Canonがエントリーユーザー向けの一眼レフカメラEOS Kiss X9を正式に発表しましたね。EOS Kiss X9は2013年4月に発売されたEOS Kiss X7の後継機となっており「軽量・小型」を重視したコンセプトは継続されており、待ちに待っていた方も多いのではないでしょうか。ただし、バリアングル液晶モニターを搭載したことで本体サイズと重量がX7よりも増加してしまったようですね。
EOS Kiss X9が正式発表!
ただ、どうなんだろう。EOS Kiss X7の後継機種として本体サイズは大きくならない方が良かったんじゃないのかなと思うのですが…。とはいえ、ミラーレスじゃない普通の一眼レフカメラスタイルでこれだけコンパクトな機種は他にないので注目ですね。
ということで、EOS Kiss X9が何がどう進化したのか。旧型モデルのEOS Kiss X7と先にリリースされたX9iの3機種で違いを比較してみたいと思います。
カラーラインナップが3色に
EOS Kiss X9のカラーはブラックとホワイト、そしてシルバーが新たにラインナップに追加されることになります。グリップ部分が茶色になっているので、EOSシリーズでは珍しい配色と言えるかもしれませんね。
シルバーモデルがあるのはEOS Kiss X(3代目)以来11年ぶりでしょうか。なんか懐かしい色です。本体デザインはX7のような撫で肩デザインではなく、X9iの流れを汲んだ一眼レフカメラらしいデザインになっているようですね。
特にしっかりとしたグリップが搭載されたのは嬉しい改良点といえそうです。
ボタンの配列が微妙変更されており、電源ボタンは今までのスライドスイッチ式ではなくダイヤル式に変更されています。まあISOやDISPのボタンも丸型から四角型に変更。これはX9i/9000Dにもない新しいデザインとなっていますね。
また、シャッターボタンの表面にスピン加工が施されるなど細かい部分のデザインが変更され少しだけ高級感のある雰囲気になっているようです。他にもWi-Fi機能を使うためのボタンなども追加されていることが確認できます。
X9はバリアングル液晶が採用されたこともあり本体サイズが少しだけ大型化しました。
バリアングル液晶は角度つけようと思ったら外側に回転させないといけないから使いにくいのがちょっとね…。キヤノンはなぜかバリアングル液晶を推しているんですよね。チルト液晶は便利だけど。だからバリアングル液晶はX9iや9000Dに任せておいてX9は普通の液晶を搭載して小型最軽量を追求した一眼レフカメラにして欲しかったな。なお、Canonは可動式の液晶搭載モデルでは世界最軽量であるとアピールしているようです。
EOS X9i・X9・X7のスペック比較
新旧モデルのスペックを比較していきます。
EOS Kiss X9i EOS 9000D | EOS Kiss X9 | EOS kiss X7 | |
有効画素数 | 約2420万画素 | 約1800万画素 | |
センサー | APS-C デュアルピクセル CMOSセンサー | APS-C CMOSセンサー | |
映像エンジン | DIGIC 7 | DIGIC 5 | |
画像ファイル形式 | JPEG、RAW(14bit、キヤノン独自) | ||
AF | 45点 | 9点 | |
ライブビューAF | デュアルピクセル CMOS AF方式 | ハイブリッド CMOS AF II方式 | |
シャッター速度 | 1/4000~30秒、バルブ | 1/4000~1/60秒、1/4000~30秒、バルブ | |
測光分割数 | 63 | ||
ISO感度 | ISO100~25600(拡張:51200) | ISO100~12800(拡張:25600) | |
連続撮影速度 | 最高約6.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約4.0コマ/秒 |
ファインダー視野率 | 上下左右とも約95% | ||
ファインダー倍率 | 約0.82倍 | 約0.87倍 | 約0.82倍 |
液晶 | バリアングル・タッチパネル付ワイド3.0型 | タッチパネル付ワイド3.0型 | |
Wi-Fi | 802.11b、g、n | × | |
Bluetooth | ○ | × | |
NFC | ○ | × | |
撮影可能枚数 ファインダー ストロボ撮影なし | 約820枚 | 約840枚 | 約480枚 |
防塵防滴 | × | ||
大きさ 幅 × 高さ × 奥行(mm) | 9i:約131.0 × 99.9 × 76.2 9000D:約131.0 × 99.9 × 76.2 | 約122.4 × 92.6 × 69.8 | 約116.8 × 90.7 × 69.4 |
質量 (本体のみ) | 9i:約485g 9000D:約493g | 約406g | 約370g |
約2420万画素のAPS-CデュアルピクセルCMOSセンサー搭載
