある質感の高い写真に仕上がっているように思います。
緑は色鮮やかなんだけど色が深いので軽々しさがないですし、ピンクの色もただ色鮮やかになるのではなく、白の部分も自然に表現しつつ深みのある色に仕上がっています。
紫の紫陽花も自然な柔らかい雰囲気のある写真に仕上がります。
参考までにAQUOS R5Gでも撮影をしてみました。
これも色鮮やかで悪くはないですが強調しすぎな感じで少し不自然さがあります。
AQUOS R6は、緑が深いの引き締まる感じの写真に仕上がりますね。白もしっかりと質感を表現できているように見えます。19mmで被写体に近づくと周辺のボケが流れる感じの写真に仕上がります。
さすが、1インチの大型センサーです。
ボケ量が今までのスマートフォンでありえないくらいあります。被写体にかなり近づいて撮影する必要がありますが、このようなボケもソフトウェアを使わないくても自然に表現することができます。
ただ、このような豊富なボケは望遠ズーム時に表現することは難しいです。あくまで19mmの超広角カメラをクロップしてるだけなので、望遠カメラでも豊富なボケを演出したい場合は「背景ぼかし」機能を使うのがいいでしょう。
夕暮れも引き締まった雰囲気のある写真を撮影することができます。
小滝の水もいい感じに表現できています。
お花に止まった蝶々を撮影しました。
1インチセンサーを搭載していることでレンズが大きくなって必然的に被写体深度が浅く(ピントが合っている部分が少なくボケ量が多い)、なんの設定なしでもシャッターボタンを押しただけで雰囲気のある写真に仕上げることができます。
なんだろうね。色に深みがありますよね。
少しアンダー気味の明るさではありますが、ダイナミックレンジが広いので暗い部分の黒つぶれもなく、白トビもないのでちょうどいい雰囲気の写真に仕上がっているのではないでしょうか。
ベースとなっているのが19mmという広角寄りのカメラなので、シングルカメラでありながらも撮影できるシチュエーションは多岐にわたります。
夜間も自然な雰囲気で撮影できる
AQUOS R6は1インチの大型センサーにF/1.9の比較的明るめのレンズを搭載しているので夜間撮影も得意です。19mmの超広角画角でもこれくらい鮮明な写真を撮影することができます。
むしろ、24mm、48mmとクロップズームすると解像感が損なわれていく感じになっていくのですが24mmの標準画角であれば明るくキレイな夜景が撮れるかと思います。
暗いところを明るく表現をするのではなく、あくまで見たままの雰囲気を重視しています。
AQUOS R6は暗い部分のノイズがほんとに少ないので夜景の撮影が楽しいカメラ…スマホかもしれないですね。変に明るくなることもないですし、なかなかいい感じではないでしょうか。
ほんとに暗いところでもこれだけの明るさで撮影ができます。ナイトモードはOFFの状態でこれだけノイズの少ない写真に仕上げることができるのはさすがといったところでしょうか。
超広角カメラがベースになっているカメラなのでスマホとは思えないくらい高精細な写真に仕上がっています。ちなみに、ナイトモードで撮影することもできます。
ナイトモードに切り替えて撮影することで暗いところでもより明るい写真に仕上げることができます。1インチの大型センサーとの相乗効果も合って他のスマホと比べても撮影時間は短めでナイトモードは撮影しやすいように感じました。
子どもの肌の質感はすごい
AQUOS R6は人物撮影との相性もいいです。肌の質感、髪の毛などスマホとは思えないくらいの表現が可能となっています。
AQUOS R6、いろいろ問題はあるけど1インチセンサーとレンズの表現力は凄いの一言。 https://t.co/K8ZauejFps pic.twitter.com/GzBrEcoV9j
— かずやシンスペース (@Logkazu) June 27, 2021
もうこれは1インチセンサーを搭載しているAQUOS R6でないと表現できない写真じゃないかなと思うほど凄い質感です。「ミラーレスカメラで撮影したよ」といっても通じるくらいかと。
ただし、後述しますが動いている子どもをバチッと撮影するのは至難の業なので10枚撮影して2、3枚いい写真があったらラッキーみたいな感覚です。
料理も雰囲気ある写真に
AQUOS R6は料理も美味しそうに撮影できます。
19mmの超広角画角だと周囲がボケすぎ、あまり寄れないので24mmがちょうどいいかもです。
さらに、48mmで寄って撮影もできます。
同じ場所から単純にズームするだけでも解像感を損なうことなく撮影できるのは1インチセンサーを搭載している成せる技といっていいかもしれないですね。
AQUOS R6のテーブルフォトは全体を撮影するなら24mm、接写して美味しそうな食レポをするなら48mmに切り替えて撮影するのが良さそうです。
AQUOS R6のカメラは扱いが難しい
(追記:アップデートによるAFの精度が改善されて発売当初よりもピントが迷うことはなくなり撮影しやすくなっています。)
と、ここまでAQUOS R6のカメラは凄い!いいぞ!ってなノリで書いてきましたが正直なところ扱いはとても難しいです。少し前のコンパクトカメラを扱っているような感覚です。
コンパクトカメラってサクサク撮影できるけどパソコンにデータを移動してみて大きな画面で写真を見るとピントが合ってなくてガッカリ…といったことがよくありましたが、AQUOS R6はそんな感覚のカメラです。
実際にここ最近のハイエンドスマホではありえないくらいピントが合っていない写真が量産されてました。
1インチの大型センサーを搭載しているということはレンズも必然的に大きくなってしまい従来のスマホよりも被写体深度が浅く、ピントがズレると思いっきりボケた写真に仕上がってしまいます。
