FUJIFILM X-A5・XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ

小さくてどこにでも持ち出すことができるお気軽ミラーレス一眼カメラが欲しかったのでFUJIFILM X-A5とXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZのレンズキットを購入しました。

FUJIFILM X-A5とXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは2018年2月15日にリリースされましたが、同日に発表されたX-H1の陰に完全に隠れてしまい存在感ゼロとなってしまいましたね(苦笑)

そもそも、X-A5というカメラは初心者向けのエントリーモデルなので注目されるものではないのですが、個人的にはこのカメラは意外と良いと思っているので、その魅力について書いていきたいと思います。

FUJIFILM X-A5 レビュー

FUJIFILM X-A5はX-A3の後継機種となっており1年半ぶりの新型モデルで基本デザインはX-A3と同じですが、内部スペックが刷新され像面位相差AFを搭載しオートフォーカスの速度が大幅に向上したモデルとなっています。

(現在はX-A7が最新モデルとなっています。)


パッケージと付属品

X-A5は上位モデルのXシリーズと同じ黒基調のパッケージデザインとなっています。

FUJIFILM X-A5・XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ パッケージ

箱の中にX-A5とXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZが収められており、充電池は上位モデルのXシリーズと同じNP-W126Sが採用されているので、X-T2と回して使うこともできますね。

バッテリーって異常に高いから同じ型番のものが採用されているのは何気に嬉しかったりします。

FUJIFILM X-A5 付属品

充電アダプタはコストダウンのためかプラグ型となっておりUSBケーブルをX-A5に接続して充電する形になりますが、充電池はP-W126Sを使っているのでX-T2などを持っていれば付属している充電型のアダプタを使ってNP-W126S単体で充電することもできます。

コンパクトでシンプルなデザイン

X-A5はとてもシンプルなデザインとなっています。

FUJIFILM X-A5 外観デザイン 正面

操作ダイヤルはカメラ右側に集中しています。

FUJIFILM X-A5 操作ダイヤル

エントリーモデルのカメラなのでモードダイヤルでモードを切り替える仕様となっていますが、絞り優先、シャッター優先、マニュアルに切り替えることができます。中央に電源ボタンとシャッターボタン、右側に露出補正ダイヤル、その上にFnボタン(機能割り当て)が搭載されています。

絞りやシャッター速度は右手前にある黒色のダイヤルを回して調整をすることもできます。

FUJIFILM X-A5 メニューボタン

動画撮影は専用ボタン(赤丸のボタン)が搭載されているので写真を撮影しつつ動画に切り替えやすい配置になっているので使い勝手は良いと思います。

X-A5はX-T2などのカメラとは操作体系がかなり異なるのでサブ機として使う場合は若干混乱してしまうことがありますが、慣れれば特に問題はないでしょう。

本体下に三脚用のコネクタと充電池とSDカードスロットにアクセスするカバーがあります。

FUJIFILM X-A5 バッテリーカバー

SDカードはシングルスロットでUHS-Iに対応したSDカード(SDXC 256GBまで)を使うことができ4K動画を撮影するときはスピードクラス3以上のUHS-Iカードが必要となります。

充電池とSDカードスロット

X-A5は3インチのタッチパネル付きのチルト式ディスプレイが搭載されており、ディスプレイの解像度はX-T2と同じ104万ドットですが画質は比べるとなぜか綺麗ではないんですよね。メニュー画面の文字が少しだけボケた感じになっているのですが、もしかしたらCPUの性能差が出ているのかもしれません。

FUJIFILM X-A5 液晶画面

可動式になっておるので手前に引き出すこともできます。

FUJIFILM X-A5 チルト液晶

ディスプレイは180度回転させることもできるので自撮り撮影したいときに便利な機能となっています。

セルフィーモード

XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZを装着したX-A5はなかなかコンパクトで良いですね。