EOS Kiss X9の基本性能はEOS Kiss X9i/9000Dい準じたものとなっており、約2420万画素のAPS-CデュアルピクセルCMOSセンサーが採用しており、映像エンジンも最新のDIGIC 7を搭載し感度はISO100〜25600(拡張最大ISO51200)を実現しています。
デュアルピクセルCMOSが搭載したことでライブビュー撮影がミラーレス一眼カメラ並みの軽快な動作を実現します。
光学ファインダー撮影は中央クロス9点AFに
光学ファインダーによるオートフォーカスについてですが、EOS Kiss X9は中央クロス9点センサーが搭載されています。実はこの性能はKiss X7から進化していません。上位モデルのX9i/9000Dは中央クロス45点センサーが搭載されているので、光学ファインダーでの撮影において、大きな性能差があるということになります。
ライブビュー撮影に関してはX9i/9000Dと同じデュアルピクセルCMOSセンサーをフル活用することができるので、顔認識+追尾優先AF機能を組み合わせることでピントずれの少ない写真を撮影することができそうです。
キットレンズはEF-S18-55mm F4-5.6 IS STMが付属
EOS Kiss X9のキットレンズはX9i/9000Dから付属している新型のレンズEF-S18-55mm F4-5.6 IS STMが付属します。同レンズは従来のモデルよりも長さが短くなったので、レンズありきで見るとX7よりも携帯性が優れているのかもしれません。(左:EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM、右:EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM)
EOS 9000DとEF-S18-55mm F4-5.6 IS STMの組み合わせでもKiss X7よりも小さくなったなと感じるくらいですしね。(左:EOS Kiss X7、右:EOS 9000D)
EF-S18-55mm F4-5.6 IS STMのレンズ性能はEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMよりも暗いレンズになりましたが手ぶれ補正機能が強力になり画質も良くなっています。特に望遠側の画質・解像感が向上しているのでEOS Kiss X7からの乗り換えで画質が向上していることを肌で感じることができるのではないかと思います。
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EOS Kiss X9の魅力
価格が安い
EOS Kiss X9の価格はEF-S18-55 IS STM レンズキットで約68,000円、EF-S18-55 IS STMとEF-S55-250 IS STMダブルズームキットが約86,000万円となっています。EOS X9はEOS X9i/9000Dのダブルズームキットよりも2〜3万円ほど安く購入することができるのが最大の魅力といえそうです。
画質は上位モデルと同等レベル
EOS Kiss X9は上位モデルのEOS Kiss X9i/9000Dや80Dと同じ2400万画素のAPS-Cセンサーを搭載してます。つまり、安いのに同等レベルの写真を撮影することができるということになります。
光学ファインダーのオートフォーカス機能に少々頼りなささがありますが、デュアルピクセルセンサーを搭載しているイメージセンサーのライブビューでの撮影は非常に快適なので、ライブビュー撮影をよく使うのであればより小型で軽いEOS Kiss X9は選択肢としていいのかもしれません。
EOS Kiss X9i/9000Dの魅力
バランスの取れた最高のAPS-C機
Canonの一眼レフカメラエントリーモデルの最上位機種だけあって写真を快適に撮影するため性能を小型ボディに詰め込んだだけあってかなり使いやすいモデルです。特にAFがクロス中央45点に対応したことでAF性能が大幅に向上しているのが大きなポイントといえます。
価格がEOS 80Dと10,000円ほどしか差がないことを考えると少し高いと感じるかもしれませんが、ボディもコンパクトにまとめられているので、バランスの取れたモデルと言っていいと思います。
EOS Kiss X7の魅力
小型最軽量
後継機種のKiss X9はバリアングル液晶を搭載したことで本体サイズが大きくなってしまったことで、現時点でもEOS Kiss X7は小型最軽量であることはまぎれもない事実です。レンズ交換型で一眼レフスタイルを気軽に持ち歩きたいのであればEOS Kiss X7はオススメのモデルです。
とにかく安い!
EOS Kiss X7はレンズキットでも5万円ほどで購入することがでできます。生産中止により若干値上がりしてしまいましたが、とにかく安い一眼レフカメラが欲しいという方は在庫がなくなる前に旧型のEOS Kiss X7を手にするのもいいかもしれませんね。
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