MacBook ProとLG 27UD88-W

4Kテレビの普及に伴いパソコン用の4Kモニターの価格も安くなっていたので仕事用の4KモニターをLGの27インチ4Kモニター27UD88-Wに新調しました。

本当はLGのMac向けのLG UltraFine 5Kが欲しかったのですが、HDMI端子ないし、価格高いし、今時のデザインにしてはゴツく見えたので比較的価格も安い27UD88-Wにしてみました。

現在はAppleシリコンのM2チップを搭載しているMac miniと接続して使っております。

実際にセッティングをして使ってみて感じた良い点や気になる点などをレビューしていきたいと思います。なお、最新モデルは27UK850-Wという型式になっていますが、基本的に同じスタイルなので参考になるかと思います。

4KモニターLG 27UD88-W レビュー

LG 27UD88-Wは27インチの4Kモニターの中ではLGもプロフェッショナルを謳っている最上位モデルとなっています。

LGの4Kモニター(27インチ)スペック比較

27インチモデルはエントリーモデル、フレームレスモデル、プロフェッショナル、そしてMac向け5Kモニターの4ラインナップから構成されています。

機種 UltraFine 5K
27MD5KA-B
27UD88-W 27UD68-P 27UD59-B
画面サイズ 27インチ
パネルタイプ IPS ノングレア(非光沢)
表示色 約10.7億色
解像度 5120×2880 3840×2160
輝度 500cd/㎡ 350cd/㎡ 300cd/㎡ 250cd/㎡
コントラスト比 1,200:1 最大5,000,000:1 (通常1,000:1)
応答時間 14ms 5ms
色域 DCI-P3 99% sRGB 99%以上 , EBU(PAL) , Rec.709 , SMPTE-C(NTSC) , DICOM sRGB 99%以上 SMPTE-C(NTSC) 72%
デザイン フレームレス
Thunderbolt3/USB-C 1
USB-C 1
DisplayPort 2 1 1
HDMI 2.0 2 2 2
USB
ダウンストリーム
USB-C 3.1(Gen.1)×3 USB3.0×2
USB
アップストリーム
Thunderbolt3×1 USB-C×1
Power delivery 85W 60W
HDMI 4K60Hz HDCP2.2対応
スピーカー 5W+5W
カメラ、マイク 有り 無し
チルト 前 : -5°, 後 : 25° 前 : -3°, 後 : 20° 前 : -2°, 後 : 15°
高さ調節 110mm
VESAマウント 100×100
ハードウェアキャルブレーション
消費電力 最大140W 29W(最大42W) 29W 29.5W(最大37W)
価格 144,800円 63,367円 56,800円 46,980円

基本的な性能はMac向けのUltraFine 5Kを除けばさほど変わらないと思います。

上位モデルのUltraFine 5Kと27UD88-WはUSB-Cケーブルだけで画面の表示、通信(アップストリーム)、デバイスの充電ができるPower delivery機能に対応していて2016年以降のMacBook Pro、2018年以降のMacBook Airならケーブル一本で使うことが可能となっています。

USB-C一本化計画

今回、27UD88-Wを導入した最大の目的は「USB-Cケーブルの一本化をして周辺機器のケーブルを減らすこと」でした。

今までは充電用ケーブル、ディスプレイケーブル、外付けハードディスク用のケーブル、カードリーダー用のケーブルとMacBook Pro 15インチの4つあるポート全てをフル活用しゴチャゴチャした感じになっていました。

MacBook Pro 接続図1

もしくはUSBアップストリームを使ってモニター側にHDDとカードリーダーを接続する方法もあります。

MacBook Pro 接続図2

ただし、この方法はMacBook Proのポートは一つ空きますがアップストリーム用のケーブルが別途必要になるのでケーブルの本数は増えてしまうことになりますね。

この問題はUltraFine 5Kと27UD88-Wなら、USB-C(Thunderbolt 3)ケーブル一本で解決することができます。

MacBook Pro 接続図3

ケーブル一本でディスプレイ側の電源からMacBook Proに給電をしながら画面を表示させることができ、さらにアップストリーム機能でディスプレイ側に接続した外付けハードディスクとカードリーダーとの通信もすることができます。

このスッキリした環境を夢見て今回はLG 27UD88-Wを導入しマイsた。

前置きが長くなりましたが、実際にこのような接続をすることができるようになったのか、LG 27UD88-Wのデザイン、画質などについてレビューしていきますね。

最新モデルは「27UK850-W」となっています。

LG 27UD88-W 外観レビュー

梱包箱と付属品

写真では分かりにくいですがLG 27UD88-Wは27インチのディスプレイだけあって梱包の箱はかなり大きいですね…。ヤマト運輸の人が重そうに笑顔で玄関まで運んでくれました。

LG 27UD88-W 梱包

付属品は電源アダプタ、電源ケーブル、USB-Cケーブル、USB Type-C変換ケーブル(Type-A)、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、CDROM、説明書。必要となるであろうケーブルを網羅していたことに驚きです。