X-A5とXC15-45mmF3.5-5.6 キャップ付き

シンプルでカッコ可愛い感じでいいと思うんだけどな。

X-A5・XC15-45mmF3.5-5.6 上部デザイン

片手で持つことができるほどのサイズで軽いのでどこにでも気軽に持ち運ぶことができそう。

X-A5・XC15-45mmF3.5-5.6を手で持つ

このサイズ感は他のレンズに交換したくなくなります。そもそも、カラーがシルバーなのでブラックのXFレンズとの組み合わせはあまり合っていないようにも思いますしね。

電動ズームのXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ

X-A5のレンズキットには新開発されたXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZが付属します。Xマウントのレンズとしてして初めて電動ズーム機能を搭載したレンズでとてもコンパクトなボディになっています。

XC15-45mmF3.5-5.6 デザイン

廉価なXCシリーズなのでレンズキャップはかなりチープなものになっていますね。最初見たとき、なんじゃこれって呟いてしまいましたよ。

XC15-45mmF3.5-5.6 レンズキャップ

マウント部分も金属ではなくプラスチックとなっていますが、135gとかなり軽量なレンズなので特に問題はないと思います。

XC15-45mmF3.5-5.6 マウント部分素材

このレンズの単体価格は40,500円ですが、9群10枚のレンズ構成で非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚が贅沢にし使用されています。もちろん、手ぶれ補正機能も搭載されているので3.0段分の補正をしてくれます。

沈胴式のレンズとなっており電源を入れると黒色のレンズが出てきます。

XC15-45mmF3.5-5.6 沈胴式レンズ

電動ズームリングは大きいリングで大きくズームさせることができ、小さいリングで微調整することができるようになっています。

像面位相差AFに対応した2,424万画素APS-Cセンサー搭載

X-A5のイメージセンサーの画素数は2,400万画素とX-A3と同じですが、像面位相差AFに対応した新開発の2,400万画素イメージセンサー(APS-Cサイズのベイヤー配列のCMOSセンサー)が採用されており、画像処理エンジンが1.5倍に向上オートフォーカスの速度がX-A3と比較して2倍に高速化しました。

X-A5 APS-Cサイズ正方画素CMOSセンサー

像面位相差AFはイメージセンサーに位相差AFセンサーの機能を組み込みオートフォーカス速度が高速になったもので、CanonでいうデュアルピクセルCMOS AFと同じような(細かい違いはあるかも)もので富士フイルムの上位モデル・X-H1/T2/T20/E3/Pro2のX-Transセンサーにも採用されているものですね。

像面位相差AFは今までは上位モデルにしか搭載されませんでしたが、最近はCanonもエントリーモデルのミラーレスや一眼レフにフル採用し、富士フイルムもエントリーモデルのX-A5にも像面位相差AFを採用してきました。

X-A3のオートフォーカスは本当に遅かったので、ようやく実用に耐えることができるオートフォーカス性能を手にすることになったのかなと思います。

実際に使ってみて、X-A5のオートフォーカスの速度はかなり速くなってると感じます。

さすがにX-T2/T20/E3/Pro2に搭載されているX-Trans CMOS ⅢのAF速度には到底かないませんが、X-T1/T10/E2/ProのX-Trans CMOS Ⅱのオートフォーカスに迫る速度になっており、もう一歩で同じくらいになるレベルだと思います。

顔認識の追従と食いつきは像面位相差AFらしくかなり粘り強くなっていますが、シャッターを切ってからのタイムラグがあるので、このあたりがX-Transセンサーの読み出し性能にはかなわないところなのかもしれません。正直なところ夜の室内での子どもの撮影は少し辛いところがあります。

(追記:2018年6月28日にファームウェア1.10の配信が開始され、新しい新開発のAFアルゴリズムに対応しました。すぐにアップデートしたのですが、顔認識の追従性がさらに向上しています。常に顔にピントを合わせてくれるSRモードやAF-Cの食い付きがかなり良くなった印象があります。)

X-T2なら何も考えなくても動き回る子どもをバシバシ撮ることができるので、X-Trans CMOS ⅢセンサーのAFとシャッター性能って優秀なんだなと再認識することができました。

X-A5+XC15-45mmF3.5-5.6の画質

X-A5とXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZの組み合わせでどのような写真を撮ることができるのか、金沢の近江町市場に行って軽く撮影をしてきました。

