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シンスペース

日々想うことを綴る、3児の父親のブログです。iPhoneやiPad、MacなどAppleの話題も多いかも!

映画「この世界の片隅に」の感想!日常と戦争がリアルにほのぼのと描かれた良作!

レビュー

アニメ映画「この世界の片隅に」を見てきました。僕が生息している石川県では残念なことに上映している映画館がなかったので隣県の富山県まで高速道路に乗って見てきました。こんなにいい作品なのに上映館数がこんなにも少ないとは、勿体ない。

時間にして1時間半の道のり。ここまでして、見る価値があるのかなーと疑問を抱きながら車を走らせたわけですが、これは見て大正解の映画でした。少しずつ口コミで「面白い!」という声が広がってきているので、もう少ししたら全国ロードショーになる可能性もあるのかな?

 

映画「この世界の片隅に」の感想

本当に面白かったです。

ストーリー的には「君の名は。」のように大きな謎があったり、物語に大きな山場があるわけではありません。しかし、主人公の北条すずというほのぼのとした可愛らしい女性を中心に戦時中の普通の市民はどんな思いで過ごし生活をしていたのかが、よく分かる映画だったと思います。

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こうの史代さんの漫画「この世界の片隅に」が原作となっており、2007年から2009年に「漫画アクション」で連載されていた作品で、2011年に北川景子さん主演でドラマ化もされているそうです。知らなかったなー。ドラマ版も面白そうだけど、どうなんだろうか。監督はジブリの「魔女の宅急便」も手掛けていたという片渕須直さん。

以下、ネタバレあります。

主人公の北条すずが可愛らしい

主人公の北条すずはほのぼのとした見た目はボーッとしているように見える女の子で、座敷わらしを見たり町中で毛むくじゃらの化け物に誘拐されるなど、ちょっと変わった女の子。絵を描くことが大好きで、爆撃機が攻撃をしている爆撃を見て「絵を描くものがあれば...」と言ってしまうほどマイペースで絵を描くことが大好き。

まあ、そんなに絵を描いているシーンはありませんが、周囲に流されつつも嫁ぎ先ではなんだかんだで上手くこなすことができ芯の強さを感じさせてくれる女性です。

すずの声は能年玲奈こと「のん」さんが演じているんですよね。これがめちゃくちゃ適役だった。演技も上手。ほのぼのした声、笑う声、泣き叫ぶ声、どれも魂が込められている。やっぱり、この子は演技の世界で生きるべき人なんだと思います。

戦争時の市民の生活がよく描かれている

舞台は第2次世界大戦中の日本・広島で昭和18年から終戦の昭和20年の2年間がメインで描かれています。広島が舞台ですが原爆が落ちる町からは少し離れた呉という軍港町が舞台となっています。

主人公のすずは生まれが広島で、結婚のため呉に移り住むことになります。

当時、恋愛結婚をする人はごくわずかだったのでしょう。親が勝手に(?)決めた相手の北条周作と結婚をすることになるのですが、実は幼少期に化け物に誘拐された時にカゴの中で周作を出会っていたという運命的な再会でした。

祝言を挙げて初夜を迎えた時、周作が「傘を一本持ってきたか?」とよく分からないことを聞き、すずは「新たなのを持ってきました」と決まりごとかのように返すのですが、これは夜の営みのサインなんですって。

実際には「柿の木問答」と呼ばれるもので、男性が「お前さんのところに柿の木ありますか?」と聞き、女性が「ありますよ。」と答え、さらに「実はよくなりますか?」→「うん、なりますよ。」→「登ってちぎってもいいか?」→「はよ、登ってください。」というやり取りが行われたそうな。

ほうほう。そんな定型文があったとは。すずはお婆ちゃんに「こう聞かれたこう答えるんよ」と伝授されてましたが、これも当時ならではなんでしょうね。

戦争が長引き市民に配られる配給の量も少なくなっていきます。そんな中で、すずは少しでもご飯の量を増やすことができないか試行錯誤。例えば、ご飯を炊く時に水分量を増やすしてご飯粒を最大限まで巨大化させるとか、野草を入れるなど今では考えられない調理方法をしています。

当時の人たちは知恵を振り絞って生き抜いていたんだなと考えさせられる場面でもありました。あと、四季がしっかりと描かれていたのも良かったですね。春にはタンポポが咲き、夏は暑く日焼けし、秋になればトンボが飛び、冬になれば雪が降る。あの寒空の中、洗濯物を手で洗ったり、手を口に当てて「はぁ」って温めるなんて今ではなかなか見られる光景ではないですよね。

 

中盤以降に涙あります

特に大きな見せ場がなく日常が描かれていますが、中盤以降に涙ありです。

すずは周作の姉ちゃんの子供の晴美と仲が良かったのですが、空襲が酷くなってきたことから晴美を下関に疎開させるために汽車の切符を買いに行ったのですが、そのタイミングで空襲警報が鳴ってしまうことに。防空壕で生き延びたのですが、運悪く時限爆弾が炸裂してしまい晴美は死んでしまい、すずは右手を失うという悲劇に見舞われることになります。

もし、右手ではなく反対の手を繋いでいれば、晴海は助かっていたのかもしれないと悔やむことに。晴海の母親である周作の姉には人殺し呼ばわりですからね。まあ、どこに怒りをぶつけていいかわからない、そんな人がたくさんいたことは想像することはできます。

広島の原爆投下

広島の原爆投下もしっかりと描かれています。といっても、すずは幸いにも広島中心部から離れた呉にいたので、原爆に巻き込まれることはありません。しかし、強烈な閃光、もくもくと上がるキノコ雲が描かれるなど、当時の人たちは「一体、何が起きたんだ?」という不安がしっかりと描かれていました。

原爆に巻き込まれた母子がリアリティがあってヤバかったですね。右手を失い、ガラスが突き刺さったまま我が子を左手でしっかりと手を繋いで歩いている母子。基本的にほのぼのした絵ですが、このシーンだけはグロい感じでした。

結局、母親は子どもの前で亡くなってしまうことなり、たまたま近くにいたすずと周作に付いて行って、そのまま引きとるというそんなシーンが描かれていました。すずは晴美を救うことができなかったという思いもあり、自然と受け入れることができたのかもしれません。

まとめ

映画「この世界の片隅に」は本当に素晴らしい作品でした。戦争と広島がテーマだと暗い内容なのかなと思ってしまいますが、そんなことはなく北条すずのほのぼのとした明るい性格、日常にありそうなギャグがあったりととても明るい物語になっています。

公開されている映画館が少ないのはとても残念ですが、もし近くの映画館でやっているのであれば是非とも見てみてほしい映画ですねー。

原作が非常に気になります。

買ってしまうか、迷うな。