LG 27UD88-W 付属品

AC電源は内蔵されていません。しかもACアダプタのサイズがめちゃ大きい。

今までDellのモニターは電源内蔵式だったから違和感がありますね。そのぶん、本体が薄くて軽いのですが、ACアダプタは場所を取るからできることなら内蔵式にして欲しかったな…。

本体のデザイン

LG 27UD88-Wの本体を見ていきましょう。さすが、最新モデルだけあってベゼルフレームが細くてスタイリッシュなスタイルとなっています。

LG 27UD88-W デザイン

画面が表示されていないから分かりにくいかもしれませんが、Dellの4KモニターP2415Qと比べてもこれだけスリムです。

LGとDELL

本体も薄くて軽めです。おそらく24インチのDell P2415Qの方が本体重量はあるんじゃないのかな。

薄型モニター

ちなみに、プロフェッショナルモデルLG 27UD88-Wのカラーラインナップはホワイトしかありません。

LG 27UD88-W 背面

プロフェッショナルモデルって勝手な思い込みでブラックがやってくるものだと思っていたのですが、箱を開けてみるとホワイトだったのでちょっとショックでした。中級機のフレームレスモデルはブラックも選べるのにね…。

多種多様な接続端子に対応

端子は背面部分に集約されており、USB-C(Gen.1)、Display port 1.2、HDMI 2.0(HDCP 2.2に対応)x 2、USB 3.0 Type-A x 2、ヘッドフォンジャックとなっています。

LG 27UD88-W 接続端子

USB-CはPower Deloveryで60Wの給電に対応しているのでMacBook AirMacBook Pro 13インチにUSB-Cケーブル経由で充電をしながら画面を表示させることができます。MacBook Pro 15インチMacBook Pro 16インチの充電アダプタの容量は90W前後ですが問題なく充電できています。

HDMI 2.0を2基搭載しているのでPS4 Proの4K60pもきちんと表示させることができます。

実はUltraFine 5Kを購入しなかった大きな理由の一つでもあります。UltraFine 5KはHDMI端子を搭載しておらず変換ケーブルが必要。しかも入力ポートがUSB-C/Thunderbolt 3の1ポートしかないという致命的な問題も…。

電源ボタンは本体下に搭載

LG 27UD88-Wでまず最初に迷うところ。電源ケーブルを接続して電源をONにしようと思ったら電源らしいボタンが見当たりません。

実は、本体下にボタンが隠れています。

LG 27UD88-W 電源ボタン

このボタンを押すことで電源をONにすることが可能となっています。

画面の明るさや色合いの設定

このボタンはジョイスティック(OSD)にもなっているのでメニューを呼び出して操作することもできるようになっています。

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設定画面は全て日本語で表示されるのでとても分かりやすくなっています。画面の明るさ、コントラストなどは「クイック設定」から調整をすることができるようになっています。

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初期設定の明るさは70となっていますが、かなり明るいので20〜40くらいに下げた方が目に優しいかもしれませんね。画面サイズが大きいので目の負担はハンパないと思いますし、Macのナイトシフトモードを組み合わせて上手に設定したいところ。

画質や色合いの設定はピクチャーモードに幾つかプリセットされているので、ここから設定するのもいいと思います。

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ユーザー設定、ブルーライト低減モード、sRGB、色覚調整、FPSモード1(標準)、FPSモード2、RTSモード(ゲームに最適化)、EBU、REC709、SMPTE-C、DICOMなどが登録されています。またTRUE COLOR PROをインストールすることでキャリブレーション設定をすることもできるようになっているので、カラーマネジメントが必要な場面にもある程度対応することができるのではないでしょうか。

他にも低解像度のぼやけた素材を高精細に再現する超解像度技術Super Resolition+も設定することができます。

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画像だけではなく文字もクッキリ表示させることもできます。ただし、Highにするとクッキリしすぎて不自然になってしまうので設定するならLowくらいにしておくのがいいのかもしれません。

4K画質でとてもキレイなディスプレイ

LG 27UD88-Wの画質ですが、LGはAppleにも液晶パネルを提供しているメーカーなので、さすがキレイです。この画像はカメラで画面を撮影したものですが、ドットが肉眼で確認できなくらい高精細です。

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IPSパネルなので視野角も広いので27インチという広大な画面の大きさでも見る角度によって色合いの変化も少ないのでとても見やすいパネルだと思います。

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macOSの疑似解像度は、1920 × 1080ピクセル、2560 × 1440ピクセル、3008 × 1692ピクセル、3360 × 1890ピクセル、3840 × 2160ピクセルの5つとなっています。

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個人的には「option」キーを押しながら「解像度:変更」をクリックすることで出てくる2304 × 1296ピクセルが表示サイズ、画質ともに丁度いい疑似解像度なのかなと思っています。

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高精細ディスプレイの場合、疑似解像度を細かく簡単に設定することができるのがMacの良いところですよね。