画像はJPEG撮って出しですがサイズはブログ用にサイズを軽くするために2000pxに縮小圧縮してあります。

近江町市場 1

ささっと撮影したものでF3.5と暗めのレンズだったので手ブレが心配でしたがレンズ側の手ブレ補正がしっかり効いいているので手ブレを起こした写真は一枚もありませんでした。

近江町市場 2

ズワイカニの色合いも良好。というか6,000円もするズワイカニが結構売れててビビるね。みんなお金持ってるね。

ズワイガニ

解像感も良いです。

野菜

X-T2は富士フイルム独自開発した独自のカラーフィルター配列のX-Trans CMOS Ⅲセンサー(2,430万画素)で、X-A5は普通の正方画素CMOSセンサー(2,424万画素)が搭載されています。

X-T2も一緒に持っていき撮り比べをしたのですが画質に関しては違いはほとんどありませんでした。

正直なところもっと差があるのだと思っていてA-X5の方が画質が悪いという固定概念がありましたが決してそんなことはないようです。逆光などの悪条件になればまた変わるかもですが、通常の使い方であればX-T2と比較してもなんら遜色ない画質となっています。

片町スクランブル

XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZとの組み合わせだと、夜間は手ブレに若干気を使う必要はありそうですが、画質は良いです。

夜間撮影

撮影感度はISO200~12800(拡張感度でISO100/25600/51200)に対応しています。さすがにISO51200はノイズだらけで厳しい感じでしたが、ISO25600なら見ることに耐えることができる画質です。

ISO25600 X-A5

ISO感度をあげるとシャッタースピードを上げることができるので、失敗を減らすことができますが、室内で動き回る子どもを撮影するならISO10000くらいまでなら実用で使うことができそうな感じです。

なお、XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは広角側ならレンズ先端から5cmまで被写体に寄れるので接写もある程度はこなすことができそうです。

20180218170039j:plain

X-A5とX-T2のイメージセンサーの違いやXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZの性能については別の記事で詳しくまとめたいと思います。

内蔵フラッシュを搭載

X-A5はフラッシュを内蔵しており本体サイドに搭載されているフラッシュを引き出すボタンがあります。

X-A5 フラッシュボタン

内蔵フラッシュはそんなに使うものではありませんが、レンズキットのXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは暗めのレンズなので、室内で使うには少し心許ないところがあるものなので、補助として使うならのならよいのかなと思います。

ポップアップ式内蔵フラッシュ X-A5

富士フイルムのフラッシュってとても優秀ですし、意外と使えるんですよね。室内で暗いと顔が暗くなりがちになりますが…

X-A5 フラッシュなし

内蔵フラッシュを使うことで十分な光量を得ることができますし、スローシンクロフラッシュに設定することでとても環境光をうまく取り込むことができ、より綺麗に撮影することができます。

X-A5 スローシンクロフラッシュ

なお、X-A5のフラッシュは手で上に向けることができるので、バウンス撮影をすることもできるのも何気に嬉しかったりします。

X-A5 バウンス撮影

バウンズ撮影をすることで光を上から降り注がせることができ、より自然な写真を撮影することが可能となります。

X-A5 バウンスフラッシュ撮影

X-A5とXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZの組み合わせでは、室内での子ども撮影は少し厳しいと先に書きましたが、内蔵フラッシュを上手く使うことで撮影することで、X-A5の弱点をある程度は補填することができるのかなと思います。

4Kの高精細な動画撮影ができる

X-A5は4K動画撮影に対応しています。ただし、フレームレートは15pというかなり低いものとなっており実際に4K撮影してみましたがガクガクで実用性はかなり低いものでした(苦笑)

せめて24pあれば良かったのにと思いつつも、おそらくX-A5の4K動画機能の真骨頂は普通の動画撮影ではなく応用機能なのだと思います。

4K連写

X-A5は4K解像度で15コマ/1秒の撮影をすることができますが、この性能を生かして1秒間に15枚の写真を連写してその中から1枚を選ぶことができるのです。

通常の写真の連写は6コマ/1秒なので解像度は落ちますが逃すことができないシーンを連写したいときには良い機能なのではないでしょうか。

マルチフォーカス

マルチフォーカスも4K動画機能を活用したモードとなっており、シャッターを切るとピント面を自動的に動かした4K動画を自動的に撮影します。こんな感じの動画が自動撮影されます。