シャッターボタンを押してからピントが迷い出してこのタイミングでシャッターが切れることはよくあります。
このミスショットは玉ボケがキレイなので悪くはないですが意図しない写真です。
AQUOS R6のピント合わせは基本的にピントに合わせたいところをタッチして合わします。画面をタッチしない場合もシャッターボタンを押すことで青枠の部分でピントを合わせてくれます。
ちなみに、マニュアルモードにすることで明瞭度、コントラスト、色合い、ISO、ホワイトバランス、色温度の調整だけでなくフォーカスも細かく手動設定できます。
マニュアルのフォーカスモードはどこにピントが合っているのかピンクの目印が表示されるので、失敗を減らすことはできるかもしれません。ただ、スマホのカメラでマニュアルを使うというのもどうなんでしょうね。
また、AQUOS R6は人と認識することで顔を追尾してくれるのでピント合わせは苦労はしません。ただ、精度があまりよくないんですよね。専用のToFセンサーを搭載していますがイマイチです。
静止画撮影であればシャッターボタンを押してから0.5〜1秒ほどで「カシャ」と撮影はできるものの、動画撮影になるとかなり厳しいです。とくに子どもを室内で撮影しようと思うとかなりキツイです。
撮影できなくはないですが、シャッターボタンを押してから2〜3秒ほどのタイムラグが発生するためシャッターが切れた時には子どもは走り去ってしまうことはザラにあり、ひと昔前のコンパクトデジカメを使っているような感覚ですね。
AQUOS R6のスペック
モデル | AQUOS R6 |
---|---|
画面サイズ | 6.6インチ |
解像度 | 2,730 × 1,270ピクセル |
ディスプレイ | 有機ELディスプレイ(1-240Hz) |
CPU | Snapdragon 888 5G |
メインメモリ | 12GB |
ストレージ | 128GB |
外部メモリ | microSDXC(最大1TB) |
広角カメラ | 20M・F/1.9 |
特殊 | 3D iToFセンサー |
レンズ | Leica ズミクロン |
動画性能 | 4K撮影(8Kはアップコンバートで対応) |
インカメラ | 1260万画素(F/2.3) |
モバイル通信 | 5G(sub-6)、4G LTE |
Wi-Fi | 11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.2 |
NFC | おサイフケータイ対応(Felica) |
防水防塵 | IP68 |
バッテリー容量 | 5,000mAh |
ワイヤレス充電 | – |
本体サイズ | 162 × 74 × 9.5mm |
重量 | 207g |
本体カラー | ブラック、ホワイト |
AQUOS R6 レビュー・評価:まとめ
- 1〜240Hzのリフレッシュレートで快適動作
- LEICAカメラで質感の高い写真を撮影できる
- 画面内指紋認証でマスクしてても使える
- 顔認証にも対応しあらゆるシーンで使える
- 電池持ちが意外と向上している
- おサイフケータイ対応で電子決済できる
- 水に濡れても使える防水性能
- 5Gの高速通信に対応している
- 意外と買いやすい11万円という価格
- エッジスクリーンが少し使いにくい
- 本体の発熱が少し気になる
- カメラのピントが合いにくい
- シャッターのタイムラグがきつい
- ワイヤレス充電に非対応
AQUOS R6 メリット
AQUOS R6は6.6インチの有機ELディスプレイに1インチの大型センサー、ズミクロンレンズを搭載してしまったカメラに特化したハイエンドスマホとなっています。
Snapdragon 888 5G + 12GBメインメモリを搭載し240Hzのリフレッシュレートに対応しているので、とにかく快適にスマホを使うことができます。
スクロールは少し独特ではありますがAQUOS sense5Gと比べると違和感は少なくて使いやすいかと思います。また、画面内指紋認証と顔認証のデュアル生体認証にも対応しているのであらゆるシーンで使えるスマホとなっているのは大きいですよね。
そして、なんといってもライカと協業して開発したカメラシステムはスマホカメラの画質を大きく超えたものになっています。とにかく質感の高い写真を楽しむことができます。
AQUOS R6 デメリット
AQUOS R6のデメリットは以下のつでしょうか。
エッジスクリーンは手に馴染みやすくて持ちやすいというメリットはありますが、寝ながら使うとぎゅっとスマホを握ってしまうためか誤動作を起こしてしまうことが多く使いにくいと感じることがあります。
また、Snapdragon 888 5Gの発熱が少し気になりますね。バッテリー持ちは意外と良くなっているので使用上の問題はありませんがゲームを長時間すると手汗を掻いてしまいます。
また、今後の最大の課題ともいえるカメラのオートフォーカスの性能があまり良くないというところ、シャッターを押してから切れるまでの時間が長いことも問題点です。スマホカメラはシャッターボタンを押すだけでいかに綺麗に撮影できるかです。
最も重要視されるべきところがイマイチなので普通の人から見たらただただ使いにくカメラでしかないでしょう。ただ、スマホカメラとしては画質、質感が尋常じゃないくらいいいので今後のアップデートでどこまで頑張ることができるのか、今後が楽しみです。
→ AQUOS R8 pro、AQUOS R7はこちら
→ AQUOS sense8はこちら
電池持ちはどの辺が改善しているか理解できません。
5000✕11%=550
3730✕15%=559
消費したバッテリーはわずかにR6のほうが軽減されただけでほとんど変わらないのでは
最大容量が増えたから長めに使用できるというだけであって消費電力はほとんど改善してないかと思います