モニターアームに取り付けてみた

僕は基本的にデュアルディスプレイは首が疲れるのであまり好きではありません。トリプリディスプレイなんてブルーライト浴びまくりでとんでもないと思っているので、メインディスプレイ1枚にMacBook Proをサブディスプレイとして使用する形にしたいと思います。

トリプルディスプレイ

今まで使っていたDellの4Kモニターはサンワダイレクトの100-LA018といモニターアームを使用していました。今回購入したLG 27UD88-Wにもモニターアームを使いたいと思います。

ボタンを押しながらディスプレイを上に上げることでスタンドから外すことができます。

スタンド

黒色のビスを外します。

モニターアーム取り付け1

このビスを使ってモニターアーム側の接続部分にモニターを取り付けます。

モニターアーム取り付け2

MacBook ProとLG 27UD88-Wのデュアルディスプレイ環境の完成です。

MacBook Proと4Kモニターのデュアルディスプレイ環境

USB-Cケーブル一本でMacBook Proを充電しながらLG 27UD88-Wに画面を表示させることができました。これはめちゃくちゃ便利ですねー。データ通信もUSB-Cケーブル経由でアップストリームできるのでモニター側のUSBコネクタを使って、外付けハードディスクやカードリーダーを接続することができます。

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アップストリームでUSB接続する時の注意点

注意点としてTime Machineを利用するための外付けHDDはMacBook Proに直接接続した方がいいです。

モニター側のUSBポートはMacBook Proがスリープ解除する時に通信が一瞬途切れる仕様になっているようで「ディスクの不正な取り出し」警告が頻発します。

ディスクの不正な取り出し

この仕様が個人的には非常に残念なポイント。ケーブル一本化計画は実現することができませんでした。外付けハードディスクだけはMacBook Proに直接接続しています。

この辺りが気になるようならDellの4KモニターU2718Qを選んだ方がいいかもしれません。3年前のP2415Qはスリープ解除時に通信が切れることがなかったので最新機種のU2718Qもおそらく大丈夫だと思います。

Macbookもケーブル1本で繋がる

USB-Cポートが一つしか搭載していないMacBook 12インチもUSB-Cケーブル1本で4Kモニターに接続しながら充電することができます。さらにUSB端子もモニター側で使うことができちゃう。

12インチMacBookとLG 27UD88-W

他のモデルに比べて、ポートが一つしかないMacBookがUSB-C対応の4Kモニターを活用することで一番使い勝手が向上するようにも感じます。

USB-Cに対応していないモニターを使うとDisplay Port経由で外部ディスプレイに接続する必要があり、同時に充電をすることができなくなってしまう弊害がありましたが、LG 27UD88-Wならその問題もあっさりと解決してくれます。

「貧弱なMacBookの性能では4Kモニターを駆動させるの厳しいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、2016年以降のモデルなら意外と普通に使えるし、MacBook Airなら問題なく使うことができるでしょう。

僕が持っているモデルは8GのRAMを搭載したモデルですが、動画編集をしない限り普通に使うことができています。CTOオプションでRAMを16GBに増設すればほぼ問題ないレベルで使いこなすことができるのではないかと思います。

PS4 Proで4K60Hz表示させる方法

LG 27UD88-WはHDMI 2.0(HDCP 2.2)の4K60Hzに対応していますが、初期設定ではなぜか4K30Hzとなっています。なのでPS4 Proを接続しても4K60Hz表示ができず2K60Hz表示になってしまいます。

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これは設定画面の「画質」から「HDMI ULTRA HD Deep Color」をオンにすることで解決するので、PS4 Proを遊ぼうと思っている方は忘れずに設定をし直しておきましょうね。

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PS4 Proの映像出力情報で確認してみると4K60Hzの映像信号が表示されていることがわかります。

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ただ、HDRには対応していません。もしHDRに対応した4Kモニターが欲しい方は先ほど紹介したDell U2718なら対応しているのでこちらを買いましょう。

LG 27UD88-W レビュー:まとめ

最後の方はDell推しになってしまいましたが、アップストリームでUSBストレージなどを利用しない、HDRは必要ないという場合は最新規格のUSB-Cに対応しているLG 27UD88-Wの方が絶対におすすめです。

やはりケーブル一本でMacBook Proを充電しながらデュアルディスプレイ環境にすることができるのはとても便利。

27UD88-Wは69,000円(2017年10月10日以降に82,000円に値上げ…)と少々高くなっていますが、LGの27インチ4Kモニターはエントリーモデルなら47,000円、フレームレスモデルなら57,000円で購入することができるので、ちょっと奮発すれば4Kモニターが手に入れることができるのでオススメですよ。

追記:HDR対応の27UK850-Wがリリース

LGの新型4Kモニター「27UK850-W」がリリースされました。27UK850-WはHDRに対応したモデルとなっており27UD88-Wと同じようにUSB-Cに対応したものとなっています。

なので、現在は27UD88-Wを購入するよりも27UK850-Wを買うことをおすすめします!

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https://www.sin-space.com/entry/sony-4k_-bravia-43-8300d-review

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