マルチフォーカス X-A5

そして、後からピントを調整することができる機能がマルチフォーカスとなっています。このようなピント調整機能は最新のスマホで搭載されていますが、X-A5はそのような最新機能を盛り込んできています。

自動合成をすると奥行きのある写真をくっきりとピントを合わせた写真に合成させることもできるので、使い方次第では遊ぶことができる機能なのかなと思います。

スマホとの連携機能

X-A5はBluetoothとWI-Fiを搭載していてスマホと簡単に接続させることができ、リモート撮影をしたり、カメラの画像をスマホで閲覧したり、画像データをスマホに転送することができるようになっています。

X-A5 スマホ接続

Bluetoothでスマホと接続してアプリと連携させてWi-Fiに接続して画像を転送する流れとなります。Bluetoothでデータを送信するわけではないので一手間ありますが、意外とサクサク動作しているのでSNSにすぐにアップしたい時に便利そうです。


X-A5はもっと注目されてもいいと思う

上位モデルのXシリーズはゴツゴツした印象がありますが、X-A5はフラットでありながらもクラシカルな雰囲気を持ったデザインとなっています。

X-T2・X-A5

富士フイルムのガッツリ系のデザインが苦手という人でも好きになってくれるデザインに仕上がっているのではないでしょうか。少しチープな雰囲気もありますが威圧感もありませんし、個人的にはスッキリとしたX-A5のデザインは好きなんですよね。

iPhone 8とX-A5

X-T2とXF16-55mmF2.8をメインで使用しているのですがカメラボディが大きいので普段から携帯するのはちょっと難しい。特に子供がいるのでと抱っこ攻撃を受けるとかなりヤバイことになってしまうのです。

まあ、もっと小さいレンズを装着すれば解決する問題ではありますが、3月にはさらに大きくなったX-H1も来ることになるので、思い切って棲み分けをしてしまおうと思い、コンパクトさを最重視したX-A5を購入してみました。

ショルダーバックにすっぽり入るサイズなのでどこでも気軽に持ち運びできますし、主張しすぎないデザインなので、どこで取り出しても気兼ねなく撮影することができるのが最高にいいですね。

XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは単体ならブラックを選ぶことができるので、X-T20やX-E3に装着して遊んでみるのも面白いかもしれませんね。シルバー持ってるけどブラックちょっと欲しいもん。

X-A5は入門機という位置付けですが、ガッツリとFUJIFILMのミラーレスで写真を撮りたいと思っている思っているなら、X-Trans CMOS Ⅲセンサーを搭載していてXFレンズとの相性抜群のX-T20やX-E3を選んだ方が良いです。これは間違い無いです。

予算あるならX-T2やX-H1に行ってもいいでしょう。スタイリッシュに決めたいならX-Pro2という選択肢も出てくるでしょう。

入門機としてX-A5はあまりオススメできませんが、サブ機としてX-A5は選択肢としてはいいのかな思います。というのも、AF速度やシャッターのタイムラグのことを考慮すると上位モデルの方が使いやすく初心者向けだと思うのです。

X-A5は癖のある部分があるので失敗の少ない写真を撮ろうと思ったらむしろ知識は必要になるのかなと感じます。(モードセレクト機能は付いていますけどね。)

また、X-A5は液晶画面の品質があまり良くないので写真を撮っている時は本当に綺麗に撮れているのか不安になってしまうのですが、PCにデータを移動させて見るとめちゃくちゃ綺麗に撮れているので、そのギャップがなかなか良いですね。

iPhoneのカメラで撮影した写真ってiPhoneの画面で見るとめちゃくちゃ綺麗に見えるけど、PCの大画面で見るとノイズ処理がガッツリされたのっぺりした写真が出てきてガッカリしてしまうことがありますが、X-A5はその逆のパターンと言っていいかもしれません。

X-A5はコンパクトでデザインもシンプルなので、どんな場面でも使うことができるミラーレス一眼レフカメラです。価格は7万円ほどでレンズキットを購入することができるのでおすすめです。

後継機種はX-A7となっています。

X-Transセンサーを搭載している上位モデルはこちらです。